NTTドコモ

AIタクシー®

AI × IoT でリアルタイムに乗車需要を予測 効率的なタクシー運行を実現して業務の生産性や移動手段の利便性を向上

(2018年5月号掲載)

NTTドコモ(以下、ドコモ)が法人企業向けに提供している「AIタクシー」は、AI(人工知能)を活用したドコモのリアルタイム移動需要予測技術※1で未来のタクシー乗車需要を予測するサービスです。リアルタイムにタクシーの乗車需要を予測して、お客さまの利便性とタクシー業務の生産性の向上に貢献します。

現在から30分後までの未来の需要予測の情報を配信

「AIタクシー」は、AIを使用して、現在から30分後までの未来のタクシー需要予測の情報を配信するサービスです。乗降場所や日時等に関するタクシー運行データ、建物や店舗等の周辺施設(PIO:Point of Interest)データ、気象データといった多様なデータ。それに加えて、ドコモの携帯電話ネットワークの仕組みを利用して作成される「モバイル空間統計®」のリアルタイム版(以下、人口統計データ※2)を活用した日本各地の性別や年齢層などの属性毎の人数分布の移動による変化をリアルタイムに把握しながら、各データをAIで分析することで、たとえば「現在から30分後までに、この場所には、20台のタクシー需要があります。」というように、タクシーの乗車需要を10分毎に予測します。広域で人数分布の移動による変化をリアルタイムに把握できる人口統計データと、人工知能を活用したタクシー乗車需要予測のサービスは、世界初※3となります。

図1 ドコモのリアルタイム移動需要予測技術

 

AI技術を適用して移動需要予測モデルを作成
500m四方内で乗車獲得確率の高いエリアを表示

「AIタクシー」には、ドコモが開発を進めてきたリアルタイム移動需要予測技術が利用されています。これは、タクシー運行データなどのビッグデータにAI技術を適用して移動需要予測モデルを作成し、500m四方毎に現在から30分後のタクシー乗車需要を予測することを可能にした技術です。ドコモでは、2016年度から東京23区、武蔵野市、三鷹市や名古屋市における実証実験を通して、本技術の確立に取り組んできました。その結果、東京でのフィールド実証では実証全期間4ヶ月連続で売上アップ効果を確認し、名古屋でのフィールド実証においても実証全期間7ヶ月連続で売上アップ効果を確認するなど、一定の効果を確認することができました。そして、大阪市、福岡市などの他のエリアにおいても試行運行を進めています。

「AIタクシー」では、現在から30分後までのタクシー乗車に関する次のような需要予測データがオンラインで配信されます。

  • ①営業区域内※4500m四方毎のタクシー乗車台数予測値
  • ②乗客獲得確率の高い100m四方のエリア情報
  • ③乗客獲得確率の高い進行方向
  • ④普段よりも人口が多い500m四方のエリア情報

このようなデータをタクシー事業者が利用している配車システムやドライバー業務支援アプリなどに対して配信し、「AIタクシー」の機能を搭載した配車システムなどを通して、ドライバーに需要予測を活用した情報が提供されます。

国2 ドライバーへの表示例:未来のタクシー需要予測

 

お客さまのタクシーの待ち時間を短縮
最適な走行ルートをリアルタイムに把握

「AIタクシー」を活用することで、次のような効果を期待することができます。

  • ●需要予測に基づきタクシーが先行して乗車場所に向かうので、お客さまの待ち時間が短縮されます。
  • ●人の流れをリアルタイムに把握することで、電車遅延やイベント等の非日常的な乗車需要増に対応できます。
  • ●効率的なタクシー運行を実現することで、働き方改革の促進や生産性向上が期待できます。
  • ●各ドライバーの運行の効率化により、タクシー事業者の収益向上に貢献。また、これまでドライバーの経験と勘に頼っていた最適な走行ルートをリアルタイムに把握できるようになるので、新人ドライバーの教育や離職率の低下などドライバー不足解消に役立ちます。

提供形態は、配車システムベンダー※5が「AIタクシー」の機能を搭載するシステムを開発したものをタクシー事業者が利用する場合(一般的な利用形態)と、タクシー事業者が「AIタクシー」の機能を搭載したシステムを開発する場合の2種類があります。提供価格は、営業区域数とタクシー車両台数により異なりますが、初期導入費用は30万円から、月額利用料は車両1台あたり900円前後※6、初期導入費用0円のお試しプランもあります。

AI×IoTにより未来の移動需要を見える化

ドコモでは、パートナーとともに新たな価値を協創する「+d」の取り組みとして、AI×IoTにより未来の移動需要を見える化し、移動需要に応じた最適な移動手段の供給を実現することで、タクシーをはじめとした移動手段の効率的運行による交通全体の最適化に取り組んでいます。この取り組みを通じて、交通課題の解決や移動の利便性の向上、各種業務の生産性の向上などに貢献していきます。

 

  • ※1 「リアルタイム移動需要予測技術」はNTTグループのA「I corevo®」を構成する技術です。
  • ※2 本サービスで使用する人口統計データは、エリア毎や属性毎の集団の人数を示す情報であり、お客さま個人を特定できる情報を一切含みません。したがって、この人口統計データによりお客さまの行動が他人に知られることはありません。なお、本サービスで使用
    する人口統計データは、モバイル空間統計ガイドラインを遵守しています。
  • ※3 NTT ドコモ独自の調査による。2018年1月時点。
  • ※4 営業区域とは法令により定められるタクシーの営業区域です。
  • ※5 配車システムベンダーは、タクシー運行システムや、タクシー配車アプリ(乗務員サポート含む)を開発・販売する企業です。
  • ※6 月額利用料金はご利用車両台数や営業区域数などの条件により変動します。
  • ※「AIタクシー」「モバイル空間統計」はNTTドコモの登録商標です。

 

株式会社NTTドコモ
法人ビジネス本部 IoTビジネス部 先進ビジネス推進
技術推進担当課長 槇島 章人

 

「AIタクシー」から配信された情報から人の流れを把握することで、これまで気づいていなかったイベントなどの潜在需要を獲得できるようになります。また、お客さまのタクシーの待ち時間を短縮できるので、満足度の向上も見込めます。

お問合せ先

ドコモのホームページ 法人のお客さま
https://www.nttdocomo.co.jp/biz/