IPv6アドレス その5 - 世界のキャリアによるIPv6アドレスの取得状況 -
近年、世界の通信キャリアやISPは、急速にIPv6のアドレス空間の取得に動いている。元々のトリガーになったのは、2003年にUS国防省が、近年のアルカイダ等によるテロリズムの横行等に対抗するため、今後IPv6をサポートした機器しか調達しないとアナウンスしたことを発端としている。このアナウンスでは、2008年にはIPv6への完全移行が盛り込まれており、このアナウンスを境に急速に各ベンダーのIPv6機能サポートが進んでいる。
こういったIPv6機能の普及を受け、中国では大規模なIPv6をベースとした学術ネットワークCERNETが構築され、また韓国では、モバイルIP技術と組み合わせ固定・無線融合サービスに向けた実験も開始されている。日本では、初期からWideプロジェクト中心にIPv6の検討が積極的に進められており、最近ではNTT西日本が商用のIPv6ネットワークを構築し、「フレッツ光プレミアム」という新しいサービスを開始した。
近年、各国のキャリアにおいては、特に携帯電話と固定電話の両サービスを提供しているキャリアを中心に、大きなアドレス空間の確保に向けた活動が活発である。これは、携帯電話と固定電話を融合させたFMC(Fixed Mobile Convergence)サービス提供に向けた準備として注目される。特に、十分なIPv4アドレスを確保することが困難なアジア・パシフィックやヨーロッパを中心にIPv6アドレス空間の早期確保が盛んである。
現時点で世界で一番多くのIPv6アドレスを取得しているのはドイツテレコムで、*/19(約35兆個、/48単位でユーザに割り当てた場合、約5億ユーザ分)と呼ばれるIPv6アドレスを取得した(ユーザへのIPアドレスの割り当て方法については、図1を参照)。それに続いて、テリア(スエーデン)とテレストラ(オーストラリア)などが、/20(約17兆、/48単位でユーザに割り当てた場合、約2.5億ユーザ分)と呼ばれる、約17兆個のアドレスを取得している。最近では、KT(韓国)も/20のアドレスを取得したとアナウンスした。日本では、ソフトバンクが同じく/20のアドレスを取得している(表1)。
*/19:ISPや通信キャリアがIPアドレス空間の割当てを行う機関から取得した固定長のアドレス空間




