見積もりの肝―変動要因
「見積もりのプロセス」においては、過去のプロジェクトデータに基づく見積もりの基準値(ベースライン)に、ベースラインからの「変動要因」を加味する方法が定石であるが、特に近年は、お客様要求の複雑化・多様化や開発スタイルの変化により、ベースライン(平均的な生産性)からの「変動」の度合いが年々大きくなってきていることをお話した。
この「変動要因」は、「見積もりの基準値(ベースライン)」を基本とすると、「生産性を向上させる(活動を促進する)方向に働く要因」と「生産性を低下させる(活動を阻害する)方向に働く要因」に大別できるが、それぞれの要因は独立事象ではなく、関連性を有している。 また、「変動要因」は、大小さまざまであり、プロジェクトによっては、「見積もりの基準値(ベースライン)」自体を覆すような「本質的な要因」も存在する。従って、プロジェクト活動のスタートにあたっては、どの要因が今回の(現状我が社の)プロジェクトにおいてどれくらいの影響となるのかを「定量的に見極める」必要があるし、プロジェクトが進行している間は、その影響について「管理(監視)し、改善されない場合は対策を打つ」必要がある。
当然、「変動要因」の組み合わせは単純ではないし、「要因」そのものも時々刻々複雑化、多様化してきている。従って、この作業は、過去のプロジェクトの経験から「安易に思い込みで決めうちする」のではなく、今まで蓄積・分析したデータと今回のプロジェクトのおかれている環境条件(要因の集合体)を客観的に捉え、「プロジェクトにおける本質的な問題、問題解決方法を論理的に見極め、影響を定量化する」ことが重要となる。
この作業には、ある程度の時間と複数のメンバーの「知恵」が必要であり、この作業の「汗」を惜しんではならない。 もちろん、本質的問題については、お客様起因のものであってもSIer起因のものであっても、解決に向けた努力を双方継続しつづける(ある時期までに影響を軽減もしくは解決する)ことがプロジェクト成功の絶対条件となる。




