クリックツーコール
前回はYellowpages.comの事例をベースにペイパーコール(着信課金型広告サービス)をご紹介するとともに、着信型ビジュアルコールセンターやビジュアルサポートサービスへの発展の可能性について示した。実はご存知の方も多いと思うが、グーグルも昨年同様のサービスの試験提供を発表している。グルーグルの発表では、ペイパーコールという言葉は使わないで、クリックツーコール(Click-to-call)という言葉を使っている。 これまでクリックツーコールという言葉は、「端末の画面上に表示された電話番号やCallMeボタンをクリックすると自動的に電話がかけられる」という非常に曖昧な意味で使われてきているように思う。グルーグルのようにクリックツーコール=ペイパーコールという意味に使う場合もあるし、従来のmailto:タグと同様にcallto:タグで記述されたHTML上の電話番号をクリックすると自動的に通信ソフトが起動され発信可能となるサービスをクリックツーコールと呼ぶ場合もある。後者の最も簡単な例としては、Callto:タグの中にSkypeを指定しておいて、クリックされればSkypeを起動させるという例がある。しかし、クリックツーコール自体はSkype等のクライアントソフトが前提でなくてもよい。つまり、固定電話や携帯電話で利用できてもよいサービスである。 クリックツーコールは狭義には、図1に示すように、PCや携帯電話等の画面上で通話する相手の番号や名前をクリック指定する、そうするとセンタに設置されたサーバがその発信元及びクリック先の相手の電話端末に個々に発信し、それぞれの呼が確立できたところで二者間の呼を接続するサービスである。この時、通信端末は固定電話、携帯電話、IP電話、ソフトフォン等を含む。


クリックツーコールは比較的新しいサービスであるが、すでに専用のシステムやいくつか商用サービスが存在する。例えばAvayaにはクリックツーコール用の専用のインタフェースが用意されている。また、実サービスとしては、図2に示すようなZiffTalkの例やJajahの例がある(図2)。JajahではWeb上で発信側と相手の電話番号を入力し、Callボタンを押すだけで通話が可能となるサービスである。日本国内の例としてはNTTコムの「Click to Connect」やフュージョン・コミュニケーションズの「クリックコール」がある。NTTコムの「Click to Connect」は、サーバ側に電話帳が保存されていて、まず携帯端末(#1)上のブラウザで相手(#2)の電話番号や名前をクリックする。次にセンターサーバは発信元(#1)と通話先(#2)の両方の電話端末を呼び出し、両者間をつなぐことで通話を実現している。 どのサービスも基本的なメカニズムは図1に示す通りで、①電話料金の負担の仕方(広告に基づく無料モデル、有料モデル(例えばインターネット内無料+PSTN等外部接続有料)、②通話できる範囲、③Web、IM、エクセル等のオフィスツール、グループウェア、CTI等との連携、④電話番号の匿名性の担保等によってサービスの差異化を図っている。前回ご紹介したペイパーコール(着信課金型広告サービス)は、エンドユーザにとってはこのクリックツーコールの無料モデルにあたる。ペイパーコールでは上記①と④が特に重要で、今後種々のサービスが出てくると予測するが、入力された電話番号は広告クライアントを含めて誰にも公開されない仕様でサービス提供されるのではないかと考える。




