システム事例(Warpvision(その2))
今回は前々回にご紹介したWarpVisionと、NTT未来ねっと研究所で開発された広域自律分散マルチキャスト技術「Flexcast(フレックスキャスト)」との連携によって実現している多地点(最大128地点)映像コミュニケーションサービスについてご紹介したい。
FlexcastはIPマルチキャストプロトコルをサポートしないネットワーク上で、ストリームを多地点配信する技術である。現状のIPネットワークでは、ネットワーク上のルータの一部がマルチキャスト通信に対応していないケースもある。Flexcast技術は、既存のネットワーク上にFlexcastスプリッタと呼ばれるIPパケットをコピーするノードを設置することで、アプリケーション側で意識することなく、自律的なマルチキャスト通信が可能となることが特徴である。この技術とWarpVisionアプリケーションと組み合わせることによって、既存のIPネットワーク上で最大128地点までの映像会議を可能としている。
従来の会議通信と多地点配信の通信方式の簡単な比較を図1に示す。従来のWarpVisionは、5地点のクライアントがP2P(ピア・ツー・ピア)の接続形態をとっているが、この方式では、接続地点数を増やすとP2Pのセッション数が級数的に増加することになる。つまり、地点数が増えると、その映像通信に要するトラフィックは非常に大きくなり現実的でない。そこで、図1に示すようにパケットコピーする機能を用いてこの問題を解決し、128地点までの接続が可能となっている。この、多地点会議方式での会議イメージを図2に示す。WarpVision+Flexcastでは、従来の5地点までの会議と同様、4地点までの映像が表示されるのは同じであるが、会議制御盤が追加されている。WarpVision+Flexcastでは、会議の開始から終了までを会議主催者が制御するようになっていて、会議主催者は会議制御盤を使用しながら、会議や講義の進行を行うことができる。例えば研修サービスなどで利用する場合、画面に表示されている講師映像とは別に質問者の映像を追加して、一斉に全参加者に配信したり、全参加者の○、×、△による意思表示集計をとったりするようなことができ、スムーズな講義運営が可能となっている。
このシステムは、衛星を使った多数拠点向けのサテライト研修システム(片方向配信型)を、光回線等のブロードバンドを活用した多数拠点双方向コミュニケーションシステムに置き換えることが可能である。つまり、部分的ではあるが従来の片方向を双方向型にし、また大幅な通信コストの削減を可能としたシステムである。




