見積もりの肝 開発現場のコミュニケーション
開発プロジェクトにおいては、問題発見が遅れ、「成功のシナリオ」がもろくも崩れてしまうケースがままある。問題発見・対処の遅れは、「見積もり時点の想定」を越えた手戻りを発生させてしまう。プロジェクトマネジメントサイドは、もっと早く「アラーム」を上げてくれれば手が打てたのに、と悔やむのが通例であるが、「アラーム」を上げない現場にばかり責任があるのではなく、アラームを上げさせる仕組みのないプロジェクトマネジメントそのものにも責任がある。
まず、当事者は、全体像を把握できないことにより自分が「クリティカルパス」(プロジェクトの完成を遅らせないために絶対に遅らせてはならない立場)になっていることに気づかない。また、遅れが挽回可能と判断(もちろん、あくまで当事者がであるが)した場合、「アラーム」を上げずに自分の力でリカバリしようとする。かといって、その兆候をいち早く掴むべきプロジェクトマネジメントサイドも、多くの人間がいろいろな場所で作業を行い、同時に進行する作業項目も多岐にわたっている状況において、個々のチームの的確な進捗の把握を行うことは至難の業である。
クオリティゲートの徹底や、プロジェクト管理の強化も根本的な解決手段ではない。やはり大切なのは、開発現場における「意識された」コミュニケーションである。開発プロジェクトにおいては、「便りのないのは元気な証拠」と安易に考えることは許されない。 地道ではあるが、あらゆる場面で、十分なツーウェイコミュニケーションを欠かさぬ事、速やかに「悪い情報」が上がってくるプロジェクト風土を作っていく事こそ、重要である。
システム開発の現場では、成果物の形なきその特性ゆえ正確な「進捗」はそう簡単には見えない。相手が「ボールを持っている」(何かあったら投げてくれる・問いかけてくれる)という感覚で待ちの姿勢でいる限り、正確な「情報」は伝わることはない。プロジェクトメンバ全員が、常に「ボールは自分が持っている」という姿勢で、関連するメンバに「ボールを投げ続ける」ことが必要なのである。そのような状況下において「ボールを投げ返すことのできない」チーム(担当者)には何か異変が起きている。即座に現場に出向き、面と向かって話しを聞くことが肝要である。




