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IBMの3エグゼクティブ (その4)

2006.11.16|オープンソースソフトウェア このエントリーをはてなブックマークに追加Yahoo!ブックマークに登録この記事をクリップ!BuzzurlにブックマークBuzzurlにブックマーク

前回の続きで、5番目の質問の「OSSに対するIBMの主たる投資先分野をいくつか教えて欲しい。」に対する3エグゼクティブの回答の続きになる。

Scott Handyが、回答を続ける。
「ストレージの管理に関して、顧客にとっては、ベンダー毎に異なるストレージ管理をしなければならないという問題があることに我々は気付いた。たとえば、IBMは自社のストレージ管理手法をもっており、EMCは多様なストレージに対してEMC独特のストレージ管理手法をもっている。
しかし、すべての顧客は共通のストレージ管理ソリューションを望んでいるのだ。そこでIBMは、リーダーシップを取って、他社からの貢献と自社の技術を合わせてOSS化し、Aperiプロジェクトを立ち上げた。Aperiプロジェクトでは、SNIAが後援するオープン標準のSMI(Storage Management Initiative)のOSS実装を開発している。
今や我々は、ソフトウェアを超えて、OSSの概念をハードウェアにまで発展させることができるかもしれないということを検討し始めている。我々はPowerアーキテクチャの仕様を、興味を示した企業にライセンスしており、そのコミュニティであるpower.orgに参加している企業は約40社に上っている。
もう一つはblade.orgで、我々は既にブレードとシャーシのアーキテクチャの仕様を他社と共有しており、ここには600社以上の企業が参加している。私が注目しているさらにもう一つの領域がグリッドである。我々は2000年にオープンソースのグリッドプロジェクトを開始し、オープングリッドサービス・アーキテクチャ(OGSA)と呼ばれる仕様を公開した。今や、そのグリッドアーキテクチャ仕様を、WebSphereやTivoliなどの自社製品に組み合わせているのである。」

次にJeff Smithが答える。
「IBMにはLinuxのコードをフルタイムで書いている社員が数百人いて、Linuxオープンソースコミュニティに貢献したり、LinuxをIBMのハードウェアプラットフォームに移植したり、その上のミドルウェアを開発したりしており、OSSに対するIBMの関与においてはLinuxが1番大きい。2番目に大きいのはApacheであろう。Scottの言ったことを繰り返すわけではないが、ApacheはIBMのソフトウェア戦略の根幹を担う、Webの世界、オープンなWeb標準、Webアプリ標準、それに、Webサービス標準を増殖させるOSSコミュニティであるという点で重要である。
一例を挙げると、我々は昨年の秋に、WAS CE(WebSphere Application Server Community Edition)を発表したが、これはApacheコミュニティにおけるオープンソースのJ2EEアプリケーションサーバであるGeronimoをベースにしている。
さらに我々は、WAS CEの基盤となるGeronimoを商用でサービス提供していた会社を買収したのである。また、組み込みのJavaデータベース技術を数年前にApacheコミュニティに寄贈したが、それが今やDerbyと呼ばれるプロジェクトとして開花している。
我々はこれをCloudScapeとして商用で提供しており、また、WAS CEのバンドル版としても商用で提供している。さらに、Apacheと同じくらい大きな関与としてEclipseがあるのである。」

最後にまたJohn Palfreymanが
「最後に強調しておくべき重要なこととして、我々は我々のアプローチにおいてオーバーラップやギャップがないようにするために、OSSの計画に関して一緒になって連携していくと決めていた。
3つの異なった部署、つまり、ソフトウェア、システム、サービスの3部門で協調して、一緒に考えて、前進させることによって、大きな成果を得ることができたことは本当にエキサイティングであった。」と締めくくる。

まとめると、Linuxの他に、アプリケーションサーバのGeronimoとWAS CE、アプリケーション開発ツールのEclipse、組み込みJavaデータベースのDerbyとCloudScape、SMI実装のAperiプロジェクト、Powerアーキテクチャコミュニティのpower.org、ブレードアーキテクチャコミュニティのblade.org、グリッドアーキテクチャ仕様のOSGAが主な投資先分野におけるIBMの活動やその成果ということになる。

最後は「OSSの適用を検討している顧客に対して何かアドバイスをお願いします。」である。

Jeff Smithが、「まず第一に、従来のやり方でソフトウェアを買うことに親しんできた場合、製品はその技術をもつ特定のベンダーから買うのが普通で、そのサポートをどこからどれだけ受けるかについては、何ら悩むことはなかったはずである。
ところが、OSSを使おうとすると、サポートがあるのかどうかの保証がなかったり、サポートが複数のベンダーから提供されているので、どこかに決めなければならなかったりするのである。もしくは、コミュニティへのWebインタフェースこそが唯一のサポート窓口という場合もあり、その場合、商用のサポートの顧客のように、はっきりとしたサポートが受けられるとは限らないのである。サポートのオプションは存在するかもしれないが、顧客自身が慎重にそれを見つけ出していかなければならない。」と述べる。

次に、John Palfreymanが、「私ができるアドバイスは、行動する前に一度立ち止まって、自身のビジネス原理について考えてみた方が良いということだ。OSSはあらゆる問題に対する普遍的な解にはなり得ないが、商用ソフトウェアとうまく組み合わせて使うことができれば、重大なビジネス的恩恵を得ることができる。
もし熟考の結果が『ビジネスをしたい領域ではまだOSSが充分に成熟していないので使えない。』というのであれば、それはそれで良い答えである。しかし、そのようなケースはどんどんなくなりつつある。」と言う。

 最後にScott Handyが、「それに沿って言うと、ユーザがしたいことは、適切にOSSがもつ能力を使いたいということである。それはもしかしたら、OSSと商用ソフトウェアの混在した環境であるかもしれない。
もしOSSを少しプロジェクトに入れることができたら、少し前進。もしたくさん入れることができたら、それはそれで万々歳である。しかし、何らかのメリットが30%のOSSの利用で充分に得られるのならば、すべてが100%、OSSでなければならないというような独断的なルールを定めるべきではない。まず成功して、次にそれを拡張していくべきであり、無理して背伸びせずに、能力相応のところから始めた方がいいということだ。」というのである。

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