オープンソースプロジェクト
技術の進化、内部統制と、プロジェクトマネージメントにおける考慮点について述べてきたが、オープンソースについて、マネージメントの視点から述べたい。
日本では、無償オープンソースを利用する視点で論じられることが多いが、欧米では、オープンソースを有償製品開発に、大企業が活用している。ApacheやEclipseが好例だ。大半を企業社員が開発しているのだ。Eclipse Foundationを見てみよう。http://www.eclipse.org/membership/に参加企業の一覧がある。中でも、Strategic Membersは年間3千万円と最低8名の開発者をEclipse開発に割り当てる義務がある。実際にはもっと大勢の開発者が企業の肝いりで投入されている。片手間ではない。オープンソース開発を正規の仕事として雇われている。オープンにするソースの開発に、これだけの人と金を投ずるのはなぜだろう?無償ソフトによって利用者を増やす狙いは当然として、それとは別に、開発プロジェクトのマネージメントとして、次の視点があると私は考えている。
クローズドの開発を長く続けると、技術者は保守的になりがちである。古い仲間と和気あいあいと開発していると、使い慣れた技術の範囲で、古い構造の悪さを引きずったまま、開発手法などを見直すこともしない。クローズドなので、プロジェクト外からは細部が見えない。そして、優秀な若い技術者を惹きつける魅力がなければ、長いライフサイクルの中、プロジェクトは次第にシュリンクしていく。
プロ野球では、春のオープン戦で、ベテランと若手の両方に機会が与えられ、実力が試される。コーチが馴染みのベテランを無理に推挙したとしても、オープン戦での働きは監督や報道陣に公開されている。オープンソースプロジェクトは、誰でも飛び入りで出場できる草野球のように見えるかもしれないが、その実態はプロが大半を占めている。多くのルールも存在する。考えてみれば、練習も試合も見せずに、有料のプロスポーツを名乗っても、誰もチケットを買わない。




