MDSI (2)
当社(NTTコムウェア)の”MDSI”(Model Driven System Integration)においては、構築したシステムの再利用に必要な要素を、「SI成果物」、「開発方法」、「ノウハウ」の3種類に分類している。
「SI成果物」は、提案書・設計書・ソースコード・試験手順書など、開発工程で実際に作成したドキュメントそのものである。「開発方法」は当該開発に利用した開発技法、提案書のひな形、設計書のひな形など、成果物を実開発結果からフィードバックしてテンプレート化したものである。そして「ノウハウ」は、要件定義のヒアリングガイド、設計ガイド、サーバ選定方法、性能チューニング、試験データなど、暗黙知的あるいはPJ個々に使用する知識であるが、それをできる限り文書化によって形式知化したものである。このようにテンプレートだけでなく、そのサンプルとして実際の成果物、そして実践的なノウハウをセットで参照することによって、開発者は過去の事例を有効に再利用することができる。新しい言語や設計技法を習得する際にサンプルコードを参照すると理解しやすいのと同様である。
この3つの要素を組み合わせたものを「モデル」と呼んでいる。再利用性の向上のため、モデルを「基盤モデル」と「APモデル」の2つに分類しており、さらに基盤モデルについては、純粋なプラットフォームのモデルである「システム基盤モデル」と、EAI、J2EEフレームワークなどの共通アプリケーションをパックにした「AP基盤モデル」に分類している。
モデルは最初から完成したセットになっているわけではない。実際の開発実行時、その途中あるいは完了後にその実行過程で得られた上記の3つの要素を、MDSIで定めたルールに基づいて分類し、リスト化する。これがモデル化の最初のプロセスである。当然テンプレートの新規作成や修正の作業が新たに生ずるが、類似の開発事例が起きる毎にモデルを徐々にブラッシュアップして充実させていく。このような営みなので、再利用性が高いモデルのコンテンツが充実していくことになる。実際のところAPモデルの蓄積には時間を要するが、基盤モデルについては汎用性が高く、比較的すぐに再利用効果の高いモデルを揃えることができる。




