SE長寿の秘訣(その3)
日頃は好きな野球中継しかテレビは観ないのだが、先週は静養のため家でごろごろしながら過ごしていた。そんな中で渡辺淳一さんの“鈍感力”という本が560万部も売れて第1位であるというのが目に留まった。本の売れゆきに関しては、PMBOKが200万分以上、第3版だけでも70万部近くになったのは知っていたが、一般の本の売れ行きなどには皆目関心がなかった。なんとなく「鈍感」という言葉に引っかかるものがあったので早速インターネットで取り寄せてみた。
「何でもやってみる 」
前にも「痒いと思うとだんだん痒い範囲が広がってくるが、何か1点に集中すると痒さを忘れるものである。」と書いたことがあるが、これは「鈍感」の証拠ではなかろうかと思いながら読み進んでみると、“鈍感力”の58ページにちゃんと例が載っている。
私の友人たちの多くは胃が悪いという。私は、ITの世界に40年以上も生活していて未だ胃カメラのお世話になったことがない。胃カメラを飲むことが怖いわけでもないが、やむを得ず検査しなければならないときはバリュームで済ませている。酒は人並み以上飲むし、生活もそれほど規則正しいわけではないが、幸い胃のトラブルはない。“鈍感力”によれば「慢性の持続するストレスによって生じる・・・」(37ページ)とある。そういえば私は余りストレスを感じないタイプらしい。これも「鈍感」である証拠であるようだ。
私は、プロジェクトマネジメントに関する研修のため今も100日近く現場に立っている。1日7時間近く立って講義することは肉体的には堪えるようになったが、余りストレスを感じることはない。これも生来の「鈍感」に依るところか。
昔、私の部下はよくぼやいていた「疋田さんと仕事をすると何でもダボハゼのごとく銜え込んでくるので、仕事が多くなって仕方がない」と。私はどんなつまらないと思われる仕事でもほとんど“No”と言った覚えがない。“No”と言うのは英語で相手の言うことが明確に理解できない場合である。“No”と言うと別の表現で、あるいはユックリと話してくれるからである。
このテーマ(SE長寿の秘訣)の第1回目に書いたが「やると決める。それからどうやるかを考える。」ためには、“No”と言ってしまえばそこで話は終わってしまい何も発展は期待できない。もちろん、予想以上に苦しんだことは計り知れないし、新しいことが多かったので失敗したことも数知れない。二度と失敗しなければ、一度は仕方ないと独りで決めていたので、上司やお客さんから小言を頂いても余り応えなかった。「蛙の面に小便だ」と罵倒されても余り感じなかった。
“鈍感力”によれば、こうした私の「鈍感」さが「SE長寿の秘訣」の鍵を握っているかもしれない。




