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EA2.0の要件 理想と現実(その1)

2007.06.07|EA2.0 このエントリーをはてなブックマークに追加Yahoo!ブックマークに登録この記事をクリップ!BuzzurlにブックマークBuzzurlにブックマーク

本連載の第5回から前回(38回目)までEA2.0の要件を考えてきた。「EA2.0は3つの要件をすべて満たすEAである」と理想像を仮置きして論を進めてきたわけだが、今回から数回にわけて、この理想と現実とのギャップを自身の経験を交えて述べていきたい。

まず1つ目の要件「“EAの父”ザックマン氏が提唱するEAコンセプトを満たすこと」を取り上げる。このコンセプトは6つの要素からなるが、このうち「①5種類の異なる立場の視点からの設計図を用意すべき」、「②それら5つの設計図を5W1Hという側面で分析・記述すべき」、「③最上位の行で示されるスコープが、お客様の考える全体最適を行うスコープと合致していること」、「④すべてのセル(マス目)に収まるようなモデル(Primitiveモデル)が記述されること」の4つの要素について述べることとする。残り2つの要素(「⑤上位行のセルとその下位行のセルとの整合(Alignment)がとれていること」、「⑥それぞれの行・列・セルが一体化(Integration)されていること」)については、別の機会に述べることとする。

さて前置きが長くなったが、①~④の要素を満たす設計図をいくつかのプロジェクトで表現してみようと試みた結果得られた経験を紹介していきたい。

1)これらの設計図を表現するには、図1の記号Aで示すような“思考の順序がある”ということ。つまり、ITアーキテクトがITモデルをイメージする際、また、ビジネスアーキテクトが業務モデルをイメージする際には、(6行目に相当する)現場業務・現行ITの運用イメージがまず頭にある(As-Isの表現)。そしてその次に、ここはこうすべき、ここは現行のままで良い、という意見が現れる(2~4行目のTo-Beの表現)。つまり、ザックマンフレームワークの各モデルは、必ずしもトップダウンで上の行から順番に決まっていくのではなく、むしろ現状の企業運営イメージを、異なる視点で言わばボトムアップ的に表現していくことで記述される、少なくともそういうケースが少なからず存在することが分かった。

次回は、経験則の2つ目として、PrimitiveとCompositeの問題を紹介したい。


図1: 思考の順序

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