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EA2.0の要件 理想と現実(その3)

2007.06.22|EA2.0 このエントリーをはてなブックマークに追加Yahoo!ブックマークに登録この記事をクリップ!BuzzurlにブックマークBuzzurlにブックマーク

今回はEA2.0の2つ目の要件「お客様が全体最適イメージを理解できること」に関する経験を紹介したい。

本ブログの第17回で、COO(最高執行責任者)の立場で描く全体最適イメージを対象として考えていきたいと述べたが、これまで1年弱の間に実際に経験できたのは、CIO機能を担っている部署の方々との全体最適に関するコミュニケーションだったり、全社をあげて顧客満足度向上に取り組む部署のトップとのコミュニケーションだったりした。これらの経験の共通点をいくつか述べる。

1)まずは共通認識作りから:

経験したすべてのプロジェクトにおいて、最初に取りかかるのは、全体最適イメージに対する共通認識作り。具体的には、ザックマンフレームワークの1行目(経営スコープ)と6列目(Whyカラム)に関するイメージをあわせていく作業になる。ほとんどの場合、1行6列目は企業理念・ビジョンといったもの、1行4列目は関連する組織名称のリスト、2行および3行の6列目はそれぞれ経営企画部門や現場目線でのゴールグラフ、これら4つのセルの内容は短期間で明確にできるものの、残りのセルのイメージをあわせていくには、お客様との密度の濃い対話が必要になる。

2)ヘリコプターのような目線の動き:

上記の対話は、経営幹部や業務部門の長になったぐらいのつもりで目線を高くして行う場合もあれば、現場目線で組織の運営をイメージして行う場合もある。ザックマンフレームワークのどの行・列について話をしているのか、常にお客様と意識をあわせることで、残りのセルを適切に埋めていくことができる。その際、セル間の関連性を示しながら対話を進めると、認識が合いやすい。

3)最後は人:

全体最適とは即ち「経営の壁」(本ブログの第27回の図1参照)を乗り越える取り組みであり、その実現はタフで長い道のりである。全体最適実現に向けたお客様のパートナーとなり青写真を作っていくには、お客様の組織風土や文化への理解が必須である。

なお、日本ではEAはまだまだITコミュニティにしか知られていない状況だが、EAが浸透し具体的な成果を出しつつある欧米では、ビジネスコミュニティでもEAが注目されはじめているようだ。“Enterprise Architecture as Strategy: Creating a Foundation for Business Execution”という書籍がHarvard Business School Pressから出版されている(2006年8月)ので、関心のある方は一読いただきたい。

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