EA2.0の要件 理想と現実(その4)
今回はEA2.0の3つ目の要件「実用性が高いこと」に関して述べたい。前回の最後に、全体最適実現の鍵は最後は人が握っており、EA2.0はお客様の組織風土や文化に立脚したものでなければならないという旨の意見を述べた。
この点について、例えば社団法人 日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)では、ITガバナンスを意識した組織文化のフレームワークを提案している。これはIT活用と関係性が深いと考えられる自主性、協調性という2種の組織文化を軸にもちいたフレームワークとなっており、両者が高いレベルでバランスがとれている組織はITガバナンスの体制が十分に整っているという研究結果を発表している。
また、10個の質問に答えることで自己診断ができるようになっている。EA導入は前提としていない。
私の所属する研究開発部門では、ナレッジマネジメントやチェンジマネジメントの分野で重要視されている「人や組織の変化への受容性(readiness for change)」に注目したEA管理成熟度フレームワークを開発している。このフレームワークは、(EAに限らず)変革のための管理施策を組織に導入させるには、まず組織の風土や文化を分析し変化への受容性を見極め、それにあわせて施策を導入・洗練し、最終的には歯止めとして施策を制度化する、という考えに基づいている。
EAそのものに加え、EAを利用する人・プロセス・(技術)インフラを考慮した計4つの観点からの質問項目から構成され、管理成熟度を5段階で評価できるようになっている。これら4つの観点のうち人に関する質問で受容性を分析できるようにしている。現在、成熟度を測定するための具体的な質問項目を洗練しているところ。一般的には変化への受容性は組織により異なるため、EA2.0はこの点を考慮したものでなければならないと考えている。




