IPテレビ電話の実現技術 その1
これまで2回にわたりIP電話サービスにおけるIPv6利用について述べてきたが、 今回からはIPテレビ電話サービスを実現するための技術について説明する。
IPテレビ電話サービスの通信を実現するためのプロトコルには、IP網でリアルタ イムの音声動画通信を行うための通信プロトコル標準であるH.323(ITU-T制定) が実装されることが多かったが、最近では、よりインターネットとの親和性が高い SIP(IETF標準)が主流となっている。
IPテレビ電話の実現には音声や映像のデータをやり取りするためのメディア制御 機能が必要となるが、SIPにはこのメディア制御機能が無い。このためSIPは一般 的に以下のような他のプロトコルと組み合わせて使用される。
(1)SDP(Session Description Protocol) マルチメディアセッションに関する情報を通知するために用いられるプロトコル。 セッション生成時に使用するメディア情報(メディア種別、コーデック等)を通信相手 と交換する。RFC2327で規定されている。
(2)RTP(Real-time Transport Protocol)/RTCP(RTP Control Protocol) 音声や映像のようなリアルタイム性が要求されるメディアデータを転送する目的で 使用されるプロトコル。RTPはUDP(User Datagram Protocol)の上に実装して使 用され、データの種類、シーケンス番号、タイムスタンプなど、リアルタイム通信を サポートするための情報を提供する。RFC1889で規定されている。 また、RTCPはRTPを補助するプロトコルとして、送受信者間でのフロー制御や、送 受信者間の情報伝達のために用いられる。
また、IPテレビ電話においてポイントとなる技術として、コーデック(CODEC:COm- pression/DECompression)処理がある。映像データは高画質なほど容量が大きく、 そのままではネットワークの帯域を圧迫することになる。このため、大容量のデータ を圧縮/伸張するためのコーデック処理が非常に重要とされる。 テレビ電話の映像信号のコーデックには、H.261、H.263、MPEG4等がよく利用され るが、最近では、ワンセグ放送等でも利用されるH.264/AVCを実装するものも登場 しつつあり、更なる映像の高画質化が期待される。




