パッケージソフトの採用
2000年頃にUNIXで構築された一連のOpSによってフロースルー化が達成されたが、インターネットの急速な普及によって、この頃からいわゆるIP系サービスへのシフトが始まり、既存網への投資が急速に減少し始めた。 この頃北米と韓国でADSLサービスが爆発的に普及し始め、日本でも新規参入を含む沢山の事業者がサービスを開始した。定額制の常時接続サービスの開始である。通信事業者は電話網の投資を抑え、ADSLとインターネット接続事業への投資に急速に舵を切った。電話系OpSへの投資は1年ほどで急速に減少し、その後システム更改が到来する2005年頃まで、数年にわたってOpS開発の仕事は低迷した。この間私たちOpS技術者は、急速に注目を集めていたERPパッケージのSE、あるいはVoIP技術の立ち上げ、急速に普及し始めたJava技術の習得、CRMやSCM領域への転換など、苦しい時期が続いた。
一方、2000年初頭は、北米を中心に急速に通信事業者向けOpSパッケージを販売するソフトウェアベンチャーが発展し、TeleManagement Forumで研究が進み始めた「TOM」(Telecom Applications Map)に適合する形で様々な機能のOpSパッケージが出現した。また、OpSという分類ではないが、ERP (Enterprise Resource Planning)パッケージソフトウエアが注目を集め始めたのもこの頃である。ADSL網やISP網の管理にも当然OpSが必要であったが、既存電話網に適用するOpSとは異なり、その料金水準と立ち上げ時のサービス規模に見合った小規模で低価格の製品が望まれた。
サービスとネットワークが新しいことから、既存の運用形態にとらわれずにパッケージの機能に合わせた運用からスタートすることができたことも、既存の電話網とは状況が違っていた。また、ネットワークはルーターとスイッチで構成されるので、ネットワーク部分の管理には従来のコンピューターネットワーク管理用のOpSで間に合うことも多く、あとはサービスオーダーと料金のパッケージ製品を買えば、とりあえずサービスを開始することができた。フロースルーなどは望むべくもなかったが、派遣社員による人海戦術で業務をとりあえず処理することができた。このような事情から、新しいIP系のサービスに用いるOpSは、パッケージソフトを使うのが当然のこととなっていたのである。
我々も、当時注目された料金パッケージやミドルウェア製品を積極的に採用してIP系サービス向けのOpSの開発を行うと共に、従来のOpS開発ノウハウを集大成したキャリア向けOpSソリューション「XCarrier-Pro」を商品化した。




