専用線OpS (3)
以前述べたように、専用線ではオーダー毎に端末から中継区間まで全国規模の設備管理とネットワーク設計・工事が必要であり、これらを管理するサービスオーダー業務のシステム化は早くからの課題であった。特に通信事業の競争が激化し、納期短縮が大きな命題になってからはさらにその重要性が強く認識されるようになった。
納期短縮の実現にはいくつかの課題があった。
ひとつは全国各地の現場に紙でバラバラに管理されていた回線原簿のデータベース化である。回線原簿には回線毎に顧客、回線収容局、回線経路、収容位置などが記載されており、保守運用の全ての基本となるものである。
2点目は、End-To-Endの開通に至るまでの複雑な業務フローの管理である。申し込みを受け付けた後に、端末を収容する両端の加入ケーブル、全ての通過経路における専用線装置の空き状況を確認し、納期を回答する。ユーザーと合意が取れればオーダーが全国各地の関連部門に流され、それらの進捗状況は顧客からの問い合わせやオーダー内容の変更に対応できるように長い場合半年から1年近くにわたって追跡管理しておく必要がある。
3点目は設備・パスの在庫管理と回線割り付け設計である。納期の短縮には光ケーブルの敷設などどうしても大幅な短縮が困難な部分があった時代であったが、そのような状況でも納期回答時間を短縮するとユーザーのCSが格段に向上することが明らかになり、この実現にはいわゆる専用線を構成する設備と装置の在庫管理及び割り付け作業の即時化が必要であった。
1992年(平成4年)、回線原簿の電子化とサービスオーダー業務のシステム化を狙ったサービスオーダー管理システムが開発された。膨大な紙の回線原簿を投入して初期データ構築をするのは極めて大変な作業であったが、新規オーダーからは自動的に原簿がシステム内に構築されたので、時間を経るに従って実用的なデータベース精度となっていった。それまでネットワークの監視制御を中心に進められてきた専用線のOpSの中で、このシステムは専用線特有のEnd-To-Endの業務フロー管理を初めて実現し本格的に使われることになったものである。初期システムは汎用機(DIPS)によって回線原簿とオーダー管理を別立てのハードで実現されたが、その後UNIXによるシステム更改と同時にシステムの統合が行われ、現在は3世代目のシステム更改を終えたところで、現在も専用線OpSの中核的な存在となっている。
設備とパスの在庫管理そしてそこにオーダー毎に回線を割り付ける業務自体は比較的古くからシステム化が試みられ、これも汎用機によるバッチ的なシステムが稼働していた。しかし、回線原簿とサービスオーダーのシステム化ができていない時代ではデータベースの精度とリアルタイム性の点で限界があった。その後前述のサービスオーダー管理システムの実用化によってフロースルーの入り口が出来上がったことによって、本格的な回線割付システムが実用化されることになった。このシステムでは保有している装置と多重化パスのデータベースを元に、サービスオーダー管理システムから流通してくるオーダー毎に通過ポイント全ての装置と伝送路の空きを検索して自動的にEnd-To-Endで回線の割り付けを行う。その結果は専用線監視制御システムにオンライン流通され、設定されたスケジュールに従って自動的に回線の設定と開通試験が実行されるのである。




