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WangNet Broad band LAN編 ~読き~

2007.11.05|ITエンジニアよもやま話-海を越え、山を越え- このエントリーをはてなブックマークに追加Yahoo!ブックマークに登録この記事をクリップ!BuzzurlにブックマークBuzzurlにブックマーク

Chapter3. ホノルルでのトレーニング
Wangのアジアパシフィックのトレーニングセンターはホノルルのアラモアナショッピングセンターの近所にあり、新しい製品トレーニングは、よくここで行われていました。

私が参加したWangNetのトレーニングも香港やソウルのカスタマエンジニアやアジアのいろいろな国々のエンジニアが参画していましたが、日本からは、私と先輩のTさんの2名で2週間ほど参加する事になりました。

最初の数日は、WangNetのアーキテクチャやCATVケーブルデザインの基礎など机上でのトレーニングが行われましたが、比較的早いタイミングで実際の同軸ケーブルや、CATVタップ、アッテネータ(減衰器)、アウトレット、計測装置等をラボで見せてもらいました。 中でもショックだったのは、米国のCATVケーブルは同軸ケーブルといっても金属製の水道管のようなハードケーブルのため、簡単には曲らず、同軸の芯線を被膜の絶縁体から取り出すためにガスバーナーで被膜を溶かすことでした。 それまで我々が見てきた同軸ケーブルはソフトケーブルでニッパーやカッターでビニールの被膜を剥いで銅線を引き出すのが一般的でしたから、米国のCATVケーブルはまるでマイクロ波の導管のように見えました。

その日の午後にはいきなり各国別にチーム編成させられそれぞれチーム毎にトランシーバーと脚立を渡され、インストラクタからは「君たちは運がいいよ。ちょうどこのセンターでWangNetの工事を行っているから実践で体験してもらうから」とのこと。

Tさんと思わず顔を見合いましたが、結局、その日から各国の生徒たちは、センターのLAN工事作業に参画させられ、CATVタップやアッテネータ(減衰器)の取り付け作業、設置後の全アウトレットの機能テストを各国別チームに分かれて行いました。 正直、ホノルルまで来てボランティアでLAN工事をさせられた感がありました。

高周波の計測作業ではスイープジェネレータから、10MHzから400MHzの周波数帯域に一定のレベルで高周波を発信させCATVのヘッ ドエンドで一度折り返し、アウトレットで受信した信号をスペクトラムアナライザにかけ、歪みなくきれいなスペクトラムが許容内のレベルで計測できるかを確 認し、その作業をすべてのアウトレットに対して実施するというコンピュータ屋にはあまりなじみのない作業でした。

しかし、ソウルから参加した2名のキムさん(マネージャーの方とその部下の方と両名とも同じキムさんだったので我々日本人の中ではボスキ ムとヒラキムで区別していました。ゴメンナサイ!)は、日本人の我々が初めて触る高周波測定器をたくみに操り、手順よく計測作業を行っていました。 不思議に思い、ボスキムに質問すると、彼曰く「韓国には徴兵制度があるからその期間中にスペクトラムアナライザはマスタしたよ」とのこと。

その日の休憩時間にヒラキムさんにボスキムの趣味を聞くと「スキューバダイビングとパラシュート」と答えるのでどこで習ったのかを聞くと「Korean Army!」との回答。 戦争をする軍隊はいやですが、技術を身につけるという面ではひょっとして徴兵制度も悪くないかもと思ってしまったのは私の若き日の浅はかさでしょうか?

Chapter4. The 失態
とにもかくにも数日間かけ、作業を行い、夕方には、ワイキキの夕日に向かって、「バカヤロー!何でこんなところにまで来て工事させられるんだー!」と怒鳴ってはウサを晴らす 毎日でした。こんな楽しい日々を過ごしている中で唯一失敗したと思うことがひとつあります。 私はこの出張が終わったら、その当時いた自宅から引越し、アパート暮らしをすることに決めていたので、自炊の訓練をすべくホテルの部屋に据付のキッチンで毎朝朝食を作って練習していました。 一緒に同行したT先輩は、妻帯者だったので、「自分で料理は作らん」と言っていたので、私が毎朝、練習を兼ねてハムエッグやら何やら2名分作り、T先輩にモーニングコールをして私の部屋で仲良く朝食をとるようにしていました。

ある日のこと、突然ハウスキーパーのおばさんが入ってきて「Excuse Me!!」と慌てて飛び出して行きました。 “バタンッ!・・・・・・“と、ドアが閉まってからしばらくして、T先輩が言いました。、「鈴木君!ひょっとして俺たち誤解されたかも?・・・」 こうして我々は日本人のゲイカップルと誤解を受けたまま帰国したのでした。

Chapter5. 日本での導入
最初の作業は、ビジネスショーでの出展のためのデモ用のLANの構築でした。 水道管のような金属製の同軸ケーブルをパネルに貼り付けてWangNet Broad Band LANの紹介用のパネルを作成しました。このときには、ホノルルでのインストラクタの一人が 応援で来日して一緒に作業してくれて無事にデモは実現できましたが、絶縁被膜をガスバーナーで溶かす際には、他の社員もびっくりしていたのを思い出します。

こ の後、CATVケーブルデザインの不要なFASTLANという製品が発表されました。これは、ある程度の距離とポート数の制限はあるもののその範囲でケー ブルデザインがされたLANキットで、狭い日本のオフィスではこの程度のキットでも充分カバーできる距離とポート数でしたので、我々はこのFASTLAN を導入するケースが大半でした。 外資系証券会社、米国大使館、外資系製薬会社、国内証券会社をはじめ、Wang VSシステムという数十台から数百台の端末、周辺装置が接続されるシステムがほとんどで従来の同軸ケーブルで天井が抜けそうな状態であったり、ビルのケー ブルダクトがスパゲッティ状になり、端末の増設ができない環境にFASTLANを導入してスペースを確保したりしました。特に米国大使館の案件の際には、 土日で古いWangの同軸ケーブルを大胆にもすべて 切ってはずしてしまい、週末にLAN工事を行い、月曜日から本番というタイトなスケジュールでしたが何とか無事に作業を終えてほっとしたのを覚えていま す。

ま たあるときは、外資系証券会社のビルの中のコンクリートむき出しの鉄梯子を重たいスペクトラムアナライザ等計測装置を担いで上って計測作業を行ったりしま した。結構いろいろな経験を積みましたが、CATVのケーブルデザインの面倒さやRFモデムの高価さから手軽なBase Band LANであるEthernetにその座を取られたのは当然の結果なのかもしれません。 それでも、あれから十数年たってイエローケーブルの同軸ケーブルから伝送特性のよいツイストペア線でEthernetLANを利用する10BASE-Tの LANが一般的になり、さらにここ数年ですがADSL技術がISPから提供されるようになりましたが、さかのぼる数年前、日本でASCEND社がADSL を技術紹介するセミナーに参加した際にWangNetを経験していたのでADSLによるBroad Bandのコンセプトが違和感なく理解できたことは今でもWangに感謝しています。

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