IP電話の技術動向について その5-FMC(Fixed Mobile Convergence)動向-
今回は、モバイル系端末を用いたIP電話動向について述べる。
WiFi、Bluetooth等無線技術のモバイル系端末への搭載が進み、これら端末をIP電話に 適用する動きが近年見られる。一例としては、1台のモバイル系端末(1つの電話番号)を 用い、屋内では固定電話、屋外では携帯電話として利用可能なFMC(Fixed Mobile Convergence)サービスである。
本サービスは、2005年6月、英BT社が世界に先駆けて 提供(*1)を開始し、フランステレコム社、NTT DoCoMo社等欧米及びアジアを中心に展開 されている。通信される情報は、音声をはじめ、インスタントメッセージ、映像等のデータ 通信があり、これらマルチメディアセッション制御においてもSIPが採用されている。
モバイル系端末は、端末自体が移動し使用されることを前提としているため、移動体特 有の課題を解決する必要がある。課題には、逐次変化する端末位置情報、ローミング先 ネットワークの把握、複数ノード間で生成される課金情報の統合等が挙げられるが、SIP の拡張機能を使用したヘッダを定義し、ネットワーク上で流通、制御することで解決を図る。
これらの技術仕様検討は、3GPP/3GPP2(*)が行い、標準化を進めている。 また、固定電話網についても次世代ネットワークNGN(Next Generation Network)にてIP 化の検討が進んでおり、3GPP/3GPP2の規定が考慮される動きがある。移動体網を統合 した次世代IP電話網、標準化は今後の技術課題である。
このように、将来のALL-IP化時代に向けて順調に進んでいるように見えるモバイル系端末 であるが、もっと身近な所にも問題がある。端末毎に解釈の違いにより、SIPの振る舞いが 異なる点である。この問題は複数端末が混在する環境において表面化する。現状ではSIP サーバ等にて端末の振る舞いを吸収する対処をとっているが、端末依存の問題も解決して いく必要がある。
(*1) サービス名称:BT Fusion
(*2) 3GPPは、Third Generation PartnershIP Projectの略で、第2世代携帯電話の通信方 式であるGSM、W-CDMAを基に、第3世代携帯電話のIP技術仕様の検討・策定を行うプロ ジェクトのこと。また、3GPP2は、第2世代携帯電話の通信方式であるCDMAを基にした第3 世代携帯電話のIP技術仕様の検討・策定を行うプロジェクトのこと。




