専用線OpS (5)
サービスオーダー管理、監視制御、故障受付管理などの基本的なOpSが整備された2000年代に入り、激化する競争への対応として顧客対応機能の向上と運用コストの抜本削減を狙った専用線オペレーションの抜本改革が立案された。代表的な施策は、顧客対応インタフェースの充実、故障切り分け機能の充実、自動化(ゼロタッチオペレーション)など、オーダー情報がフロースルーで流通する仕組みを前提に構築された。
顧客対応機能としてはCRMパッケージを採用した本格的な専用線ヘルプデスク、重要顧客あるいはアカウントマネージャー向けの情報ポータル機能がある。故障切り分け機能としては、様々な警報情報を分析(フィルタリング)する機能、Webで警報通知する機能、自動化としてはこれまで触れてきたが、自動開通、自動起票などである。故障票の自動起票やWeb警報通知は、いわゆるプロアクティブオペレーションと呼ばれるもので、顧客からの申告を待たずに情報を提供していくものである。
また、SLAの導入に伴う品質データの管理機能も実現された。 これらの高度化に際し、本ブログでも紹介したNGOSSベースのアークテクチャーを導入した。特にフロースルー化のためのシステム間連携にEAIとCORBAによるバス構成を採用した。また、先に述べたワークフローエンジンを始めとしてパッケージ製品を多用して開発期間の短縮と開発費の低減を両立させた。長年の課題であった端末統合も完全な形で実現した。様々な運用拠点の特性に応じて、端末数と使用するシステムを柔軟に設定できるようになった。
企業通信の中核として重要な役割を担ってきた専用線サービスであるが、最近では需要構造に大きな変化が見られる。企業ユーザーは自社網に必要な信頼性とコストを細かく分類し、網のパーツパーツに最適な通信事業者とサービスを選択するようになっている。基幹部分は従来の高信頼の高速専用線を、支線には近年大きく伸びている広域イーサネットサービスあるいはIP-VPNサービスを、さらに比較的信頼性が求められない部分にはコストを優先してベストエフォートのインターネットVPNを適用するなど、きめ細かなサービスメニューと通信事業者の使い分けが進んでいるのである。
このような環境においては法人ユーザーに対するサービス横断のワンストップ対応が重要になってくる。大口顧客の場合は通信事業者の営業担当者がワンストップ窓口として仲介することが多いので、営業担当者に対するワンストップ情報提供の仕組みも重要になる。故障対応ではヘルプデスクの担当者あるいはサービスマネージャーに対し、顧客名で名寄せしたサービス横断的な情報の提供が必須になる。
電話、インターネット、専用線、広域イーサ、フレームリレーなど、法人顧客に対してサービスオーダーの進捗、故障状況と修理手配の進捗などを横断的に提供できる仕組み、それらの情報によってプロアクティブに対応する仕組みがOpSに求められ、NGN時代に新旧のサービスを統合したオペレーションの目玉となるであろう。




