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基盤ソフトウェア研究 (その5)

2008.04.22|オープンソースソフトウェア このエントリーをはてなブックマークに追加Yahoo!ブックマークに登録この記事をクリップ!BuzzurlにブックマークBuzzurlにブックマーク

まだまだ続く。

【何が起こったのか?  Linux】

「Linux, gcc, Netscapeは、聖なる三位一体というべきものである。もちろん、月並みな正統派だ。それらがすばらしいという理由からではなく、Microsoftではないという理由から象徴となったのである。しかし技術的にはそれほどホットではない。Microsoftはハードワークの末に、多くの(すべてではない)領域において対応する製品が技術的にこれらを凌駕していると主張している。そして、彼らはさらに改良を続けているのだ。LinuxはMacと同じ罠にはまるかもしれない。自己満足による孤立化は陳腐化に陥る。さらに残念なことに、システム基盤の研究はこの三位一体の進歩にすら、ほとんど貢献していないのだ。」

【何が起こったのか?  スタートアップ企業】

「アイデア、ファンド、人材、学生に関して、スタートアップ企業は学会の主たる競争相手である。(ちなみに、それ以外の競争相手は、Microsoft、大企業、フリーハッカー軍団、IETF [Internet Engineering Task Force: インターネット技術標準化の推進団体]である。) その期待に応えるように、政府ファンドや企業における研究は極めて速やかな投資リターンを求められる。」

「これは優先順位を捻じ曲げている: (1) 研究はビッグマネー(IPO)の創造の方に捻じ曲げられている。 (2) 長期的な研究への展望がない。(システム基盤やスケーラビリティの研究がなくなる) (3) ファンド元(政府、企業)は同じ重圧を感じており、悪循環に陥る。  また、業績の判断基準が間違っている。成功したCEO達は大学に多額の寄付をするので、今やスタンフォード大学は学生の起業を奨励している。新しいスタンフォードの学長は、成功したコンピュータの起業家である。」

【何が起こったのか?  グランマ】

「グランマ'ズ・オンライン。これが意味するところは、企業はシステムやサービスを一般人向けにデザインしているということである。フォーカスはアプリとデバイスに当たっており、システム基盤やアーキテクチャには当たっていない。主たる原因はマーケティングにあり、結果として非互換のデバイスの蔓延を招いた。ソフトウェアでは金儲けはできず、ハードウェアでのみ金儲けができる。そのため、ニッチなギミックをデザインすることとなり、新しいビッグアイデアの具現化には至らない。かつてコンピューティングにおいてビッグアイデアであったプログラミング能力は失われてしまっている。同じように、システム基盤研究もなくなってしまう。」

。。。とUNIXやPlan 9などのOS開発で活躍し、2000年にここまで紹介したように嘆いていた元ベル研のRob Pikeは、今やGoogleでプリンシパル・エンジニアである。Googleの基盤技術的強さの根源は分散処理アルゴリズムのMapReduceや分散データベースのBigTableにあるが、PikeはそのMapReduce専用のプログラミング言語Sawzallを開発している。システム基盤技術の強さを武器にするGoogleという企業、今やMicrosoftに脅威を与えているGoogleにその活躍の場を見出したということである。暗くてクローズドな世界での重い処理から、Web 2.0の世界が求めるシンプルでスケーラブルなアーキテクチャへ。MapReduceのOSS版実装はApache Hadoopであり、BigTableのOSS版はGoogleからHyperTableとして公開されている。オープンソースがイノベーションの世界を切り拓いていく。

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