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猿でもわかるAR

2009.09.24|猿でもわかるICT このエントリーをはてなブックマークに追加Yahoo!ブックマークに登録この記事をクリップ!BuzzurlにブックマークBuzzurlにブックマーク

以前バーチャルリアリティ(VR)について紹介した。日本語に訳すと「仮想現実感」である。これに対し最近AR(Augmented Reality)という言葉を聞くようになってきた。これは「拡張現実感」と訳されている。何が違うのだろうか。

VRはコンピュータグラフィックス等によって仮想の映像世界を作り出し、見えないものを見えるようにしたり、現実では体験できない世界に入り込むことができるようにする技術である。ところがARはこれを文字通り“拡張”して、現実の世界の中にVRの仮想世界を重ね合わせる技術なのである。

例えば、カーナビで画面上ではなく実際の道路上に方向案内が示されたり、博物館の展示物の表面や周囲に説明文や資料映像が映し出されたり、また本人の体の表面にその内部のレントゲン映像が映し出されたりする。AR技術を使った特殊ミラーのある試着室では、着替えなくてもフィッティングやコーディネートができ、建築現場では更地の上に完成後の我が家の姿を見ることができ、外観や周囲との整合を事前に調整できる。

このように、VRがコンピュータで全て仮想の世界を作り出すのに対し、ARでは現実世界をベースにしてその一部を仮想世界で置き換えるのである。とすると人間は自分の目で現実世界と仮想世界を同時に見る必要がある。そこで登場するのがHMD(Head Mounted Display)と呼ばれる特殊メガネである。アニメファンであれば、ドラゴンボールZの「スカウター」、電脳コイルの「電脳メガネ」をすぐに連想するだろう。このメガネをかけることで、現実世界を見ながらその上に仮想世界を重ね合わせることができる。最近の3D映像ブームで、誰しもメガネをかけてテレビや映画を立体で見る経験を一度はしたことがあると思うが、これが更に進化したと思えばよい。と、ここまではバラ色の話であるが、これを実用的なものにするにはまだまだ技術的課題があるようだ。

1つはHMDの小型軽量化で、リアルな映像を合成できる画像処理コンピュータをいかにしてメガネに組み込むか。もうひとつは現実世界と仮想世界の位置合わせ技術で、いかにして寸分の違いなく実世界を測量し、そこへ仮想映像をあてはめるかである。

これらを中心にAR研究は進んでおり、限定された応用分野から徐々に実用化されていくものと思われる。 従来のメガネは近視など退化した能力を補い視力レベルを合わせるものだった。ところが、ARメガネは人間の能力を増幅させる効果があるようだ。しかも様々なARメガネができてきそうだ。

人間は“目線を合わせる”ことで価値観を共有し相互理解し共存してきたが、ARではどうなるのだろうか。メガネ性能の違いで人まで変る“色メガネ”には決してなって欲しくないものだ。。。

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