誰でもわかる“クラウドケータイ”
先月(2月23日~24日)開催されたNTTR&Dフォーラム2010で面白いケータイが展示されていた。Virtual Smartphone over IP システムである。
http://event.ecl.ntt.co.jp/forum2010/info/exhibition/pdf/C-4.pdf
外見はいわゆるスマートフォン(アンドロイド携帯)であるが、中身は空っぽで、いわゆるアプリは一切乗っていない。通常はケータイ本体で動作させる各種アプリケーションをネットの向こうのサーバー(クラウド)上で動かして、その表示画面のみをケータイに送ってきて表示する。まさに、シンクライアントのケータイ版とでもいうか、“クラウドケータイ”とも呼べるものである。
しかも、サーバー上ではバーチャルマシン同様“仮想スマートフォン”として動いているので、スマートフォン搭載用に開発されたアプリがサーバー上でそのまま動くのである。展示会では、サーバー上の仮想スマートフォンで動くメールやスケジューラを手元のケータイから操作したり、GPSや加速度センサーと組合せたアニメ表示等がデモされていた。
最近、情報漏えい防止の観点からノートPCの持ち出しを禁止したり、オフィス内のパソコンでもハードディスクを持たないシンクライアント型にする企業が増えてきている。ケータイは記憶できる情報量も小さくこの対象外であったが、ノートPC並みの能力を持つスマートフォンが出てきて、ちょっと見過ごせなくなってきた。“クラウドケータイ”はこの課題対処にピッタリなのである。クラウドから送られてくる情報は、画面表示用の画素データなので文字や数字の情報は一切出ていかない。また、逆にケータイからの入力も、タッチパネルの座標データやセンサーデータがサーバーに送られるだけなので、仮にこれが盗みとられても意味解釈は不可能なのだ。
クラウドケータイにすることのメリットは他にもある。なにせ仮想スマートフォンが動くサーバーはどでかいクラウドである。なので、メモリー容量やCPU処理能力を上げようと思えば幾らでもあげられる。実際のスマートフォンでは扱えないような巨大なコンテンツや複雑な計算処理も簡単に出来てしまうのである。また、ケータイ上のCPUはあまり使わないので電力消費は少なく、電池が長持ちする。
どんどん高機能化・高性能化が進み、あの薄くて小さな箱の中にいろいろ詰め込んできたケータイであるが、これからはパソコンで言うところの、キーボード・マウス、ディスプレイだけが手元にあって、CPU含めた本体は仮想化されクラウド処理されるという方向へ進むのかもしれない。クラウドケータイは、ケータイ進化の一つの方向を示唆しているようにも思えた。




