VDSLの新規品質向上技術について その3-INP機能-
今回はVDSL2における品質向上機能の1つINP(Impulse Noise Protection)機能について紹介する。
INP機能はITU-T G.993.2にて標準化されており、予め設定した誤り訂正符号とデータをシャッフルするためのメモリ領域を用意することにより誤り訂正能力を高め、CRCエラーを回避する機能である。以下、INP機能の動作概要を説明する。
INP機能は、図3のようにまずデータに誤り訂正符号を印加する。次に確保したメモリ領域にデータを蓄積し、メモリへのデータの入力と出力の順番を変えることでデータをシャッフルする。これにより受信側でシャッフルしたデータを元の順番に戻した際、誤りの連続性を回避することができるため、誤り訂正能力が高まる。
この誤り訂正符号のビット長とメモリ領域は可変であるため、これら2つのパラメータを変えることで想定する雑音に合わせた誤り訂正能力をもつことができる。
他のVDSL2品質向上機能の多くは動作条件に雑音の印加時間幅が決められているのに対して、INP機能は誤り訂正可能な時間幅以内で発生した雑音であれば、無条件に誤り訂正を行うためインパルス雑音のような時間幅の小さな雑音に耐力をもつことができる。
INP機能は、設定した誤り訂正符号に応じてリンク速度の低下や、設定したメモリ領域に応じて遅延が生じる。しかし、雑音環境に合わせて雑音耐力、リンク速度、遅延それぞれの優先度を反映させたネットワークをデザインすることがでるため有効な機能である。
次回はVDSL2における品質向上機能のまとめとして実環境での効果を紹介する。




