誰でもわかるモバキャス
2012年の話題の一つに“モバキャス”放送開始がある。地上波テレビのデジタル化で空きとなった旧10チャンネルから12チャンネルの周波数帯域(VHF-High)を利用した全く新しい放送である。正式には「携帯マルチメディア放送」という名称で、ニックネームが“モバキャス”。2012年の4月1日から放送開始予定だ。モバキャス専用受信機を内蔵したケータイやスマホ・カーナビ・フォトフレームが発売される予定で、それを使っていつでもどこでもテレビが楽しめるという。
ケータイでテレビを見ると言えばワンセグがお馴染だが、ワンセグとモバキャスは何が違うのだろうか。最も大きな違いは、ワンセグが地デジと同じ番組(コンテンツ)を流しているのに対して、モバキャスは専用のオリジナルコンテンツを流すこと。また、従来のテレビのようなリアルタイム放送だけでなく、蓄積型呼ばれる放送がある。コンテンツが一旦ファイルとして受信機に蓄積され、好きな時間に再生・視聴できるサービスである。TwitterやFacebookとの連動機能も有り、1台のスマホでスポーツ中継を観戦しながら“つぶやき合う”ということもできる。いわば、放送と通信の良いとこ取りをしたサービスだそうだ。映像の品質もワンセグに比べ10倍高画質だそうだ。
それから裏方の話ではあるが、モバキャスは“上下分離方式”という新しい事業形態でサービスされる。従来の放送は番組作りから電波を発信するところまで1つの放送会社が行っていた(垂直統合型)が、モバキャスでは放送設備を運営するハード会社(下位層)と番組制作・編成を行うソフト会社(上位層)に分かれてサービスされる。ハード会社は、ジャパンモバイル・キャスティングという1社のみで、その設備を利用して複数のソフト会社が番組を提供することになる。
いまのところ、ソフト会社はまだ「NOTTV(ノッティービィー)」を提供するmmbi社のみだが、それだけでもかなりメニューが用意されている。地デジと違い有料サービスだ。月額420円でリアルタイム放送3チャンネルと蓄積型の番組が提供される。また別料金でスポーツ中継や音楽ライブ等のコンテンツも用意される予定。SNS連動を利用して視聴者参加型のクイズ番組なども揃えるという。4月のサービス開始時点では、関東、関西等の地域限定であるが、3年で人口カバー率90%以上にするそうだ。対応端末はドコモからスマホとタブレット端末を各1機種が用意され、逐次機種追加の予定。
長年言われてきた、“放送と通信の融合”がモバキャスで一歩前進しそうだ。仕組みはできたので、後は魂であるコンテンツ次第といったところであろうか?




