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光ネットワークを支えるWXC伝送装置とその高機能化 その2-WXC伝送装置-

2012.07.04|新ネットワーク このエントリーをはてなブックマークに追加Yahoo!ブックマークに登録この記事をクリップ!BuzzurlにブックマークBuzzurlにブックマーク

2回はWXC伝送装置と、それを構成する上で重要な光デバイスの1つであるWSS(Wavelength Selective Switch)について紹介する。
図2にWDM信号を波長単位に方路選択を行う光ネットワークのイメージを示す。
A局から受信したWDM信号(9波)をWXC伝送装置で波長単位に方路選択を行い、各方路に所望の波長のみを波長多重して送信する(B局へ2波、C局へ1波、D局へ3波)。また、自局でDropする波長(3波)については波長単位に出力する。ここでは一例としてA局からのみWDM信号を受信し、その他の方路へ転送する構成を示しているが、実際はB局、C局、D局からのWDM信号も同様に波長単位で方路選択を行い、WDM信号として出力する。

このような転送処理を光信号のまま実現するために、複数の光デバイスを組み合わせてWXC伝送装置を構成する。図3にWXC伝送装置の構成例を示す。A局より受信したWDM信号は、光カプラで他方路および自局向けに分配し、他方路向けのWDM信号を受けたWSSでは、送信させるべき波長のみを透過させ、A局以外から送られてきた送信されるべき波長と合波してWDM信号として出力する。自局でDropする波長は、AWG(Arrayed Waveguide Grating: アレイ導波路回折格子)で波長単位に分波し、ルータやスイッチとのインターフェースとして機能するトランスポンダ(トラポン)に送られる。

図3の例において、WSSは複数方路からのWDM信号を受信し所望の波長のみを透過して波長多重して送り出す機能を有するが、これらを実現する構成例を図4に示す。ここでは、AWG(分波部および合波部)と1×N光スイッチで構成されるWSSを例に説明する。複数方路から受信したWDM信号を分波部で波長単位に分波し、波長に紐付いた1×N光スイッチでどの方路から受信した同一波長を選択するかを決定する。その後、合波部に送り出し、波長多重されて送信される。なお、ここで使用する光デバイスは可逆性があり、今回説明した反対方向にWDM信号もしくは単一波長を入力すると合波部が分波部として機能し、1×N光スイッチにて方路を選択し、分波部が合波部として機能する事でWDM信号もしくは単一波長を出力可能である。

今回、図3ではAdd/Dropした波長の合分波部にAWGを用いる例を紹介したが、AWGはトランスポンダ側の光ポートと波長との間に1対1の関係がある。また今回のWXC伝送装置の構成ではAWGと方路に1対1の関係がある。すなわち、一旦トランスポンダを搭載し装置内配線を完了させると、使用可能な波長と通信可能な方路が固定される。これは、通常運用時は問題とならないものの、試験的もしくは暫定的に配線済みのトランスポンダで波長や方路を変えて通信する場合に対応できないため、より柔軟性のある光ネットワーク実現に向けた課題となる。
そこで次回は、Add/Drop側の波長や方路に対する制約をなくし、WXC伝送装置の柔軟性をさらに高めるCDC機能について紹介する。

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