CSP(Computer Service Provider)

浜崎 達彦
劾TT データ新世代情報サービス事業本部
ネットワークコンピューティング事業部長

<お問い合わせ先>
ネットワークコンピューティング事業部
企画担当
Tel 03- 5546- 8782

注目を集めるホスティング、 ハウジングサービス

インターネットの普及・拡大とと もに、Web サーバをはじめとする サーバのホスティングサービスや、 ユーザのサーバやルータといった設 備を預かって運用代行するハウジン グサービスが注目されている。

ホスティングサービスは、インタ ーネット用のサーバ(Web サーバ、 メールサーバ、FTP サーバ)環境 の構築、運用を代行するサービスで、 サーバのアウトソーシングサービス とも言える。ユーザは、サーバを “共用=間借り”すると同時に、各 種機能の提供を受けることになる。

ユーザにとっての最大のメリット は、インターネットへの接続環境さ えあれば、手軽に独自のドメイン名 で電子メールの利用や、ホームペー ジを開設して情報発信が行える点 だ。自前でサーバマシンやソフトウ ェア、専門的な知識が要求されるサ ーバの保守・管理要員、電源・空調 設備などを用意する必要がなく、低 価格かつ短期間に手軽にサーバ環境 を構築できる。また、自社にサーバ を用意した場合、インターネットに 接続するサーバと社内LAN を切り 離すか、専門の管理者が常時監視し なければセキュリティレベルを保つ ことが困難であるが、専任のスタッ フが監視するホスティングサービス を利用することで、安心してサーバ 運営を行うことができる。さらに Web サーバホスティングでは、サ ービス事業者ごとに提供されるアク セスカウンタ等のCGI (Common Gateway Interface )ライブラリや、 アクセスログの分析などのオプショ ン機能も利用できるといったメリッ トもある。もちろん、共用なるがゆ えに、使用できるディスク容量には 制限がある。

ハウジングサービスは、24 時間 監視や電源対策(UPS による無停 電対策)などセキュアな環境下でサ ーバを運用したい、サービス事業者 の持つ高速バックボーンに直接接続 してレスポンスを高めたいといった ニーズに対応するサービスだ。アプ リケーションサービスやコンテンツ は提供したいが、自前で電力、空調、 セキュリティを完備したデータセン タを持つのは大変といったASP (Application Service Provider )や Web コンテンツプロバイダ、さら にはルータ、サーバといったイント ラネットの核となる設備の運用管理 をアウトソースしたいといった企業 に向けたサービスだ。

今後さらにインターネットやイン トラネットの増加に伴い、このよう なビジネスはますます発展が期待で きる分野であると考えている。

NTT データのCSP ビジネス


●CSP のビジネス戦略

NTT データ・新世代情報サービ ス事業本部が提供するC S P (Computer Service Provider )ビ ジネスについての明確な定義はない が、Web サーバホスティングやハ ウジングといった分野は、このビジ ネス領域に含まれる。この分野は、 本特集の別稿で紹介している他の xSP ビジネスと連動する形で、より セキュアな環境で、より良いサービ スが提供できると確信している。現 在、次のようなビジネス戦略に沿っ て、サービス提供に向け準備を進め ている段階だ。

@セキュリティ度の高いハウジン グ、ホスティングサービスの提供
NTT データはファシリティとし て、コンピュータ専用ビルを数多く 所有している。しかも高速・広帯域 の通信環境を整備している。これを 所掌する部隊と連携しながら、既存 のコンピュータ専用ビルをさらに超 一級のセキュアなビルへと仕上げ て、ここへのハウジングと、SSP のサービス機能を組み合わせた安全 性・信頼性の高いホスティングサー ビスを提供する。

Aハイスキル・オペレーション
ホスティングサービス提供に当た っては、365 日24 時間サポートの高 信頼・広帯域のATM バックボーン ネットワーク“D −NET ”の運用 実績をベースにしたハイスキル・オ ペレーションを付加して提供する。

●CSP のサービスメニュー

CSP の当面のサービスメニュー としては、図1 に示すように、ハウ ジングサービスとホスティングサー ビスを考えている。

図1 NTTデータのCSPサービスメニュー

図1 NTTデータのCSPサービスメニュー


各サービスの特長を以下に示す。

<ハウジングサービス>

・お客様ごとの専用スペース区画
・カメラ監視、IC カード錠他によ るハウジングルーム入退室の厳重 なセキュリティ管理
・空調設備の完備、UPS および自 家発電設備による無停電電源の供 給環境を完備
・ギガビット・イーサネットによる 高速LAN 接続環境
・先行配線
・高速・広帯域のATM バックボー ンネットワーク“D −NET ”へお 客様設備を直結することにより、 経済的で信頼性の高いネットワー クの構築が可能



<ホスティングサービス>

・大規模サーバファームのハイスキ ルなオペレーション(サイト間での データの相互ミラーリング、トラ フィックの常時監視によるロード シェア、万一の障害時における 他 のサイトへのトラフィック分散等)
・高負荷サーバのボトルネックを解 消するサーバ・ロードバランシン グによるレスポンスの向上 (Web サーバの負荷分散、キャッ シュサーバの負荷分散等)
・データのバックアップ/リストア
・NTT データの高度なセキュリィ 技術を駆使し、ネットワークセキ ュリティ、システム全体の高いセ キュリティレベルを確保


●VPN とPKI ベースのセキュア なRAS 環境でのCSP 利用例

図2 に実際のCSP サービスの利 用例を示す。

図2 CSPサービス利用例


図2 CSPサービス利用例


この例の特徴は、 NTT データによるVPN (Virtual Private Network )の構築と、CSP サービスの利用に加えて、エントラ スト社のPKI (Public Key Infrastructure ;公開鍵暗号通信基 盤)サーバを用いたセキュアな RAS (Remote Access Service )環 境の提供だ。ホスティングサービス を依頼するユーザから見た場合、サ ーバの中身を運用オペレータに見ら れたくないといったことは当然あ る。お客様との間でビジネス上のや りとりを行っているわけで、お客様 が入力した情報(氏名等)は、特定 の社員を除いて、運用オペレータも 知り得ない仕組みを提供して欲しい といった要望に応えたのがこの例で ある。PKI ベースのユーザ認証機能 によって、特定の社員のみがサーバ にアクセスできるセキュアな環境を 提供している。

CSP の展開イメージ−トータル マネジメントサービスの提供へ−

NTT データのCSP ビジネスは、 図3 に示すように、大規模サーバフ ァームを中心としたホスティングサ ービスと、インターネットCTI によ るコールセンタを中核としたトータ ルマネジメントサービスの提供への 展開をイメージしている。

図3 NTTデータのCSPビジネスの展開イメージ


図3 NTTデータのCSPビジネスの展開イメージ


インターネットコールセンタ(図4参照)は、 Web と連動したユニファイドメッ セージングのCTI 機能を持つコール センタだ。これにより、企業のホー ムページにアクセスした利用者に対 して、コールセンタからWeb 画面 を共有しながら、VoIP (Voice over IP )を使い、利用者とリアル タイムで会話をしたり、Web 画面 上のテキストチャット・フィールド を利用して、文字でコールセンタと インタラクティブに会話ができる。

図4 インターネットCTIによるコールセンタ


図4 インターネットCTIによるコールセンタ


以上、NTT データ・新世代情報 サービス事業本部のCSP ビジネス への取組みを紹介した。従来から提 供しているサービスの延長というこ とでは、利用実績はあるものの、本 格的なCSP としてのビジネス展開 はこれからだ。前述したように、新 世代情報サービス事業本部が取り組 んでいるNSP 、SSP 、ISP ビジネス と連携して、積極的なビジネス展開 を図っていきたいと考えている。


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