Optical Internet

OPTera Packet Solution

●次世代に向けたバックボーン 網の構築
インターネットのコア・バックボ ーンは、Web や電子メールなどの現 状のトラフィックを運ぶには、現在 の容量で足りているように見える。 しかし、北米をみればわかるよう に今後、電子商取引が盛んになり、 音声や動画がネットワーク上で流れ 始めると、現在のコア・ルータの処 理能力では追いつかなくなってしま う。つまり、数年先を見 据えたコア・ルータと トラフィック制御技術 が必要となってくる。

OPTera Packet Solution は、バックボー ンレベルに対する処 理・転送能力を著しく 向上させる光ファイバ 網を利用したパケット データ伝送技術である (図1 )。具体的に言う と、光クロスコネクトに ルーティング機能を備 え、音声でもデータでも 光ファイバ網をレイヤ ー2 /3 で高速に伝送 を行う技術である。

たとえば、図2 は、エンタープラ イズ・カスタマーにサービスを提供 するキャリア/ISP のバックボー ン・ネットワークを示したものであ る。OPTera Metro は中距離範囲 (関東一円、ニューヨーク周辺等) をカバーするO C -3 c レベルの DWDM バックボーン網である。そ の先に連なるOPTera LH はOC-48 c レベルの長距離範囲をサポートする DWDM バックボーン網である。

図3 の場合は、図2 の場合よりも 遙かに広範囲なOC-192 c のDWDM バックボーン網である。たとえば、 アメリカ東海岸から西海岸、日本全 国にまたがる広範囲なバックボーン 網などがこれにあたるだろう。

このような、光伝送バックボーン 網の構築が次世代には必要不可欠に なってくるであろう。現実に、北米 ではこのような光伝送バックボーン 網の構築が盛んである。

●OPTera ブランド製品群

ノーテルネットワークスは光伝送 のインフラの提供も盛んに行い、多 くの実績を築いてきている。そして、 その技術力を駆使して、今後来るべ くバックボーンの飽和状態に備え て、光クロスコネクトにもルーティ ング機能を取り入れていく方向性を 導き出した。

図4 はOPTera Packet Solution の構成である。オプティカルスイッ チとしての役割を果たすOptical Connect DX と、ルーティング処理 を行うOptical Packet Core の2 つ のコンポーネントで構成される。 また、OPTera Packet Solution は同社の製品であるスイッチルータ 「Versalar 25000 」とマルチサービス 交換機である「Passport 15000 」を 複数所有している顧客が、有効活用 できるアーキテクチャである。つま り、この2 製品を利用することによ り、ネットワーク性能を最大限に引 き出せるのである。

Versalar 25000 は260 Gbps 以上の 処理性能を誇るキャリアグレードの 大容量ルータである。プロトコルも、 今まで企業が利用してきたものに付 け加えて、インターネット環境で利 用されるBGPv 4 やMPLS (2000 年 標準化)に対応可能になっている。 トラフィック管理で特徴となるのが DiffServ である。DiffServ はパケッ トの種類−たとえば、アプリケーシ ョンやファイル、アドレスなど−が 記入されているヘッダを読み込み、 それらを優先的に処理させたり、必 要であれば圧縮や暗号化を行う新し いQoS である。今後は、音声やリア ルタイム映像などを高速送信する需 要が多くなってくる。このDiffServ も、将来のネットワーキングを見据 えたQoS サービスである。

Passport 15000 はATM 、フレーム リレーに対応したマルチサービス・ スイッチである。処理能力は 40 Gbps を誇り、プロセッサ、ファブ リック、インタフェースにわたるま で冗長化仕様になっている点が特徴 である。エンド・ツー・エンドのシ ームレスな統合管理も実現できる。

上記2 製品とも、同社の長年にわ たる音声交換機での実績から、非常 に高い可用性(99 .999 %)を実現して いる。言い換えれば、今後の音声と データを扱う新しいネットワークは 同社の製品が実績と信頼で1 歩リー ドしているだろう。

●オプティカル・ネットワーク の時代がやってくる

今まで述べてきたように、現在の ネットワークインフラも2 〜3 年先 には、力不足を露呈する事になるだ ろう。OPTera Packet Solution は あくまで、その2 〜3 年後に備える ものである。しかし、現在のニーズ にも十分対応し、IP のニーズの顧客 はVersalar 25000 を、ATM 、フレー ムリレーのニーズの顧客は Passport 15000 を選択すればよい。 そして、2 製品を選択し、Optical Packet Core 、OPTera Connect DX とシームレスに統合させ、来るべき Optical ネットワークへと対応する 事もできるのである。もちろん、マ ルチベンダ環境をサポートしたオー プン・ソリューションである。

しか し、キャリアグレードに向けた製品 で、同社製品に匹敵するくらい大容 量、高可用性を備えた製品は見あた らないのもまた事実である。 また、Level 3 Communications 、 Cable&Wireless といった世界の大 手キャリアがノーテルネットワーク スのOptical ネットワーク関連製品 を採用し、グローバルな事業展開を 図っている。 ノーテルネットワークスは SONET 分野において世界NO.1 の 実績とシェアを誇る。キャリアグレ ード製品の信頼性と実績は同社の長 い歴史の中で培ってきたものであ り、キャリア各社が同社製品を選択 する最大の要因がそこにある。

最後に、紹介各製品の発売時期を 記す。

・Versalar 25000 :2000 年第1 四 半期
・Passport 15000 :1999 年12 月
・OPTera Connect DX :2000 年第 2 四半期ベータ・テスト開始
・OPTera Packet Core :2000 年第 3 四半期ベータテスト開始


InterWAN

●既存の機器にプラグイン

InterWAN は、既存のネットワー ク機器にプラグインできるインタフ ェースカードである。つまり、ノー テルネットワークスのOptical ネッ トワーク既存製品にインタフェース カードをプラグインすることで、 様々なOptical ネットワーク環境を 利用できるのである。

では、なぜInterWAN というプラ グインが必要なのであろうか。それ は、IP ネットワークの需要の増大が 最大の要因であり、それに伴い、 Optical ネットワークの最適化を図 るものである。

今までのOptical ネットワークを 見てみると、専用線またはPoint to Point の接続を最適化したものに過 ぎなかった。また、IP ネットワーク を見ても、単なるパケットトラフィ ックを最適化したものに過ぎなかっ た。さらに、IP ネットワークは信頼 性に乏しく、キャリア向けのネット ワークに不向きであった。

現在、パケットをルーティングす るコストは増大しているが、Optical ネットワークに関するコストは減少 している。このような状況下で、デ ータネットワークとOptical ネット ワークを相互に有効利用しようとい うのが、このInterWAN のコンセプ トである。つまり、IP パケットを Optical ネットワーク上で高速に伝 送したり、また、その技術をデータ ネットワーク上でも利用していこう とするものである。

●多彩なサービスの提供が可能に

InterWAN を利用すれば、図1 の ように様々なサービスがOptical ネ ットワーク上で提供できるのであ る。つまり、Optical ネットワークに これだけの付加価値を提供すること ができるのだ。たとえば、図2 のよ うにエンタープライズ、キャンパス などでのIP over Optical ネットワー クを展開することができる。また、 Ethernet だけでなくATM 分野にも 適用が可能であり、Cell over Optical ネットワークが提供可能である。 InterWAN はOPTera Packet Solution 同様、オープンインタフェ ースを採用している。

将来の次世代ネットワーク網は Optical とIP 、ATM を相互に利用し て、形成していくはずであろう。