Enterprise Interaction Center

オールインワンCTI システム

前項で述べてきたように、インタ ラクティブ・インテリジェンスの EIC は、コールセンタ・システムの 構築に専用機器を必要としないCTI パッケージである。既に、米国にお いて数々の賞を獲得しており、その 使いやすさと豊富な機能は実証済で ある。

必要なものといえば、


・フォルト・トレラント機
・WindowsNT
・Dialogic (Intel )社製ボード
・EIC

だけである。

導入作業についても、アナログ及 びINS 1500 の電話回線にも利用し ているLAN 回線を接続すれば、ほ ぼ作業は終了するのである。PBX の機能はすべてEIC の中に搭載さ れているため、電話番号の変更等の 作業などをするだけで、いつでも稼 働体制は整う。ODBC をサポート しているため、様々な種類のデータ ベースに接続できる。このように、 簡単な作業で最先端のCTI システム が利用できるので、従来のCTI シス テム構築を考えると、革命的な導入 作業の簡易さである。

さて、EIC に搭載される機能を以 下に詳しく解説しよう。

PBX 機能

EIC に装備されるPBX 機能は以 下のとおりである。

・転送機能
・200 〜300 もの内線サポート
・録音およびモニタ機能
・リモート・アクセス
・コンファレンス・コール

音声処理ボードにはアナログや INS 1500 の電話に接続し、各電話機 には電話線で通信を行う。録音機能 を備え、モニタリングも可能だ。

リモート・アクセス機能はコール センタ以外の場所でコールセンタに いるように業務を行える機能であ る。電話回線とインターネットに接 続できる環境が揃っていれば、いつ でも業務を行うことが可能だ。接続 方法は、LAN とリモートの2 種類 をサポートしている。LAN は、 EIC サーバにいったんログインした ら常時サーバにアクセスし続けてい る方法であり、リモートは必要に応 じてEIC 側からオペレータにアク セスする方法である。また、業務を 行っているオペレータの通話を遠隔 地で監視することも可能であり、問 題発生時の対処も円滑に行える。米 国では、このように在宅で業務を行 うことが多く、このリモートアクセ ス機能は重宝されている。日本の場 合でも在宅勤務が盛んになっている 背景があるため、今後よく利用され る機能となる可能性が高い。

IVR 機能

EIC の導入により、既存のPBX やACD などにIVR 機能を追加する ことができる。また、データベース に関しては、ODBC に準拠したも のに対応している(図1 )。テキス トの音声変換を行うText-to-speech 機能は、日本語版はVersion 1 .3 か らサポートする予定である。また、 詳細なIVR の設定は各ユーザによ りカスタマイズが可能である。

ACD 機能

コールセンタの運営は、オペレー タのスキルをいかに把握して効率的 に対応させる作業が非常に困難であ る。EIC のACD 機能は、一般の ACD のような機械的な着信コール の配信だけでなく、各オペレータの スキルに優先順位を設定して配信す ることもできる(図2 )。例えば、 非常にスキルの高いオペレータに優 先的にメッセージや通話を振り分け できるのだ。

また、応答可能オペレータの識別 も行うこともできるため、空いてい るオペレータに速やかにメッセージ や通話を配信できる。

このような機能はコールセンタに は欠かせない機能であり、EIC なら ばその設定も容易に行える。

Interaction Designer

E I C には、ダイアルプラン、 ACD ルーティング・ルール、IVR パスウェイ、FAX オンデマンド・ アプリケーション、自動電子メー ル・サービスなどのあらゆる通信処 理のカスタマイズをグラフィカルな アプリケーション・ジェネレータで あるInteraction Designer で行うこ とができる。

Interaction Designer には、電話、FAX 、電子メール、 インターネット、ファイル入出力、 データベース入出力、文字列操作な どのカスタマイズを行う数多くの構 成部品が用意されている。

カスタマ イズの作業も容易であり、端末等の 移動や回線の変更などもドラッグ& ドロップで指定するだけである。ま た、システムを稼働させたままリア ルタイムでデバックを行えるため、 コールセンタの活動を中断すること がない。

このツールはJava ベース なので、自由度の高いカスタマイズ が可能で、また、リアルタイムで変 更も可能である(図3 )。

Unified Messaging

Unified Messaging 機能はコール センタ・ソリューションの中でも重 要視されてきている項目の一つであ る。EIC では、8 bit モノラルで保 存した音声メッセージを電子メール に添付して送信し、そのメッセージ 内容を聞くことができる。また、ダ イヤルイン・サービスを利用するこ とにより、電話とFAX の2 つの番 号を持つ必要がなくなる。

Web サービス

顧客とオペレータの通信手段は、 電話やFAX だけとは限らなくなっ てきている。特に、インターネット は新しい通信手段として確立されて きているため、コールセンタはイン ターネットへの対応を求められてい る。EIC では、コールセンタとイン ターネットの統合を、システムの変 更なしに容易に行うことができる。 顧客は、テキスト・チャット、電子 メール、Web コールバック要求な どを介してオペレータにアクセスす ることができる。また、電話業務と 同じように、スキル・ベースやルー ティングを利用して、キューや Web 対話を処理することができる のである。

Interaction Recorder

Unified Messaging の項でも触れ たように、EIC では音声メッセージ を圧縮して送付することが可能であ る。そのメッセージは、受け取った オペレータのメッセージが「いつ、 どこで管理された」、を判別するため の顧客履歴情報が記されたタグが添 付される。つまり、初めて対応するオ ペレータでもメッセージの履歴を知 ることで、よりきめ細かい顧客対応 ができるようになるのである(図 4 )。

Interaction Client

Interaction Client はエージェン ト側のアプリケーションである。こ のソフトウェアにより、PC がグラ フィカルな通信コンソールとなるの である。発信や転送、電話会議など の機能を簡単なドラッグ&ドロップ 操作で実行できる。高機能な着信機 能により、通話中でも発信者を特定 でき、応答や転送、ボイスメールへ の転送なども行える。各オペレータ の画面には、他のオペレータの通話 状況が表示される。さらに、 TCP/IP を介してEIC サーバとリア ルタイムに通信するので、ワークグ ループおよびキューのモニタも提供 可能である。

Software Artistry 、Remedy 、 Vantive 、Clarify などのヘルプデス ク/カスタマーサービス用製品など のスクリーンポップを表示すること もできる。

管理者のための機能

EIC では、コールセンタを統合的 に管理するツールを提供している。 その内容は以下のとおりである。

・リアルタイム表示機能
・多彩なレポート機能
・Interaction Administrator


リアルタイム表示機能は、各回線 の状況を画面で確認したり、オペレ ータや顧客の様子や順番待ちの状況 を画面で把握するための機能である (図5 )。また、それらの情報をレポ ートとしてプリンタ、FAX 、ファ イルとして送出することが可能であ る。標準で30 以上ものレポートが 用意されており、さらに、オリジナ ルのレポートを作成することもでき る。また、EIC は総合的な記録機能 を備えているので、選択したコール を自動または手動で記録することも できる。

Interaction Administrator は、 上記の情報を統括するイン タフェースであり、各設定 の追加・変更を行う(図5 )。

優れたルーティング処理と コールセンタの統合

EIC は、様々な顧客ニーズ に対応することが可能なパ ッケージである。前述した とおり、電話、FAX 、電子 メール、インターネット電 話等の様々な通信方法に対 応している。また、スキル (例えば、語学力など)に応 じたルーティング機能を利 用して、数多くの対話シス テムを選択することができ るのである。電話での対応 と同じように、責任の所在 の明確化や業務管理、レポ ート作成などの機能も効率よく活用 できる。

ルーティング設定の自由度の高さ もEIC の大きな特長の一つである。 例えば、EIC では特定業務担当オペ レータや一般業務オペレータ、着信 担当や発信担当など、自由に設定で きる。条件に合った最適なオペレー タを選択するルーティング機能を活 用すれば、各オペレータの能力を最 大限に発揮させることが可能になる のである。

Java の採用によりオープンな環境へ

EIC では、オペレータが使用する プログラムはすべてJava で作製さ れているため、Windows 95/98/NT をクライアント・マシンとして使用 することができる(図6 )。必要に 応じてEIC サーバから各クライア ント・マシンの設定を更新できるた め、自動的に内容を更新できるため、 管理者の業務を軽減することができ る。また、Java の大きな利点は、 カスタマイズが容易でリアルタイム に反映できる点であり、前述したよ うにInteraction Designer を利用し て顧客ニーズに合ったシステムを短 期間で構築できるのである。

クライアント側のアプリケーショ ンのソースコードは販売代理店に公 開されているので、他のアプリケー ションと連携させたクライアント・ アプリケーションを作ることも可能 である。

さらに進化するEIC1.3 とは?

現在、日本で出荷されているEIC はVersion 1 .2 である。しかし、米 国では既にVersion 1 .3 が出荷され ており、日本での出荷も待たれると ころである。そのVersion 1 .3 日本 語版の出荷は2000 年2 月末くらいに なる予定であり、さらに進化した EIC が登場するわけである。

EIC は、これからも進化を続ける CTI パッケージである。変化のはや いコンピュータ・テレフォニー技術 を先取りするソリューションを展開 している。EIC Version 1 .3 日本語 版で新しく追加される機能は以下の とおりである。

Unified Messaging

・音声インタフェースの向上(ボイ ス・メッセージなどを迅速に再 生・転送)
・新しいInteraction Designer を搭 載
・MAPI (Messaging API )利用の 電話によるボイス・メッセージ再 生、削除、転送、返信など
・合成音声(予定)


International Support


・世界各国の電話番号に対応
・多言語サポート(英語、フランス 語、ドイツ語、スペイン 語の組み込み)


これ以外にも、オペレ ータのインバウンド・コ ール量が減ると、自動的 にアウトバウンド・コー ルをスタートさせるダイ ヤラー機能が、別売りオ プションで用意されてい る。さらに、2000 年末ま でには、エンタープライ ズ向けに新シリーズをリ リースする予定である。

このように、E I C Version 1 .3 でさらに進化し たコールセンタ・ソリュ ーションを展開すること が可能になるはずである。 米国では、数々の賞を獲 得してきたEIC だが、日 本でもUnPBX パッケージ の真の実力をいかんなく 発揮してくれるはずであ る。


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インタラクティブ・
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