情報通信に かける 私の夢

「21 世紀に向けた 電源システム設計」

◆西井 令子◆
NTT ファシリティーズ
事業推進本部


インターネットの普及に見られる よう、最近は企業だけでなく、私達 個人の生活にも情報通信が浸透して きており、なくてはならないものと なってきています。それにともない 情報通信システムも高い信頼性を求 められるようになり、この状況は来 る21 世紀に向けてさらに加速して いくことと思われます。

しかし、い くら高信頼を誇る情報通信システム を構築してもその電源が無くなった らひとたまりもありません。先日東 京西部で起きた停電も80 万世帯へ 影響を及ぼし、「電源1 つで社会に 重大な影響を与えてしまうことにな る」ということを再認識させられま した。私が所属しているNTT ファ シリティーズは、まさにNTT の情 報通信の土台を支える電源設備を守 っている会社なのです。

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NTT ファシリティーズでは、全 国1 万箇所におよぶNTT の情報通 信拠点のバックアップ電源につい て、企画提案、設計建設、保守管理 といった一貫した流れを一元的に行 っています。私はその中の設計建設 業務に携わっており、電源システム 設計方法の標準化と効率化、新装置 の導入等を検討しています。いざと いう時にも必ず機能する、というの が通信用電源システムの使命です。

阪神淡路大震災の際にも多くの NTT ビルで情報通信の確保に貢献 しました。しかしその構築にあたっ ては信頼性だけでなく、コスト、将 来性、安全性、環境を考慮し設計す る必要があります。お金をかければ 信頼性は高くすることができます が、どこまでも限りなくお金をかけ ることはできません。また、将来必 要となる以上の設備はただの過大設 備となり、無駄なお金をかけること になります。せっかく電源システム を構築しても、効率が悪く電気を無 駄に消費することになればランニン グコストもばかになりません。日本 の電気消費の150 分の1 を消費して いるNTT としては環境問題にも配 慮が必要です。それら全てを考慮し、 バランスの取れた最適なシステムを 構築して行くのが、現在の私の仕事 です。

私も設計の実務を行っていた 頃はなかなかトータルでの検討とい うのが難しく、先輩方に教えられ鍛 えられながら設計をしていました。 しかしその時勉強したことが、現在 の職場でのベースになりました。そ れまでは1 つのビルに対して信頼性 のある最適なシステムを構築すると いうものであったのが、情報通信サ ービスにとって最適なシステムとな るよう標準化を図るという、ベース は同じだがより広い視野に立った検 討をしていくようになりました。

NTT ファシリティーズは情報通信 システムの要となる電源設備を預か っているため責任は重大です。その 責任を果たすべく、お客様の立場に 立った最適な電源システムを構築す ることが私の使命であると考えま す。

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21 世紀に向け情報通信は益々広 がりを見せ、さらに発展し、その依 存度も高くなっていきます。それを 支える通信用電源も今以上の信頼性 が求められ、重要性を増していきま す。コストや環境の条件が厳しくな る中、求められる信頼性を確保し、 最適な電源システムを構築していか なければなりません。そのための技 術を身に付けるためにも、チャレン ジ精神を忘れず常に技術の向上を目 指し、何事にも前向きに取組んでい きたいと思います。

10 年後には 「電源システム設計のことなら西井 に聞け」と言われる様になりたいと 思います。