NTTインフラネットのニュービジネス

先進的な研究開発技術を活かした技術ノウハウビジネス


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NTT インフラネット株式会社
ニュービジネス部
Tel 03- 5645- 1035
URL http://www.nttinf.co.jp

NTT インフラネットは、マルチ メディア通信技術と土木技術を融合 させた先進的な研究開発技術を活か した各種システム、商品を提供して いる。光ファイバセンシング技術を 応用した防災・設備監視システム や、上下水道遠隔監視システム、基 盤設備構築を活かした地球環境にや さしい建設・保全技術、さらには古 紙のリサイクル段階で発生する “MPM (マイクロポーラスマテリア ル)”を活用し、河川や湖沼の水質 浄化に役立てるための技術を研究・ 開発し、実用化を推進している。

NTT インフラネットは、マーケ ットに近い企業との相互連携を考慮 しつつ、これらの技術ノウハウを国、 地方自治体や民間のコンサル、ゼネ コン等へ提供し、役立てていただく よう努力している。(図5 参照)

図5 技術ノウハウビジネスの展開





光ファイバ・センシング技術による 監視・防災システム

NTT が過去に積み重ねてきた光 ファイバ計測技術を応用してNTT の研究所で開発された技術(B -PTDR )を利用した監視・防災シス テムがある。本システムは、単なる 計測だけではなく、NTT の強みで ある情報通信ネットワーク技術を利 用して遠隔から広域をカバーするも ので、さまざまな構造物や地盤岩盤、 堤防などの歪み(変位)を遠隔地か らリアルタイムに計測し、直ちに防 災体制をとることができる。

岩盤の崩落、河川堤防崩壊等の防 災ジャンル、橋梁、トンネル等構造 物の変状計測ジャンル等は、行政機 関の関心が極めて高く、国及び準公 共機関の研究所との共同開発、ゼネ コン、コンサルタントとの業務提携 等を通じて適用拡大を図ってゆく。 光ファイバセンシング技術は、

・落雷等の電磁ノイズの影響を受け ない
・センサごとの配線が不要
・小型、軽量のため機動性に優れ、 取扱いが容易
・長距離の信号伝送が可能(5km 〜30km )
・通信回線を利用した監視、制御が 可能


といった特長を持つ。用途に応じ、 測定原理の異なる2 種類の計測シス テムを用意している。

●B −OTDR システム

B −OTDR (Brillouin Optical Time Domain Reflectometer )は、 光ファイバ自体をセンサとして使用 することにより、構造物等の緩やか な変化に対応し、線および面を広範 囲に連続的に計測することができる システムだ。測定原理は、光ファイ バにパルスを入射し、その反射光の 周波数分布を解析することにより、 光ファイバに生じている歪みを測定 する仕組みである。以下のような特 長を持っている。

@高感度な測定が可能(3 ×10 −5 )、 測定時の距離分解能が1m
A長区間にわたって任意、連続に計 測が可能(5 〜10km )
B落雷時の電磁ノイズの影響を受け ない
C構造物等の緩やかな変化に対応


このような特長を活かし、図6 に 示すように、

・構造物挙動(空港・護岸、ダム・ ビル・ガスタンク、飛行機・船、 橋梁・トンネル・高速道路)
・地盤挙動(埋立地、堤防、山岳ト ンネル)
・地表面挙動(地滑り地帯・法面崩 壊、土石流・砂防工事、落石・雪 崩)


の測定への適用があげられる。

図6 光ファイバ歪み計測システム(B-OTDR)構成例





●FBG システム

FBG (Fiber Bragg Grating )シ ステムは、光ファイバのコアを加工 したセンサとセンサ間を光ファイバ で結ぶ構成で、構造物等の動的な変 化に対応し、特定範囲を高精度に計 測するシステムだ。主な特長を以下 に示す。

@高感度な測定が可能(1 ×10 −6 )
A1 本の光ファイバで多点計測が可 能(最大20 カ所)
B落雷時の電磁ノイズの影響を受け ない
C構造物等の動的な変化に対応


NTT では、約500 qにおよぶ単独 とう道内の災害監視、設備管理、入 室管理等を目的としたとう道監視シ ステムを昭和59 年から導入し安全 面や保守の効率化に成果をあげてい る。(写真1 参照)

写真1 とう道監視モニタ



本システムは、NTT が従来から行 ってきたとう道監視システム技術を 応用し、NTT の得意とする通信回線 を利用した無人の上下水道処理施設 等の維持管理にハイパフォーマンス を実現する先進のシステムだ。広範 囲にわたる無人の上下水道施設を中 央監視室から遠隔操作することで、 稼働状況の巡回点検や、各種データ 収集・分析などの維持管理業務が省 力化でき、トラブルの未然防止を図 るというもの。(写真2 、図7 参照)

写真2 遠隔監視操作システム





図7-1 表示機能例(マップ表示)





図7-2 表示機能例(運転時間日報)



農業集落排水事業等の上下水道設 備の処理場、ポンプ場等、設備監視 システムの構築及びメンテナンス業 務の受託を目指し、中小の行政(市 町村)に提案していきたい。

本システムの主な特長を以下に示 す。

@1 台のパソコンで100 施設の監 視・操作が可能。
A詳細な異常内容を音声通知するた め緊急度がわかる。
B異常内容の再確認ができるため、 担当者が確実に把握できる。
C複数の通報先が設定できる。
D画面操作が簡単で、だれでも使い こなせる。
E10 年間分のデータ保存が可能。
F管理業務の省力化ができる。
Gデータを他の表計算ソフトでの利 用が可能。
H無停電電源装置、MO ディスクへ のデータバックアップによりシス テムの信頼性を確保。
I親局は設置スペースを選ばないコ ンパクト設計。


すでに、市町村をはじめとした幅 広い地域で、上下水道処理施設や中 継ポンプ場などを一括集中管理する 目的で設置され、稼動している。

建設保全技術

管路12 万q、トンネル1000 qを構 築してきた発注者としてNTT で開発 した技術のほか、市中での技術を積 極的に取り入れ、設備構築の低コス ト化、工期短縮、安全、既設老朽設 備の再生を実現する新技術である。

電気通信以外にも電気、上下水道、 ガス等の社会インフラ基盤設備の建 設、維持メンテの強力なツールとし て発注者のほか、ゼネコン等の請負 会社にも提案していく。

●立坑築造工法

これは、大きな立坑掘削(φ 2000 〜φ4000 o)を、大深度まで、 高精度・高速で可能にした全旋回ボ ーリングマシンだ。大口径でパワフ ルだから施工をスムースで効率的に 推進し、建設コスト削減(20 〜 30 %)と工期短縮(30 〜40 %)を 実現することができる。(図8 参照)

図8 QUIC4000 の施工状況



このような特長を活かし、次のよ うな施工に使われている。

@推進用発進立坑、到達立坑
Aシールドトンネルの換気孔
B橋梁橋脚、ビルの基礎杭




●エースモール工法

エースモール工法は、長距離施工 を可能にした小口径管推進システム で、電気・ガス・上下水道・通信な どのパイプラインの建設を、都市機 能を妨げることなく、生活環境への 影響の少ない“非開削工法”により 推進するものであり、

@長距離推進が可能
A曲線施工が可能
B粘性土〜砂礫層まで施工が可能


等、広範囲な適用が可能である。 (写真3 参照)

写真3 エースモール(DL −35 )





●地下埋設物探査システム (エスパー)

これは、電磁波による地中埋設物 を探査するシステムで、浅層管路の 掘削時などの埋設物損傷事故を未然 に防ぎ、安全で確実な作業の推進を サポートする。設計・施工時の埋設 物調査はもとより、空洞、不発弾等 さまざまな地中情報をより迅速・正 確に把握できる。地中2 .0 〜3 .0 m ま での埋設物の調査に適用でき、試験 掘に比べて経済的かつスピーディー に調査できる。(写真4 参照)

写真4 エスパー(ESPAR )





●老巧管路再生技術 R ・I ・P

環境問題にも配慮し、既設老巧管 を有効活用していくために、特殊塩 化ビニールパイプによる通信管路用 の更正工法「R ・I ・P (Reinforced ・Inner ・Pipe )」を開発、使用し ている。(写真5 参照)

写真5 R ・I ・P による老巧管路の再生例



R ・I ・P 工法の特徴を以下に示す。

@管路全体を強化する。
A管路の浸入水等を防ぐ。
B円形であればさまざまな管種に対 して適用可能である。
Cマンホールからの施工が可能。




●環境保護技術

NTT における紙の消費量は、電 話帳をはじめとして年間20 万トン 近くを消費しており、紙資源保護の ため積極的なリサイクルを展開して いる。

この一環としてNTT 研究 所で紙の焼却灰をアルカリ 水溶液中に水和反応させる ことで水質浄化等に使用で きる多孔質材料(MPM : マイクロポーラスマテリア ル)を開発し、千葉県柏市 の生活排水路で性能評価を 行っている。

(写真5参照)


写真6 球状MPM



MPM の特徴は、高いイオン交換 性能と多くの微細孔を有しており、 天然マテリアルゼオライトや活性炭 と比較しても水質浄化材として十分 な性能を持っている。

資源のリサイクル面から世の中の 反響も大きく、今後水浄化を中心に 行政等への企画提案を行うこととし ている。

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