情報通信に かける 私の夢

「変革の波の中で、 できること」

ノーテルネットワークス株式会社
新規事業開発部 シニアスペシャリスト
◆古屋 美佐子◆


私はノーテルネットワークス新規 事業開発部の一員として、日本の市 場に新しい情報通信技術や通信サー ビスをご紹介することを仕事として おります。新技術や規制緩和状況・ 市場状況など、勉強することは山ほ どあり、また、市場を取り巻く環境も 厳しいため、弊社もつねに競争にさ らされています。それでも「がんばろ う」と思えるのは、やはり情報通信の 仕事が好きだからなのだと思います。

私が情報通信業界と関わり始めた のは、10 年前に国際電話のオペレ ータのアルバイトをした時からで す。その頃は、国際電話でもようや く競争が始まったものの、「2000 年 までにアメリカまで1 分間30 円で 電話が出来るようになる」などとは 誰も予測していませんでした。

8 年前、外資系コンサルティング 会社に勤務していた頃、「クライアン ト・サーバ」という言葉はまだ耳に 新しく、メインフレームのバケツの ようなハードディスクを運ぶ人や 「マシンタイム待ちでプログラムのコ ンパイルが2 時間戻ってこない」と 嘆くプログラマーの姿はそんなに珍 しくありませんでした。携帯電話は 現在の小型ノートパソコンよりも重 く、プロジェクトルームにISDN 回 線を引きテレビ電話会議をしようと したときにかかった時間と費用は今 では信じられないものです。

2000 年の今、インターネットが 産業界のインフラとなり、10 年前 であれば考えられない「ギガ/テラ」 といった大容量のデータが波長多重 化され光ファイバーの中を通ってい ます。いつか来ると思われていた 「マルチメディア」も、今では当た り前のものとなりました。

私にとって情報通信業界で働く魅 力は、自分が「変革の波に乗ってい る」ということが実感できることで す。「近い将来、世の中が大きく変 わる瞬間に立ち会うことが出来るだ ろう、もしかしたら自分が世の中を 大きく変えることが出来るかもしれ ない」と思うとわくわくします。そ れが、インターネットの世帯普及率 が40 %を超える時なのか、情報家 電が廉価に販売され一般家庭への普 及が始まる時なのか、全く新しい AI が開発される時なのかわかりま せんが、確実に、この10 年で世界 は急激に変化するでしょう。ノーテ ルネットワークスのビジョンに「社 会変革の先駈けとなる」という言葉 がありますが、これは情報通信業界 で働く皆様が共通して心に持ってい る言葉なのではないでしょうか。

ノーテルネットワークスは、設立 から100 年以上経った会社ですが、 つねに時代の先端を行くために自己 変革を続けています。私自身も変革 を求めて、古いことも新しいことも どんどん吸収したいと思います。

さて、私の夢というよりむしろ中 期的な目標をいくつか挙げさせてい ただきます。

1.日本での広帯域データサービスが 廉価に幅広いユーザに利用される お手伝いをすること。

2.日本に限らず、世界のどこかで全 く新しい情報通信サービスを始め るか、もしくはそのお手伝いをす ること。

3.お年寄りなど、これまであまりイ ンターネットやコンピュータなど を利用することのなかった方々が ネット社会の恩恵を享受できるよ うにお手伝いをすること。

4.ネット後進国の人たちがネット社 会に参加できるようなしくみ作り のお手伝いをすること。

私はこれらの目標を仕事や、また、 いくつかは仕事以外のボランティア 活動などを通して実現していきたい と思います。

最後に、HP のカーリー・フィオ リナさんの例を挙げるまでもなく、 この業界は他の業界に比べ女性に公 平なチャンスが与えられています。 特に社会人1 年生/2 年生の女性の 皆さんにとっては先輩として是非が んばっていきたいと思っています。