読者からの質問

質問(1 )ネットビジネスが話題になっていますが、高い株価がついている割には 赤字の企業が多いと思います。本当に儲かるネットビジネスはあるので しょうか?

ネットビジネスで有名な企業のほとんど は、売上高の割に株価の時価総額がとんで もない額になっています。これは、その企 業や企業のキーパーソンが近い将来何か新 しいことをやってくれるという期待があり、その期待に 対して高い株価がついているということでしょう。この 部分は、日本のバブル期のように、何もしないでも株価 が上った状況とは違います。しかし、ネットビジネスで 利益を上げるのは、そう簡単ではありません。売れる特 許をとるのと同じくらいの難しさがあるといえます。

インターネット上のビジネスは、企業規模の大小は関 係ありません。物を売るときには、価格が安いことと、 信用できるサイトであることが重要になります。秋葉原 の店頭と同じ価格で通信販売を始めたパソコンショップ は、1 ヶ月に数億円の売り上げがあるといいます。面白 いことに、代金の決済には、ハイテクを使わずに銀行振 込を使っています。

パソコンは、インターネットに関連がある製品ですが、 マニア向けの万年筆や自転車などは、個人商店のサイト が健闘しています。要は、ある程度の金額で、数が出て、 安くて、安心できるサイトの商売なら儲かるといえます。

無料のポータルサイトを作って、そのうち高い値段が つくのを待つのも一案ですが、特色のある個人商店を開 設する方がより面白いと思います。

質問(2 )最近多くの企業がASP ビジネスやデータセンタビジネスを始めると発 表していますが、ASP もデータセンタも同じように思えます。どこが 違うのでしょうか。

ASP とは、Application Service Provider の略で、さまざまなアプリケーションを貸 し出すビジネスです。20 数年前に流行った TSS サービスに似ています。個々の企業で は、イントラネットを導入はしたものの、その運用管理 で困っているところがあります。そのような作業を、サ ーバの設置も含めてアウトソーシングで提供しようとい うものです。

データセンタは、サーバなどを設置して提供するビジ ネスです。ASP を実現しようとすると、まずは、サー バを設置する場所を確保しないといけません。そのサー バと場所をアウトソーシングで提供しようというのが、 もともとの発想です。データセンタは、さらに、サーバ と場所の両方を提供するもの、場所だけを提供して、サ ーバは利用者が持ち込むようにしているものに分けられ ます。

データセンタを実現するに当たっては、信頼性が重要 なポイントになります。停電時にもサーバが停止しない こと、地震対策がしてあること、空調対策ができている こと、データのバックアップ対策ができていること、複 数キャリアの回線を引き込めること、セキュリティ対策 が万全なこと等、さまざまな厳しい条件が要求されます。

なお、データセンタには、Web サーバのホスティン グなど、ASP 以外の業務も収容されることを見落とし てはいけません。

質問(3 )i モードでインターネットにアクセスできますが、電話回線で接続した PC からアクセスする場合との違いは何でしょうか?

インターネットの機能は、大きく分けて、 電子メール、WWW 、ftp の3 つがあります。 ftp とは、プログラムやデータを他のサーバ などにアップロードやダウンロードする機 能ことです。PC のドライバソフトやフリーソフトをダ ウンロードすることもftp の機能で実現されています。 なお、ファイルやデータは、ftp せずに、メールの添付 ファイルとして送ることもできます。

さて、PC でできて、i モードではできないことをお教 えしましょう。長文のメールは送れません。添付ファイ ルも送れません。大きな写真やフレーム構成のWWW サイトは見ることができません。ftp もできません。ほ とんどまともなことはできないように思えますが、実際 はそうではありません。かさばるPC がなくても、そこ そこのことはできてしまいます。今日の出来事を知りた ければ、簡単にニュースを読むことができます。銀行へ お金の振込みもできます。お弁当が欲しければ、わざわ ざ車でスーパーに行かなくても、歩いてコンビニに行く 方が便利なのと似ています。

通話料の扱いも違います。i モードの場合は送受信し たデータ(パケット)量に課金されますが、電話回線で 接続したPC は、接続時間に対して課金されます。これ は、i モードの方が進んでいるといえます。IMT −2000 対応の、高速通信ができるi モードの登場が楽しみです。

質問(4 )自宅からTA でインターネットにつないでいます。TA をダイヤルアッ プルータに替えるとどのようなメリットがあるのでしょうか?

PC をISDN 経由でインターネットに接続 するには、DSU とTA が必要になります。最 近は、TA にDSU を内蔵したものがほとんど になっています。TA を使ってインターネッ トにつなぐには、まずPC からダイヤルをしてプロバイ ダにつなぎ、使用が終わったら、ダイヤルを切る必要が あります。ところが、ダイヤルアップルータだと、この 操作をする必要がありません。ルータが、ダイヤルから ネットワークへのログインまでをやってくれるからで す。さらに、使用が終わったあと、ダイヤルを切る作業 もやってくれます。ルータを利用してLAN を構築する こともできるので、複数のPC をインターネットに接続 することができるとか、操作性は格段に良くなります。

しかし、いつダイヤルを切ってくれるかわからないの で、通話料が課金され続けるのでなないかと不安になり ます。でも心配はいりません。最近のルータは、PC からイ ンターネットにアクセスする信号を受けたあと、一定時 間信号が来なかったら、インターネット接続を自動的に 切ってくれるようになっています。ただし、切断までの時 間を3 分に設定してあって、市内のプロバイダに接続して いる場合、ちょっと使っただけでも3 分以上接続されるこ とになり、2 度数(20 円)かかってしまいます。これを防 ぐには、NTT のタイムプラスを利用するのが便利です。 1 ヶ月350 円の料金で、1 度数が5 分に延長されます。