情報通信に かける 私の夢
新分野への挑戦


◆和田 陽子◆
潟Rマースセンター
マーケティング本部 マーケティングマネージャ



私がこの世界に足を踏み入れたの は1996 年のことで、あるISP に転職 したことがきっかけでした。それま では「建築」という全く異なる業界 で、住宅設備機器のアドバイザーと して建築業者やエンドユーザに対し て提案を行っていたのですが、ひょ んなことからE- Commerce に関わる ようになり、今日に至っています。

私は理系出身ですが、専門はバイ オテクノロジーでしたので、IT 業 界とはかなり様子が異なり、最初は 作法もわからずとまどうばかりで、 転職して果たしてよかったのかと悩 むこともありました。しかしその後、 US のあるソフトウェアに出会った ことが、私の方向性を変えることに なりました。

当時はまだ全くの無名であった TRADEX 社(現Ariba 社)のBtoB ソフトウェアがそれです。日本では まだ「インターネット」について説 明が必要な頃に、企業間の受発注を Web 上で実現可能にした、非常に 画期的な製品でした。その時のバー ジョンは3.0 (現在はCommerce Center 6.0 )で、GUI もモノクロの 簡素なものでしたが、Web 上でカ タログ検索から受発注、商品の出荷、 受領までを可能にし、さらにユーザ の管理機能が豊富に用意されていま した。

それ以来、私はTRADEX にどっ ぷりつかる日々を過ごし、まだマニ ュアルすらない製品を自力で理解し ようと必死でした。一番大変だった のは、通常のソフトとは違い、プロ ユースであるため、オペレーション に柔軟性があるという点でした。規 定の操作方法がなく、また、日本語 化すらされていなかったため、英語 の辞書を片手に、受発注業務に関す る単語を調べながら、操作方 法を解明していったのを覚え ています。

その半年後、本格的に TRADEX 製品に関わるべく 会社を移り、現在のNTT コ ミュニケーションズ(当時の NTT 法人営業部)の電子調 達システム「EPOCS 」プロ ジェクトに参加させていただ くことになりました。

TRADEX 製品については多少の 知識はあったものの、まだ経験の浅 い私にとって、大きなプロジェクト の中で皆についていけるかどうか心 配でした。しかし、いざ始まってみ るとそんなことを考えている暇もな く、常に前進することを要求され、 慌しくも充実した日々が過ぎていき ました。E- Commerce という新しい 分野だけに、もちろん途中かなり苦 しい段階もあり、正直なところ投げ 出してしまいたいと思ったこともあ りました。でもそんな時は、プロジ ェクトメンバーのみならず、当時プ ロジェクトリーダーをされていた NTT コミュニケーションズのソリ ューション事業部企画部担当部長 浜野輝夫様と川村剛教主査を始めと する方々にまで助けていただき、つ いには大きなプロジェクトを完遂す ることができました。

今思い返しても、このプロジェク トが成功したのは、お客様である立 場の方々が、我々と一緒になって考 え、苦しんでくださったからだと思 っています。

3 年間にわたりこのソフトととも に過ごしてきましたが、私にとって は今なお色褪せずにいる製品です。 これからもE- Commerce を中心と する分野で、新しい製品に挑戦して いきたいと考えています。