読者からの質問

質問(1 )IT 革命と言われていますが具体的には何を指しているのでしょうか?

IT (Information Technology :情報技術) 革命という言葉が聞かれます。IT 革命のキ ーワードは「移動通信」、「小型情報端末」、 「インターネット」の3 技術であります。こ れらの技術をベースにして社内システムおよび情報活用 系システム等のシステム構築およびサービス提供が近年 なされています。特に、携帯電話によるバンキングやネ ットワークを利用したショッピングなど従来では考えら れなかったスピードで色々なサービスを利用できる環境 が提供されてきています。

最近、新しい情報活用系のシステムを実現するに当た ってPC を使って構築されるケースが多く見受けられま す。これらに共通して以下の3 つの特徴があります。
(1 )短期間で構築および検証が行える。
(2 )多大な投資を 必要とせず構築できる。
(3 )将来にわたり拡張性・互換 性を保持できる仕組みを実現できる。

これらは従来のシ ステム開発でも常に重要視されてきた項目ですが、先に 挙げた3 技術の普及および統合されたシステムあるいは サービスの開発によりビジネスの形態や産業構造までも 変えるほどの成果を上げてきています。特にインターネ ット技術の普及により、ネットワーク上に分散されて蓄 積されている情報を簡単に即座に検索して活用すること が可能となりました。また、それだけでなく、容易に情 報を組み合わせることが可能となり、従来できなかった ことが容易に実現することができてきます。このため、 「情報技術」革命と言われるようになりました。

質問(2 )IP 以外にどのようなプロトコルがあるのでしょうか?

IP (Internet Protocol )はシステムを相 互に接続するためのプロトコル(通信手順) のうち経路制御、アドレス付け、検証を行 う(どのように中継するか、パケットとい う形式にまとめて送受信)ネットワーク層のプロトコル の総称です。OSI (Open System Interconnection :開 放型システム間相互接続)と呼ばれる規格があります。 これは物理的な接続のための規格から業務処理に必要な 規格までを7 つの階層(レイヤー:Layer )に分け、通 信に必要な処理機能を体系的にまとめています。層ごと には一つ上または下の層に対するインターフェースと通 信相手の同じ層との連絡方法(通信プロトコル)が規定 されています。これにより異機種間の接続や通信が可能 となります。

ネットワーク層のレイヤには他にIPX (Internet Packet eXchange :米Novell 社のNetWare が使用する プロトコル)、NetBEUI (NetBIOS Extended User Interface :米国IBM 社が開発したネットワーク・プロ トコル)、AppleTalk (Macintosh のネットワーク・ソ フトウェアおよびプロトコルの名称)があります。IPX はWindowsNT 3 .51 Server が出るまでは企業内で使われ ていましたが、現在ではTCP/IP が使われています。 NetBEUI はWindows に標準装備されており、10 台程度 の小規模システムに向いています。

質問(3 )フリーPC は本当に無料なのでしょうか?

米国でフリーPC が始まりましたが、主に PC は無料で提供する代わりにネット上での ショッピング、証券取引や広告の視聴等の 条件がつけられております。これらのショ ッピングや証券取引などで発生する決済手数料からPC を提供するために必要な経費を捻出する方式です。この ため、条件として最低利用金額などが設定されており、 特定のユーザでないとメリットがないのが特徴です。日 本でのフリーPC は利用条件を定めずに割賦販売とした PC 機器代金とプロバイダ料金をセットにした販売する 方法が多く見受けられます。このため、フリーPC と言 っても無料ではありません。ただし、色々なサービス加 入をセットにすることにより各サービス加入時における (販売代理店としての)インセンティブを原資として購 入者に還元することによりPC 購入価格を下げていま す。このため、購入する場合よりもより低価格で購入者 に提供することが可能となります。現在、パソコンは初 心者用モデルであれば10 万円程度で購入することが可 能です。単純に3 年割賦とすれば金利を含めてもPC 機 器代としても月額3 ,000 円程度となります。これに色々 なサービスのインセンティブを加味することにより、さ らに下げることが可能となります。現在では、インター ネットプロバイダ料金をセットにして3 ,000 〜5 ,000 円/ 月程度で提供されているものが多いです。

質問(4 )WDM とATM はどのような関係にあるのでしょうか?

WDM (Wavelength Division Multiplexing :光波長多重)は波長の異なる光信号を合 成して1 本のファイバーに送り込むことで 光ファイバーの伝送容量を数十倍以上に拡 大する技術です。しかも複数の伝送装置の光信号を波長 多重して1 つの光増幅中継器で中継伝送できるため、中 継器を減らすことができます。大容量のデータを扱うた めの高速・大容量のインターフェースを備えたギガビッ トルータ、ATM スイッチが出現しており、これらを SDH/SONET を介さず直接WDM 網へ収容する高速IP 網が注目されております。ギガビットルータやATM ス イッチを光インタフェースでWDM 網に直接収容し、 SDH/SONET のリング・システムと同様にリング・プ ロテクション(冗長切り替え)を行えるようになってい ます。WDM を高速バックボーンとして利用しATM 等 が接続されるような形となります。ちなみに、SDH と いう名称は、主にヨーロッパ、日本で用いられ、北米で はSONET の名称で知られています。混乱をさけるため、 SONET/SDH を表記するのが一般的になっているよう です。