人工知能を活用した 「近未来人数予測」の実証実験を開始

NTTドコモ 2017年9月20日

NTTドコモは、同社の携帯電話ネットワークの仕組みを利用して作成される人口統計(以下、人口統計)とNTTグループのAI「corevo(コレボ)」を構成する「時空間変数オンライン予測技術」を組み合わせることにより、日本全国の現在、および数時間先のあるエリアにおける人数を予測する「近未来人数予測」の実用化に向けた実証実験(以下、本実験)を2017年9月から開始した。

近未来人数予測技術のイメージ

NTTドコモは、これまで予測する技術として、2016年に人工知能を活用したタクシーの乗車需要を予測する「AIタクシー」の開発に取り組んだ実績がある。「AIタクシー」は、現在から30分の間に発生するタクシーの乗車台数を予測するものに対し、「近未来人数予測」は数時間先のあるエリアにおける人の数を予測するものだ。

本実験は、「時空間変数オンライン予測技術」を用いて、人口統計の時系列データから時間と空間の影響パターンを学習すること、即ちあるエリアにおける過去の人の増減が周辺エリアの人数の変動にどのような影響を及ぼしているかを学習し、数時間先の人数を10分単位で予測するものだ。また、予測した現在、および近未来の人数を、スマートフォン、タブレット端末、デジタルサイネージ等により可視化するサービスの検証を実施する。

具体的な活用例として、観光業での利用がある。近年、観光需要の高まりにより、観光地内、および観光地間の混雑が課題となっている。観光地周辺における近未来の人数予測を利用することで、旅行業においては、混雑が発生した際に混雑を避けた動的な行程の変更を行うことが可能となり、顧客満足度とともに、観光地一帯の周遊性が向上し、地域経済の活性化も期待できる。

今後は、様々な分野で「近未来人数予測」を活用する実証実験を行い、2018年度の実用化をめざしていく。

 

NTTドコモによる報道発表
https://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/2017/09/20_00.html