NTT、音楽や映像に触覚を加えたコンテンツをデザイン・体験できるコンセプト“Comptics”をSXSW2018にて初披露

NTT 2018年3月09日

日本電信電話株式会社(以下、NTT)は、アメリカテキサス州オースティン市で開催される、音楽・映画・インタラクティブをテーマとする世界最大規模のビジネスとコンテンツの祭典、「サウス・バイ・サウスウエスト2018 (以下、SXSW2018)」のオフィシャルイベント「Trade Show」(2018年3月11日~14日)に、音楽や映像などに触覚体験を加えたコンテンツがデザイン・体験できるコンセプト“Comptics(Computer+Haptics)”のプロトタイプを出展すると発表した。

Compticsのコンセプト

NTTは音楽や映像コンテンツを視聴すると同時に、それらのコンテンツと連動した触覚体験を作ることができる新しい仕組みと、それを実現するウェアラブル型のコンテンツ連動触覚デバイスを開発した。このコンセプト“Comptics”では以下の3つの体験を実現することを目指している。

①音楽や映像+触覚で作る新しい体験

普段聞いている音楽や見ている映像、プレイしているゲーム等に触覚体験を加えることができ、コンテンツ全体の体験を高めることに貢献する。

②触覚体験を作ることができる

触覚体験をユーザー自身のスマートフォンやコンピュータ上で簡単に作って試してみることができる仕組みを提供。多くの人が簡単に作ることができるようになることで、新たな体験を生み出すクリエイティビティを高めることに貢献する。

③作った体験をシェアできる

作った体験をインターネット上でシェアする仕組みを構築し、世界中の人達と触覚コンテンツを介した交流を図ることを可能にする。生まれた多くのコンテンツが世界中で体験され、新たな体験の可能性を拡張することに貢献する。

NTTはこのコンセプトを実現するために、触覚情報をコンテンツに埋め込み、音楽編集ソフトや動画編集ソフト上で触覚体験を編集できる仕組みや、触覚情報を含むコンテンツから触覚に関する信号を抽出し微弱電流へ変換・出力する技術を開発し、そのプロトタイプを作製した。さらに、NTTと東レが共同開発した導電性繊維であるhitoe®を生体へ情報を印加するインタフェースとして活用し、hitoe®の更なる活用シーンを提案することをも狙いにしている。

Compticsのコンセプトとプロトタイプ

NTTではSXSW2018への出展を通じて、Compticsのコンセプトを検証をするとともに、参加者からの有益なフィードバックを今後の研究開発に活かすとしている。

 

Comptics技術の特徴

技術1:触覚デザインプロトコル

触覚専用の開発ソフトやプロトコルではなく、音楽を編集するかのように触覚体験を編集することができる技術。コンテンツに特定の音として触覚情報を埋め込むことで、一般的な音楽・動画編集ソフト上でタイミングや強度、周波数、一連の抑揚などを編集することができ、音楽や動画などと同時に楽しむことが可能である。デバイス側に送信された特定の音のみ電気刺激に変換されることで触覚体験を生み出す。

技術2:時分割制御技術

複数のチャンネル(例:ステレオ)の電気刺激出力をする際に、同時の触覚体験を時分割制御した電気刺激で実現する技術。ここでは、人間が電気刺激を知覚する生理的な仕組みを積極的に活用し、十分短い間隔で電気刺激を繰り返し出力すると1つの連続した刺激に感じるという錯覚を利用している。刺激を与える時間を細かく分けて、ある時間には1つの短い電気刺激のみを出力する時分割制御技術を使うことにより、同時に複数の出力をすることがなくなるため、従来の課題であった装置の小型化や回路・電源への負荷軽減を達成し、ウェアラブル化を実現した。

詳細はNTTによるニュースリリースを参照
http://www.ntt.co.jp/news2018/1803/180309a.html