●NTT 東日本ブロードバンドビジネス部の取組みPart 1

中堅・中小企業向けポータルサービスの展開について


■背景

 ブロードバンドの進展に伴い大企業を中心に進んできたIT化の波は、中堅・中小企業にも確実に広まりつつあります。しかし、そのIT化の内容は、インターネット接続、電子メールやホームページの活用、LANやイントラネットの整備など初期導入的なネットワークインフラの整備が中心であり、CRM(Customer Relationship Management)やSFA(Sales Force Automation)などに代表される高度なIT化には関心はあるものの導入には至っていないという実態が浮かび上がってきています。

 この理由として、導入の効果がわかりやすいものから手をつけていくという企業側の姿勢が第一の原因として挙げられます。さらに第二の原因としてITに詳しい人材がいないなど人的リソース不足が挙がっています。このような状況を踏まえて、ブロードバンドビジネス部では、中小規模の企業のニーズにあった業務の効率化に役立つ機能・サービス・コンテンツを提供するエンタープライズビジネスプラットフォーム(以下、EBP)を開発構築し、段階的にサービス導入が可能な中堅・中小企業向けポータルサービスの展開を推進しています。

■ポータルサービスの概要

(1)サービス概要

 中小規模の企業では「スケジュール管理」「文書共有」「顧客情報の管理」など、情報を共有するためのアプリケーションへのニーズが高く、この分野に対しては数多くのグループウエア製品が提供されています。これらのグループウェアは「イントラネット導入型」と「ASP型」に大別されますが、「ASP型」は一般的にコスト面(設備費や運用管理人件費など)で圧倒的に有利と言われています。ただ、これまで回線速度の遅さに起因する“レスポンスの悪さ”と“通信費の負担”が問題となっていました。しかし、光ネットワークをはじめとした最近のブロードバンドアクセスラインの急速な普及により、従来から言われてきたASP型サービスの欠点が解消され、導入企業側での運用コストが少ないというメリットが活かせる状況になってきました。このようなブロードバンドの進展を踏まえ、EBPでは、サービスを一定の品質でネットワーク側から提供するASP型を採用し、業務の効率化を支援するサービスとシステム運用・保守サービスを一元的に安心して企業が受けられるポータルサービスの実現を目指しています。

 図1にEBPで開発を進めているサービスの適用領域を示します。全ての企業でニーズの高いグループウェアをサービスの中心に据え、その他の主要なサービスは、ストレージサービスや掲示板を中心にした業務の効率化に役立つサービスと業務に役立つ各種ビジネスコンテンツから構成されています。企業向けサービスですので、SSL対応やウイルスチェックなどの機能を持ちセキュリティ対策についても万全を期しています。対応する端末は、インターネット経由によるパソコンだけでなく、携帯電話でも利用できます。今後PDAなどの携帯情報端末への展開も考えており、いつでもどこでもサービスを提供することを目指しています。さらに中小規模の企業が既に使用している経理・会計・給与などのパッケージソフトに対応していくことで、ポータルサービスと既存のイントラサービスを融合させて導入企業の利便性を向上させていく予定です。


図1 エンタープライズビジネスプラットフォーム(EBP)で展開するサービス

(2)ビジネスgooのサービス内容

 EBPを使った中堅・中小企業向けポータルサービスは、既に“ビジネスgoo”としてサービス提供しています(図2、ホームページアドレス(URL):http://biz.goo.ne.jp/)。基本コンセプトは中小規模の企業のオフィスワークを支援するサービスです。社内情報共有のためのグループウェア機能と、有用性の高いビジネス情報などのコンテンツを一元的に提供することで、“部門を越えた情報共有”、“円滑なコミュニケーション体制の確立”、“情報収集力の強化”など、企業のさまざまな課題解決を支援します。


図2 ビジネスgooのサービス概要

 “ビジネスgoo”は、各種機能およびコンテンツをインターネット経由で提供します。ご利用企業は、自社によるサーバ等の設置やシステム運営・保守管理を行う必要はありませんので、初期費用がかからないだけでなくランニングコストも低減されます。基本サービスは、スケジュール管理機能や設備予約管理機能、名刺管理機能等のグループウェア機能と共同通信社から提供される約180本の最新ニュースがほぼリアルタイムに確認できるニュースサービスや天気、路線検索、辞書などのビジネスシーンに有用なコンテンツから構成されます。また、スケジュールの共有が企業間で行えるエクストラネットにも対応しています。これら基本サービスが従業員一人当たり月額300円で提供されます。さらに、オプションサービスとして、株式会社日経デスクトップのニュース&クリッピングサービスや記事検索サービスなどビジネスに必要なデータベース情報提供サービスも備えています。また、現在トライアル中ですが、eラーニングサービスも提供しています。

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(こちらは2002年12月号になります)

(この続きの内容)
■今後の予定

 

 


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