●特別連載 アプリケーションサーバー市場をリードする“BEA WebLogic”


第2回 主要テレコム企業のビジネス基盤、さらにOSS/Jに大きく貢献するBEA製品
主要テレコム企業のビジネス基盤、
さらにOSS/Jに大きく貢献するBEA製品


BEA Systems,Inc
Director-WW Telco Markets
クリストファー・キング(Christopher King)氏


■BEAの総収入の3分の1はテレコム業界

―貴社はテレコム業界に非常に強いと聞いているのですが、BEA製品の導入実績を教えてください。

C.キング BEAがテレコム業界に向けて取り組んでいるのは、一つはワイヤレスデバイス対応への分野、もう一つはOSS (Operation Support System)の分野です。BEAの総収入の3分の1はテレコム部門です。世界中の主要テレコム企業50社のうち、実に49社がBEA TuxedoをはじめとしたBEA製品を導入しており、NTTをはじめ、Qwest、Sprint、Verizon、などいくつかの名高い企業が挙げられますが、その中でも代表的なのがBritish Telecom(以下BT)です。BTではBEA WebLogic Integrationをベースにした150のアプリケーションが稼働し、さらに現在100以上のプロジェクトが進行しています。

 現在稼働している特に主要なアプリケーションとして、BTのWholeSaleがあります。これは、BT リテールやISP、そして長距離から地域までの電話会社に対し、BTがテレコムのサービスを提供するためのシステムです。現場のオペレーターたちが、速やかにオーダーできるようなサービスの支援を行います。人件費や時間のコストの増大を避けるためにBEAは、テレコムオペレーターとBT、それぞれが保有するコンピューター同士で通信することによってオーダーができるような仕組みを考案し、内部システムとして構築しました。その構築にはBEA WebLogic Integrationが大きく関わっています。まず、エンドユーザーがアクセスできるようなフロントエンドを提供し、それらを統合する時にビジネスプロセスのワークフローを作り出して、BTの内部システムに連結します。そしてBTの内部システムから、エンドユーザーに向けての情報の発信までも、一つのインタフェースで構成しています。したがってエンドユーザーは、ブラウザ上から直にBTのサーバーへアクセスできるし、分散したコンピューターを介してアクセスすることもできるわけです。

 将来的には、現在使用しているアプリケーションと並行してBEA WebLogic Portalを活用することも検討されています。このシステムを導入したことによって、英ポンドで約300万ポンド(約500万米ドル)が削減できました。その理由として、コールセンターへのアクセス数が圧倒的に減って全体の処理が軽減されたことや、新しい顧客やサービス内容を追加する時に生じる複雑なプロセスを、このシステムによって自動化できたことなどが挙げられます。その結果、より質の高いサービスをエンドユーザーに提供できるというメリットも生まれました。

―テレコム業界向けのワイヤレスデバイスへの取り組みというのは、具体的にどういうことを手がけているのですか。

C.キング iモード端末やWAPを使ったデバイスは、端末にインターネットブラウザが搭載されています。つまりWeb環境を操作できるブラウザがあるということは、アクセス先のWeb環境をBEA WebLogic Serverで構築して導入できるという、BEAにとっても有利な点でもあるわけです。先進的なデバイスが数多く生まれつつある中で、次世代の端末としてわれわれが考えているのが、J2ME(Java2 Micro Edition)を搭載したワイヤレス端末です。これにより端末上から、WebLogicアプリケーションで作られているサイトにアクセスすることができます。BEAとしては、J2MEでの開発に着手するのではなく、あくまでサーバーサイドでの構築が中心になります。現在のところ、NOKIAやPalmなどといったベンダー企業と共に、開発に取り組んでいます。パートナーシップを組んでいるのは端末メーカーだけではなく、ワイヤレス無線のオペレーターもいます。例えばシンギュラー・ワイヤレス社やVodafone、AT&Tワイヤレス、mmO2などです。端末サイドからとオペレーターサイドからの、2つの方向から次世代ワイヤレスデバイスの展開を担っていきます。

■標準化されたAPIを広めガイドラインを策定するOSS/J

―次にOSSへの取り組みについてお聞きします。BEAはOSS/Jで積極的に活動されていますが、最近のOSS/Jにおいて、特色となるような動きはありますか。

C.キング OSS/Jが発足して2年ほど経ちますが、その間に、業界で通用するような標準化されたAPIが作られてきました。トラブル・チケッティング(TT)、サービス・アクティベイション(SA)、QoS、それからビリング、この4つがAPIとして完成しています。そして5つめのAPIとしてネットワーク・インベントリーが加わりました。こうしたAPIすべてが、公共のパブリックフォーラムに置かれて、OSS/Jが提供しているリファレンス・インプリメンテイションから、誰もがソースコードをダウンロードすることができます。

 われわれを含めたOSS/Jの参加企業は利用者の方々から、このような標準化がコスト削減に役立っている、という反響を頂いています。また、OSS/Jに参加している企業は、今後新たに標準化を必要としているAPIの製作に役に立てるために、デザインガイドラインを作成しています。APIにとってのベストプラクティスや、さまざまなパターンがそこに記述されています。


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(こちらは2002年11月号になります)




(この続きの内容)
■OSS/Jのコアチームに大きく貢献するBEAの技術

 

 


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