●特別連載 アプリケーションサーバー市場をリードする“BEA WebLogic”
1956年米国マサチューセッツ州ボストン生まれ。2000年12月、BEA製品と連携ソリューション(Built On BEA)を提供する日本ドキュメンタム株式会社で代表取締役。2002年5月、日本BEAシステムズに入社、副社長を経て。2002年9月、代表取締役社長に就任。


第1回 新社長インタビュー

日本仕様のベスト・プラクティスで事業展開を拡大する

日本BEAシステムズ株式会社
代表取締役社長
ロバート・スチーブンソン(Robert Stevenson)氏


「Tuxedo」、「WebLogic」という世界的にも著名なブランド製品を軸に日本市場でビジネスを展開する日本BEA。本年9月1日、同社のトップに就任したロバート・スチーブンソン新社長は、新製品「BEA WebLogic Platform 7.0J」「BEA WebLogic Workshop」の出荷を期に、さらなるBEA製品群のポジション確立とビジネスの拡大を目指している。合気道6段、武の心を持つ新社長がどのような考えで日本市場にビジネス展開していくのが、最近の状況も含め直撃インタビューした。

■経営は順調、これまでの顧客基盤を次のビジネスにいかに活かす

―この9月に新社長に就任されたわけですが、まずはじめに最近の貴社の経営状況からお聞かせ下さい。

R.スチーブンソン 日本BEAは、アジアパシフィックのシニアバイスプレジデントに就任した前社長のギャレット・イルグのもと、これまで順調に事業拡大してきました。特にTP(Transaction Processing)モニター「BEA Tuxedo」は、大手テレコム事業者をはじめとして多くの企業に採用され、弊社の事業大きな柱になっています。そして、1999年より、アプリケーションサーバー「BEA WebLogic Server」を提供開始し、幅広い市場開拓を行ってきました。現在、日本BEAという社名よりも、「WebLogic」や「Tuxedo」といった製品ブランド名の方が知名度が高いということもあってやはり日本BEAという社名を広く認知していただくというのが一つの課題でもあります。

―確かに、Tuxedoはプロセス間通信処理システムのデファクトスタンダードですし、WebLogicもよく知られています。

R.スチーブンソン 日本市場で事業展開してから今日まで、我々は非常に多くのお客様を獲得しております。今後、この顧客基盤をいかに次のビジネスに活かすかが、大きな鍵です。お客様とのリレーションの強化は極めて大切で、お客様の声は、製品バージョンアップや新製品開発におけるヒントになるなど、非常に重要です。日本BEAの有力顧客としてテレコム事業者があげられますが、ご存じのようにテレコム業界は、過当競争に入ってきていますので、それに打ち勝つために我々のTuxedoやWebLogicがどうやって活かせられるかを考えることが重要だと思っています。

―具体的にどのような展開をお考えですか?

R.スチーブンソン テレコム業界は、現在ではグローバルインダストリーの典型の一つです。米国やヨーロッパにおける大手テレコム事業者はBEAのお客様であり、このようなお客様が開発したソリューションは、ベスト・プラクティスとして参考になります。これが、われわれの事業展開における大きなポイントであると思います。すでに、BEAではテレコム業界向けのフレームワークとか、各種コンポーネントの開発実績がありますので、それを今まで以上に早く、安く、日本に持ってきたいと考えています。

■淘汰の時代に入ったアプリケーションサーバー

―最近のアプリケーションサーバー市場をどのように捉えていますか。

R.スチーブンソン アプリケーションサーバーの業界は、はっきり申し上げて、淘汰の段階に入ったと言えます。1年前には多くの競合製品がありましたが、現在いくつかの製品に淘汰されつつあります。その中で、BEAは生き残っただけでなく、シェアをかなり伸ばしているというのがこの数カ月前からの動きです。

―営業もしやすくなっている…。

R.スチーブンソン 去年までは、国産の製品も含め、沢山の競合製品がありましたが、最近のマーケットのデータを見ても、シェアを持っているのは弊社とIBMがほとんどです。それだけにIBMは強力なコンペティターですが、これまで同じ土俵に登って負けたことは一度もありません。確かにIBMは、メインフレームの分野では巨人です。しかし、アプリケーションサーバーとは何か、原点に立って考えると、インターネットという巨大な一つのスイッチングシステムを支えているのは、トランザクション処理の技術です。これを「オープン」というテーマで忠実に実現してきているのが我々の会社です。その最も得意とする技術をTuxedoからWebLogicへと引き継いできているわけです。

―そのための研究開発も積極的に行ってきている…。

R.スチーブンソン 研究開発費に関しては、ITバルブが弾けた後も含め、3年間で絶対額において倍以上に膨らんでいます。BEAの一番強いトランザクション技術をさらに磨くために、この分野にフォーカスしてリソースを投入している戦略が、競争が厳しい業界で生き残り、なおかつシェアを拡大している大きな要因であると考えています。

―TPモニターの技術をコアコンピタンスにしながらも、最近はJava、特にJ2EEの分野に注力されているようですが…。

R.スチーブンソン 確かにJ2EEのリーディングカンパニーとして、かなり戦略的にこの分野に力を注いでいます。しかし、日本のマーケットの現状を見ますと、Tuxedoのビジネスボリュームが、比較的多いと言えます。したがって、私としては、先行投資はWebLogicを中心に行いながらも、Tuxedoを事業の大きな柱として大切にしながら、維持拡大していく考えです。やはり、グローバルなデファクトスタンダードとしてのTuxedoは日本だけには限らず、世界中で高い評価を得ています。

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(こちらは2002年10月号になります)




(この続きの内容)
■2つの営業本部を1つに再編パートナーとの連携強化を図る
■ベスト・オブ・ブリードなソリューション提供を目指す
■OSSに関する海外のベスト・プラクティスを日本に紹介
■日本市場を世界市場の20%まで押し上げることが当面の目標

 

 


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