●ブロードバンド時代に向けて−
NTT Comとアカマイが国内最大規模のコンテンツ配信サービスを開始

【第4章・サービス概要】
快適で安心なコンテンツ配信サービスを実現する
Broadband CDN powered by Akamai


■Broadband CDN powered by Akamaiの概要

 全世界にキャッシュサーバを配置しWeb系トラフィックを分散処理する、それがアカマイビジネスである。キャッシュサーバの台数は15,000台以上に達しており、世界68ヶ国において1,000以上のISPの中に設置されている。最初のアクセスはオリジナルのサーバに対して行われるが、それ以降は利用者のネットワークにもっとも近いキャッシュサーバが、アカマイのインテリジェントテクノロジーにより自動的に選択される。この方式により、同一サイトに多数のアクセスが集中した場合でもストレスのない高速なコンテンツ配信サービスが実現され、アカマイは多くのコンテンツプロバイダーを獲得してきた。

 このようにISP内にキャッシュサーバを配置する形式では、ISP内のネットワーク遅延の影響を受けることがある。ブロードバンドに対応したコンテンツがさらに増えていく場合、また、日本のようにアクセスラインのブロードバンド化が進んでいる場合には、この傾向はより一層顕著になることが予想される。

 今回NTT Comは、世界初の試みとして、ADSLなどのブロードバンド回線の相互接続点(POI)にキャッシュサーバを配置し、高速なコンテンツ配信サービスを実現する「Broadband CDN powered by Akamai」を構築した。Broadband CDN powered by Akamaiは、アカマイのCDNサービスとシームレスに接続することで、快適かつ高品質な配信環境をワールドワイドに提供することが可能になった。


図1 Broadband CDN powered by Akamaiの提供イメージ図

■Broadband CDN powered by Akamaiが提供する基本サービスについて

 Broadband CDN powered by Akamai は、大容量コンテンツの配信にとどまらず、eコマースやネット予約などのインタラクティブなWebサイトにも最適なソリューションを提供する。Webサイトへのトラフィックを効率的に処理することで、Webページのレスポンスを高速化するとともに、サーバ設備や回線増強にかかるコストの低減が可能となる。

@Webサイト配信サービス
 利用者からの各リクエストは、利用者にもっとも近いキャッシュサーバに送信される。キャッシュサーバはコンテンツに関するリクエストを受信すると、ローカルキャッシュから適切なコンテンツ(HTML ページ、画像コンテンツ、ドキュメント、プログラムファイル)を引き出し、利用者に配信する。リクエストされたコンテンツがローカルキャッシュにない場合には、オリジナルのサーバからコンテンツを引き出し、ローカルキャッシュへの蓄積および利用者への配信を行う。

Aストリーミング配信サービス
 HTMLや画像のコンテンツに加え、ストリーミングコンテンツの配信もサポートする。WindowsMedia、Real、QuickTimeの主要メディアフォーマットをライブストリーム配信およびオンデマンド配信することが可能である。

B料金体系
 コンテンツプロバイダーには、あらかじめご利用される帯域もしくは配送量を契約していただく。帯域で契約した場合、実際に利用した帯域を測定するには95%タイル法を用いる。95%タイル法とは、(1)5分毎の平均帯域を測定し、(2)上位5%を除いた最大帯域を算出する方法である。95%タイル法で求めた帯域が契約帯域を超過した場合には加算料が発生する。また、課金対象期間内に契約帯域の4倍を超える帯域を利用した場合にも、加算料が発生する。

■Broadband CDN powered by Akamai の付加サービスについて

@SiteWise
 サイト訪問者の利用状況をリアルタイムに分析し、レポートを作成する。「企業のWebサイト訪問者のうち何人が商品購入したか」「キャンペーンによる利益の向上は」「どの地域からどの頻度でアクセスがあったか、何に興味を示したか」等の情報をWeb上で提供する。

Aコンテンツターゲティング

 訪問者の地理的情報(国、地域)、ネットワーク接続タイプ(ダイアルアップ、DSL)、ブラウザ基盤(OS、ブラウザ)等の情報にもとづきコンテンツをカスタマイズして提供する。

Bダイナミックコンテンツアセンブリ

 Webページの構成要素であるコンポーネント単位にキャッシングルールを規定し、動的なページをキャッシュサーバ上で組み立て配信する機能を提供する。利用者ごと、ヒットごとにユニークなデータを有するページに対しても、キャッシュ効果を最大限に発揮することが可能となる。

Cその他

 SSLに対応したセキュアコンテンツ配信サービス、ソースIPアドレスなどのリクエスト属性に基づいてアクセスを拒否することを可能とするアクセスコントロールサービス、オリジナルサーバの故障を自動的に発見し代替ストレージからコンテンツを配信するサイトフェールオーバーサービス、等々豊富な付加機能を提供する。

 また、コンテンツ配信としてだけでなく、キャッシュサーバをコンピュータリソースとして利用し、アプリケーションレイヤーの処理まで実施させる「エッジコンピューティングサービス」を今後提供する予定である。


図2 コンテンツ提供例

 

 


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