●ユビキタス環境の実現を目指した高機能オールIPビル−NTT DATA品川ビル
 劾TTデータ
 ビジネス開発事業本部
 ファシリティマネジメントBU長
 中原 博明氏

環境にも配意した最先端の高機能オールIPビル
−アレア品川−


NTTデータのIT技術・ソリューションを駆使したNTT DATA品川ビル(愛称:アレア品川)。本稿では、環境にやさしく、次世代のオフィス機能を全館に導入した高機能オールIPビル−アレア品川−の概要を紹介する。

■品川駅東口に誕生したNTTグループの一大拠点の玄関口−アレア品川−

 NTT DATA品川ビル(愛称:アレア品川)は、A-1地区の品川インターシティや、B-1地区のグランドコモンズをはじめとした品川駅東口再開発地区の一画(B-3地区)に建設された。このエリアは、東海道新幹線の品川駅も本年10月に開業が予定されており、東京の新オフィス街として非常に魅力的で、現在注目されているスポットだ。アレア品川は、品川駅東口地区の街作りの一環であるとともに、既存のNTT品川TWINSやアネックスビル、本年3月に完成したNTTドコモ品川ビルと一体感のあるNTT街区として平成13年4月より開発を進め、去る6月20日NTTグループの一大拠点の玄関口として誕生したものである。また、NTTデータにとって初めてのオフィスを中心とした自社ビルであり、オフィスワーカーの生活空間として利便性や快適性も追求し、商業施設の展開も図っている。

 ビルの愛称であるアレア品川の「アレア(A,RE,A)」とは、ラテン語で“魂に情熱を注ぐ”という意味があり、NTTデータの将来に向けた情熱を表現すると同時に、この建物が利用される方々に情熱を持って愛されることを期待して命名した。また、英語ではエリアすなわち広場であり、品川駅東口に集積したNTT街区の新たなる挑戦の拠点であることを表現している。

■アレア品川の特徴

 「アレア品川は、“エコロジー・地球環境保護”“先進技術を駆使した情報環境”“安全性・信頼性”をテ−マに、自由度の高いオフィス空間や高負荷対応など、フレキシビリティの高いビルとして計画し、NTTデータのIT技術・ソリューションを駆使した次世代のオフィス機能を全館に導入しています。」(NTTデータ ビジネス開発事業本部ファシリティマネジメントビジネスユニット長 中原博明氏)

 建物の外観は、黒色のガラスカーテンウォ−ルによる高層直方体に、低層部のアトリウムやホワイエが透明に張り出して組み込まれるという象徴的な形状をしている。またこのガラスカーテンウォールは、高性能熱線反射機能と外断熱ダブルスキン機能を合せ持っており、空調負荷を大幅に削減し省エネルギーに貢献している。

 さらにビル建設の際に使用した資材は、リサイクルを前提としたグリーン設計を取り入れ、特に内装部分はリサイクルを前提とした、あるいはリサイクルした材料を使用している。またアレア品川ではCO2 排出量の削減や都市環境の向上を目指し、ビル空調の熱源として地域冷暖房を採用するなど、高い省エネルギー性と環境に配慮した設計としている。

 建物の構成は、図1に示したように、高層棟と低層棟からなっており、1階の通路と2階のペデストリアンデッキにより有機的に結合され一体的な建物運営を行っている。低層棟も含めた低層部には、飲食店や物販店などの商業施設やアトリウム、コンファレンスセンターを配置し、中層部はオフィスフロアとしての利用と、高層部にはデ−タセンタ互換フロアを設置している。


図1 建物断面図

 アレア品川で採用したIT技術・ソリューションは別稿で紹介することとし、以下では特徴的な施設である「東京コンファレンスセンター品川」と「デ−タセンタ」の概要を紹介する。

■東京コンファレンスセンター品川

 アレア品川では、地域の活性化を目指し、オープンなスペースとして「東京コンファレンスセンター品川」を3〜5階に設置している。これは、都市型・ディ型のエグゼクティブなコンファレンスセンターで、この分野で多くの運営実績を有する米国Benchmark Hospitality社のノウハウを採り入れて千代田区飯田橋に開設し好評を得ている「東京コンファレンスセンター」と同様の運営形態を考えている。効果的で快適なコンファレンスのための施設環境と設備、専門家による各種サービスを提供する。主な特徴を以下に示す。

@使用目的を「会議」に特化し、遮音性能の確保や厳選した家具(例えば8時間座っても疲れない椅子)など、他に類を見ないハイグレードな施設とサービスを提供。
A国際コンファレンスセンター協会(IACC)の認定施設としては、日本で第2番目の施設。
B500人(約700u)を収容可能な大ホールから、10人(26u)程度で利用する小ホールまで、使用目的に応じた大小11室のルームを用意。
C特に大ホールは、天井高さ7mとし、高性能AV設備や、同時通訳ブースなど国際会議も開催可能。また、隣接して開放的なホワイエを設置し、多様なニーズに応えるとともに効果的な会議の運営を提供。
D3階にはレストランを設け、軽食から食事など飲食サービスも提供。


■データセンタ互換フロア

 NTTデータが行っているサービスの一つとして、信頼性の高い、良好なコンピュータ環境の提供がある。アレア品川では、ハイレベルなコンピュータ環境も提供可能なスペースとして、22階〜27階までをデータセンタフロアとして設計している。また、オフィスとして利用要望がある場合には、容易にオフィス使用にもできるデータセンタ・オフィス互換フロアとしてフレキシブルな対応を可能としている。屋上にはバックアップ用発電設備を設置するためのインフラ設備を用意しており、サービスレベルとしては以下の仕様を確保している。


写真1 データセンタフロアの例

<主な仕様>
・設計床荷重:1,000kg/u
・二重床高:500mm
・有効天井高:2,700mm
・電源容量:700VA/u
・オイルダンパによる制震構造
・IPカメラ、ICカ−ドによる入退出管理
・新ガス消火設備(代替ハロン)
・個別空調方式

     お問い合わせ先
劾TT データ
ビジネス開発事業本部
ファシリティマネジメントビジネスユニット
TEL:03-5546-9490

 

 


Copyright:(C) 2003 BUSINESS COMMUNICATION All Rights Reserved