特別企画

日本電気(株) 執行役員
ブロードバンドソリューション事業本部長
瀧澤 三郎氏
 

わが国のブロードバンド加入者数は20039月末現在で1220万を突破し、家庭から
のインターネットアクセは、ブロードバンドが当たり前になっている。これに対し、企業におけるブロードバンド化は遅れており、コストダウンや知的生産性の向上のためにブロードバンドの有効活用が求められている。NECはこうした現状に対して、企業のコミュニケーション/コラボレーションの質の向上を目指すことを目的として、情報化投資にブロードバンド&モバイルの強みを融合した新しい経営スタイルを提唱している。本稿では、企業の変革をもたらすNECのブロードバンドソリューションと、次世代の経営スタイルについて紹介する。

■家庭に比べ、遅れが目立つ
企業におけるブロードバンドの利用

 
総務省の発表によると、本年9月末現在のインターネット接続者数の内、ADSL、FTTH、CATVを合わせたブロードバンド利用者が1220万人を突破した。今や、家庭からのアクセスはブロードバンドが主流となってきている。これに対し、企業におけるブロードバンドの利用は、ネットワーク環境からみても遅れが目立っている。一方、インターネットサービスは、図1に示すように、ストリーミング型、トランザクション型アプリケーションの増大に伴い、広帯域化とリアルタイム化が急速に進んでいる。


     図1 インターネットサービスの拡大

 わが国のインターネット利用傾向に関して興味深いデータがある。これは、東京・シアトル・フランクフルトの3カ所のIX のトラヒック・パターンを比較したものだが、わが国の場合、ビジネスアワーに比べ、夜間や休日でのトラヒックが目立っている。これとは対称的に、アメリカとドイツでは、ビジネスアワーでのトラヒックが圧倒的に多い。トラヒック観測点の妥当性に課題もあるが、少なくともわが国ではコンシューマーを中心にインターネットが利用されているのが実態である。企業にとっては、この実態を積極的に活用することが重要であろう。例えば、夜間を含めた消費者とのチャネル拡大や、日中の快適なネットワーク環境を活用した新しいビジネス環境創出といったブロードバンドの活用を模索していくべきである。
 日本電気?(NEC)執行役員・ブロードバンドソリューション事業本部長の瀧澤三郎氏は、こうした国内のブロードバンドの利用傾向について次のように語っている。
 「インターネットの利用形態や時間帯など、様々な統計により、日本のインターネットの利用がコンシューマー主体となっていることがわかります。このような傾向に対して弊社では、企業が積極的にブロードバンドを利用することによって、夜間・休日も含めた顧客接点の拡大を図ることが可能になる他、ネットワークのコストダウンや知的生産性の向上に役立つと考えています。これは弊社においてもそうですが、リアルタイム・トランザクションや、ストリーミング及びリッチコンテンツの増加に伴い、データ交換量は拡大する一方で、ブロードバンド活用によるコストダウンが、火急の課題となっています。」

■ブロードバンド活用により企業のコストダウンに貢献

 近年、企業が利用するデータ量が拡大するにつれて、サーバやストレージのコスト増加が問題化していた。顧客管理、ナレッジ管理、サプライチェーン管理、統計情報管理、オンラインマニュアル等、情報システムが高度化し、そこで扱うデータ量は膨大なものとなっていた。扱うデータ量に合わせて企業内のIT システムを大容量化するには、多大なコストを必要とする。
 「企業におけるデータの活用は、部門によってまだら模様となっています。現場での課題を解決するために、各部門で独自にファイルサーバを自部門LANに導入したりして業務の改善に積極的に取り組む部門があります。こうした状況は、ファイルサーバなどの構築コストが下がったことが大きな要因ですが、全社集中のシステムを活用するにはネットワークにボトルネックがあったためでもあります。しかし、セキュリティ対応や安全対策などを含んだ運用コストを考えると本当にこうした「分散」は低コストだといえるのでしょうか。ブロードバンドの環境を前提とするならば、「集中」による堅牢なシステムを経済的に構成することもできます。また、「集中」により情報共有の範囲が拡大し、コラボレーションによって新しい価値創造へとつながっていきます。」(前出・瀧澤氏)
 現在の企業活動においては、基幹システムのみならず、顧客チャネルを担うネットワークやサプライチェーンを構成するネットワークシステムが企業の信頼性そのものを担う。万が一障害が発生してサービスが停止すれば、お客様や社会に対する信頼を損ね、企業の存亡にもつながりかねない。
 そこでNECは企業に対して、ブロードバンド発想によるコスト削減と、個々に専門性を持つ社員がチーム力を発揮し多様な状況に柔軟に対応する快適な企業ネットワークの構築や、ビジネスにおけるワークスタイル全体の改善を提案している。

(1) IP電話サービスの導入やIPセントレックスの利用

 NECは、ブロードバンドによる企業内コスト削減を実現する最も効果的なソリューションとして、IP電話サービス/ IPセントレックスの導入を積極的に展開している。図2は、IP電話サービスを導入する前と、導入した後のコストを比較したものである。


   図2 IP電話サービスによるコスト削減効果の例

 NECは1999年、自社のPBXに網側の通信コスト削減を目的として、音声をIPネットワークに接続できるIPトランクを、2000年には内線側の電話・LANの配線統合、および簡単に内線の増・移設ができるIP電話機を接続するIP内線カードを順次リリースしてきた。このIP内線カードにより、レガシーなシステムに低コストでIP電話のメリットを導入することが可能となった。
 2003年4月には、過去20数年来培ってきた日本のオフィス文化のニーズを知り尽くして成長してきた従来のPBXが持っていた数百あるテレフォニー機能を十分に活かしつつ、オープンなSIPインターフェースが同一LAN上で混在でき、かつ相互通信も可能な画期的なIP 音声サーバ「SV7000」を発売し、すでに稼動実績がある。
 このサーバの特長は、IP電話の弱みである停電対策として一部センター給電の電話端末を残したり、既存回線の活用(たとえば市内専用線や長距離内線等々)にも対応できると同時に、IPセントレックスで利用した場合の弱点、例えばセンター装置の故障や拠点サイドのルータの故障、IP網の切断等にも導入コストに見合った投資でリスク回避ができるいくつかのメニューが用意されている。
 IPになっても「利用者に使い勝手で負担をかけない」、「導入コストに見合った信頼性は確保する」というコンセプトのもと設計されたシステムである。
 ところでオフィス業務を見ると、「電話」、「電話帳」、「伝言票」、「行き先表示板:スケジュール表」、「電子メール」、「FAX」、「個別ドキュメント」、「共有ドキュメント」等、様々な情報が雑多に存在し、且つこれらの情報をもとに(場合によっては関係会社等を含む)他部門とのコラボレーション、及び個々の情報をベースとした情報の「加工」「統合」が行われている。
 これらの情報パーツ、業務を連携させることによりオフィスの生産性を大きく向上させることが期待されている。
 NECはこの期待に応えるべく、例えばWebによるコラボレーションシステムや、コンタクトセンタ、電子電話帳とテレフォニーの連携等、短期間かつ経済的な導入を可能とするソリューションセットを併せて提供している。
 瀧澤氏は、「NECは、品川の再開発地域ビル9棟のうち7棟に、IPPBXを導入した実績があり、今後もIP電話サービスを中心とした企業のコストダウンに寄与するソリューションの開拓に注力していく方針です。」と強調する。

(2)分散システムと集中システムの見直しとアウトソーシングの拡大

 企業内でのシステムコストの増大を避けるためには、システム分散/集中の見直しを図り、適度な集中化によるメリットを活用していく必要がある。また、大量なデータ管理に対してはブロードバンドを利用して、専門的なサービスを提供する事業者を活用することも視野に入れていかなければならない。
 ブロードバンド以前は、ITシステムのダウンサイジングによる経済効果を活用したシステムの分散が進んだ。支店や店舗が増えるごとにデータを格納するサーバが必要になるが、それでもPCやディスクの発展がコストの増大を抑えてきた。しかし、扱うデータの重要性が増し、データ間の連携が新たな価値を生むようになって、分散したシステムの保守や運用コストの負担が大きくなってきた。システムがインターネットを通じてお客様やパートナーとの連携においても重要な役割を果たすようになってきた近年では、24時間365日の稼動やセキュリティ対策の徹底などの観点から、分散がシステム運営上の大きなネックとなる場合もある。ブロードバンド環境を整備すれば、拠点ごとに分散しているサーバを集中化させることによるメリットを活用できる。また、社内に専門家を用意する代わりに、実績のある外部の事業者にシステムの設置・運用・保全のアウトソースも、企業間ネットワークをブロードバンド化することにより社内に配備した場合以上の利便性を保持したままで活用可能となる。

知的生産向上とコラボレーション化「攻め」のブロードバンド利用

 「ブロードバンドの利点は、コストダウンだけではありません。企業戦略にもブロードバンドはその力を大いに発揮します。ワークスタイルの変革をもたらし、知的生産性の向上や業務全般のコスト削減に寄与します。
 企業が攻めのブロードバンドを活用することによって、コミュニケーションのリアルタイム化と、より高度な知識情報の共有・活用が可能となり、時間・場所・状況に依存しない従業員間のコラボレーションを強化できます。」(前出・瀧澤氏)

オープンな企業間連携の進展と多様化する顧客ニーズへの個別対応

 NECは、オープンな企業間連携において、水平分業や市場競争力のある部分を連結したボーダレスな新しいバリューチェーンを構築することにが、これからの企業成長や生き残りへの決め手になると考えている(図3参照)。


     図3 オープンな企業間連携の進展

 その理由は、近年のグローバル化の進展や規制緩和による競争の激化、顧客ニーズの多様化など、企業を取り巻く環境が経済的・社会的・技術的に大きく変化していることにある。いくつかの企業は、こうした変化への対応をチャンスととらえ、経営革新や構造改革を推進している。このような企業が競争力を向上するためには、スピード経営・顧客志向・収益力向上・差別化に取り組み、顧客やパートナーを含めた全社的なビジネスプロセスの革新を行い、国・企業・組織の枠を越えたグローバルなコラボレーションを実現する必要がある。「ITやブロードバンドを単なるツールではなく革新のための武器として利用し、企業インフラを抜本的に見直すことが重要です。さらに、ITインフラにコラボレーションの高度化・広帯域化、環境変化に対応できる柔軟さ、ビジネスの継続性を支える堅牢さを付け加えるのがブロードバンドです。運用の安全性・効率性もIT とネットワークを統合的に捉えた上に成り立つものです。」と瀧澤氏は強調する。
 具体的には、専門家による販売サポート、営業コラボレーション、大規模設計・制作コラボレーションなど、ブロードバンドを活用したコラボレーションのニーズがあり、NECは、こうしたニーズに積極的に対応していく。
 またNECは、ブロードバンドを活用した新しいワークスタイルを提唱し、企業内コラボレーション・企業間コラボレーションを加速するソリューションによって果敢に変化していこうとする企業を支援していく。以下、様々なコラボレーションを加速させるブロードバンド活用例を瀧澤氏のお話の中から3つ紹介する。

(1)専門家による販売サポート:

 従来は高級百貨店でしか得られなかった専門知識を持つ販売員によるサービスも、ブロードバンド環境の利用で街の専門店でも提供することができるようになる。具体的には大画面のPDPとWeb会議システムを活用し、動画・音声により顧客の顔・スタイルを直接見ながらの臨場感ある専門家によるアドバイスをからめた接客が可能となる。同時に在庫情報の確認等のシステム連携により顧客満足度をさらに向上させることができる。

(2)ブロードバンドを活用した営業コラボレーション:

 営業スタッフとバックヤードの部隊を常に連携させるシステムを整備することによって、移動中、訪問先での接客中、自宅、ホテル、会議室、自席のいずれの環境においても常にベストな顧客対応を実現することが可能となる。ブロードバンドによってリンクした組織では、顧客管理、商談管理、知識管理、文書管理、タスク管理、スケジュール管理、プレゼンス管理等、人と情報をリアルタイムに連携して、企業の営業活動におけるコラボレーションを活性化させることができる。

(3)大規模設計・制作コラボレーション:

 映画やゲームの製作には、独立した高い専門性を持つ複数のクリエーターがそれぞれの能力を最高に発揮できる環境を維持しながらコラボレーションすることが特に求められる。コンピュータを活用した制作が中心となった今でも、数TByte〜数百TByteにもなるファイルはこれまで記録テープのような媒体でしか運ぶことができなかったが、大容量超高速のブロードバンド上に仮想的なワークプレース(仕事場)を構築することにより、思考プロセスを中断しない共同作業を実現することができるようになってきている。

NEC が提供する企業向けブロードバンドソリューション

 NECは企業力を支援するために、多彩なブロードバンドソリューションを用意している。広域イーサや無線LANなどの最新のネットワーク技術と、企業情報ポータルやナレッジマネージメントなどのIT との融合により次世代のブロードバンドオフィスを実現するオフィスコミュニケーションソリューションとオフィスナレッジソリューションをはじめとし、多様なセキュリティニーズに対応するセキュアソリューションや、位置情報を活用したプッシュ型のサービス提供ソリューションもある。以下、代表的な企業向けブロードバンドソリューション例について紹介する。

(1)営業SE 支援ソリューション:

 営業SE支援ソリューションは、企業と共同で、お客様への提案力の強化や営業活動の効率化が可能となる(図4参照)。訪問先や外出先であっても自社のネットワークに接続して自席と同様に迅速かつ効率的に業務を行ない、提案力の強化や効率的な営業活動を実現する。また、訪問先や外出先で入力した顧客情報や訪問実績などの情報を社内や各部門で共有することができる。これにより、よりきめ細かなお客様への対応や営業担当者の変更・異動時などにおける顧客情報の引継ぎを正確かつ容易に行なうことが可能であり、顧客満足度の高いサービス提供を実現することができる。さらに、セキュリティについては、ICカード認証よる操作上の保護機能を有しているほか、SSL(Secure Sockets Layer)によるデータの暗号化、ユーザーとアプリケーションのアクセス制御、ユーザー管理・ログ管理まで、一貫したセキュリティ確保を実現するソリューションを提供する(図4参照)。


      図4 営業SE支援ソリューション

(2)オフィスコミュニケーションソリューション:

  広域イーサや無線LANなど、最新のネットワーク技術をベースとした映像サービスと企業情報ポータルとを連携し、音声・データと映像の統合による高度な情報コラボレーションを実現する。具体的には、全国の拠点に対するEラーニングやトップメッセージの配信、拠点間でのWeb会議などにおいて、映像を交えた密度の高い臨場感のあるコミュニケーションが可能となり、オフィス業務全体の効率化や移動コストの削減を実現する(図5参照)。


     図5 オフィスコミュニケーションソリューション

 パソコンで動作するソフトフォン(DtermSP30)には、電子電話帳機能を搭載し、個人用と、ディレクトリ連携した業務用を提供する。これにより、パソコン上でのIP電話の利便性を格段に向上することが可能となる。
 企業ポータルを起点とする多様なコラボレーションツールの活用により、多地点に分散して活動するチームを結び、リアルタイムで音声・画像・データを共有したホワイトボードのある共同作業の場を共有することができ、問題の解決や、意思決定の迅速化を実現する。

(3)オフィスナレッジソリューション:

 ブロードバンド環境でのオフィスナレッジを最大化するソリューション。「ActiveKnowledge」により、文書の分類・種別(カテゴリー)やキーワード、人気、評価などを指標として、最適な文書を効率的に引き出すことを可能とする。ファイルサーバ、グループウェア、Webサーバ等に蓄積された膨大な文書やデータを横断的に高速かつ容易に検索し、社内情報や顧客情報等の有効活用を可能とする。NECは、ブロードバンド環境を備えたオフィスでは、組織の壁を越えたプロジェクト毎の多様なニーズに対応していくために、ナレッジコミュニティを活用することを提唱している。ナレッジコミュニティとは、知識を交換・共有し、蓄積・再利用まで実現するコミュニティという考え方である。
 NECはこのナレッジコミュニティを利用した企業向けソリューションを検討している。インターネット情報や全社のメールやDB、ナレッジマニュアル、その他社内に点在する情報Webサイト等からベストプラクティスや知識を集計し、効率的でセキュアなコラボレーション環境により、コミュニティメンバーが質問、相談、問い合わせ、提案等情報提供/紹介、意見、回答、外部情報紹介等を容易に行うことができる。さらにナレッジコミュニティポータルの管理者は、対応状況、各種集計レポート(週報、月報)、査閲/承認、監査等をすばやく行うことができる。

(4)高度ブロードバンド活用ソリューション:

 遠隔相談システムは、各支店とコールセンタとをネットワークを介して接続し、専門オペレータによる品質の高い相談サービスなどを提供する。来店した顧客は、窓口担当だけではなく、店舗に設置されたパソコンを通じて、コールセンタの専門オペレータの参加を得て、資産運用などに関する様々な相談をすることができる。微妙なニュアンスまで含めたコミュニケーションを企業のコンピタンスとする業種も多く、これまでの1対1の顧客対応の発展形で、一人ひとりのお客様に企業内専門家のコラボレーションで対応していきたいとのニーズも高まってきている。NECは各金融機関をはじめ、幅広い業種の様々なニーズにあわせた「遠隔相談ソリューション」を提供している(図6参照)。


     図6 高度ブロードバンド活用ソリューション

ダイナミックコラボレーションの実現に向けて

 企業間の競争がますます激しくなる中で、企業は「選択と集中」を一段と進め、自社の強みと外部の強みを戦略的に組み合わせるコラボレーションによって、ダイナミックにビジネスを展開する新しいモデルを模索している。
 この新しいビジネスモデルは、取引先企業をはじめ顧客企業との柔軟なコラボレーションによって、複数の強み(コア・コンピタンス)を融合した新しい企業価値を創造し、競争力を高めるものである。さらに、それは先進的なコンピュータ技術とネットワーク技術を組み合わせることにより、“より迅速に、より動的に市場変化に即応できる”ビジネス形態へ進化する基盤となる。
 これに加え、NECは、日本における世界最先端のブロードバンド&モバイルインフラの充実により、日本企業に新しい事業機会が拡がり、ビジネスプロセスにおける新しいビジネスモデルの具体的な実装においても日本が最先端のワークスタイルを活用していける高いポテンシャルを持つと確信している。
 NECでは、お客様の実現する次世代の経営スタイルを、ビジネスへの参加者のダイナミックなコラボレーションと考えている。「ダイナミックコラボレーション」は、NECが提唱する次世代ビジネスモデルである。
 ダイナミックコラボレーションでは、業種や資本間を超えて、企業や時には一般生活者ともパートナーシップを結ぶことにより、仮想的な組織を柔軟に構成し、理想的なビジネスプロセスが実現される。そして、自社とパートナー双方のコアコンピタンスを活かした新しい商品企画・開発力の創発、そして顧客の要求に即応できるバリューチェーンの構築などが可能になる。その後、蓄積されるナレッジ(知識)により、市場環境の変化をプロアクティブ(予見性・予測性)に察知し、コラボレーションによるバリューチェーンを迅速に再構築できるようになる。
 ダイナミックコラボレーションは取引先企業をはじめ顧客企業との柔軟なコラボレーションによって、複数の強み(コア・コンピタンス)を融合した新しい企業価値を創造し、競争力を高め、先進的なコンピュータ技術とネットワーク技術を組み合わせることにより、「より迅速に、より動的に市場変化に即応できる」ビジネス形態を作り出していく。
 NECは、これまでもOMCS( オープン・ミッション・クリティカル・システム)によるオープンなIT基盤、VoIP等、ブローバンド・IPネットを活かしたネットワーク基盤、そしてビジネスを停止させることのないセキュアなシステム基盤など、ダイナミックコラボレーションの実現を見据えたIT環境やネットワーク環境をご提供してきたという実績がある。ダイナミックコラボレーションは、高度なITとネットワークの統合によってはじめて実現することができる。NECは、自律・分散・仮想・協調を実現するプラットフォームテクノロジー「VALUMO」をベースに、社会インフラ化に対応するオープンミッションクリティカルシステムの構築や、柔軟なネットワークによる連携、高度なセキュリティなどを実現する、コラボレーション型情報システム「Hub&Net」を提供し、お客様のグローバルな企業間連携を支援する。NECはお客様に向けて、柔軟なコラボレーションによる動的で活力のあるビジネスを実現することを考えている。(図7参照)。


   図7 ダイナミックコラボレーションを支えるソリューション

 NECは今後、ブロードバンドネットワークを活用した新たなIT・ネットワーク統合ソリューションをさらに拡充していく。また、ベストソリューションパートナーとして、ダイナミックコラボレーションを目指すお客様に対して最適なIT環境やネットワーク環境を提供し、お客様とともに新たな価値を創造していく。
 一例として、11月から新たに提供を開始した「iBestSolutions/OfficeCollaboration」では、NECがこれまでに培ったITとネットワーク技術のノウハウを結集させ、新たなワークスタイルを創出するためのソリューションを整備した。新ソリューションは、ブロードバンドネットワークをベースとした社内外におけるコミュニケーションのリアルタイム化と、より高度な知識情報の共有・活用によって、時間・場所・状況に依存しない従業員間のコラボレーションの強化を支援することで、ワークスタイルの変革をもたらし、知的生産性の向上やコスト削減に寄与する。


お問合わせ先
日本電気(株) 
ブロードバンドソリューション
事業企画部
TEL:03-3798-1428








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