●テクノロジー・リーダーを目指す新生日本HPのビジネス戦略
 日本ヒューレット・パッカード
 執行役員
 エンタープライズ・システム
 事業統括 第二営業統括本部
 統括本部長 石積 尚幸


INTERVIEW】
合併による幅と層の拡大を活かし、さらなる事業拡大を目指す

新生日本HPでテレコム及び放送分野に向けたビジネスを担当するのが「ESG第二営業統括本部」である。コンパックとの合併により一段と強化された幅広い製品群とソリューションに加え、No.1インターネット・インフラストラクチャー・ベンダー、テレコム分野でのNo.1オープンプラットフォーム・ベンダーとしての強みを活かし、さらなる事業拡大を目指す新生日本HP。
テレコム&放送業界の事業を統括する石積尚幸執行役員に、その戦略とビジョンを聞いた。


■大型合併によりテレコム&放送業界のすべてのお客様ニーズをカバー


――最初に、今回の大型合併による効果と、新生日本HPにおいてテレコム業界向けビジネスを展開される組織の概要からお聞かせください。

石積 大手キャリア様のすべてが我々のお客様ですが、HPとコンパックがマージしたことで、すべてのお客様のニーズに対応することができるようになりました。私の統括するエンタープライズ・システム事業本部(ESG)第二営業統括本部では、お客様ごとに4つの本部体制をとっています。通信と放送の垣根が低くなってきていることから、通信業界だけではなく放送業界をも担当させていただいております。HPもコンパックも、従来からソリューションビジネスを非常に上手く展開してきました。特にワールドワイドでみても、日本のビジネスの中に占めるソリューションビジネスの比率は非常に高く、テレコム分野の場合、売上げの約55 %となっています。その意味で、単なるハードの販売から入るのではなくて、お客様のニーズをきちんと把握し、それを満たすソリューションを提供するというスキームは両社ともありました。

――両社が合併したことで、ソリューション提供の幅が広がった…。

石積 下位のレイヤから上位の業務アプリケーションまで含めてデリバリーできる体制が整ったといえます。その意味では、お客様のニーズをすべて満たすソリューションの提供が可能になりました。従来、プライムでお手伝いできないような場合もありましたが、これからはビジネスの幅を広げられると思います。

■パートナーとの連携を重視しながらEnd to Endのソリューションを提供

――PDAからNonStopまでプロダクト群も大幅に広がりましたね。

石積 確かに我々で基本プロダクトはすべてまかないきれていると思いますが、新生日本HPの場合、すべてを単独で取り込むのではなく、ソリューション提供にあたって、最適なパートナーさんと一緒にビジネスを展開するというのが基本方針です。ソフトウェアベンダーさんなどと、従来通り積極的なパートナリングを行いながら展開していきたいと考えています。

――テレコム分野のソリューションとしてどのようなものがあるのでしょうか。

石積 ネットワークドメイン、オペレーションズドメイン、サービスドメインの3つの領域がありますが、すでにお話したように下位から上位まですべての領域を手掛けてます。特に新生日本HPの中に、NonStopのプラットフォームが加わったことで、そういった強力なマシンを必要とする分野にも入っていけます(もちろん、この分野は旧コンパックが非常に強かった分野ですが…)。またネットワークドメインに関しては、交換機のIP化の流れに伴い、コンピュータの技術がより必要とされてくると思います。そういった面でも高品質のIAサーバ、さらにはIA-64のインフラで非常に高いパフォーマンスのものを提供できると考えています。OSS/BSSといったオペレーションズドメインでは、従来の取組みを継続して行います。さらに上位のサービスドメインに関しては、HPのワールドワイドのNSP戦略に基づいて、日本HPでもソリューションを提供していく考えです。

■「人を中心としたサービス」を支えるソリューションを提供−HP NSP戦略

――HP のNSPソリューション戦略をお聞かせください。

石積 HPのテレコム分野向け戦略は、プロダクトや製品が中心ではなくて、あくまでテレコムサービスを利用されるユーザーを軸にソリューション展開することが基本です。つまり「人を中心としたサービス」を支えるソリューションを提供するということです。エンドユーザーの立場で、どのようなサービスが必要になるのかを考え、そういったサービスをEnd to Endで実現するためのソリューションを提供することです。日本は、モバイルやブロードバンドでは他の国より進んでいますので、日本で作ったソリューションをHPのチャネルを通してグローバルに紹介することも視野に入れています。

――具体的な動きはあるのですか。

石積 例えば、ブロードバンドのユーザーが実網でこれだけ普及している国はないわけです。実際に、NTT東日本様、インテル様、私どもが共同して、Windows Media Serverを使ってB フレッツ上でハイビジョン相当の画質を持つコンテンツの配信実験を行い、非常に上手くいきました。このクオリティのものを実網の上で配信できるソリューションを海外HPにも紹介し極めて高い評価を得たので、他の地域にも展開できると思います。今後、さらにブロードバンドユーザーが増え、アクセスする媒体もPCから他のデバイスへと多様化すると、そこでまた新たなビジネスモデルやサービスが必要になります。そのような新たなビジネスモデルやサービスを支えるソリューションを提供していきたいと思います。


HP NSP戦略

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(こちらは2003年2月号になります)

(この続きの内容)
■品質の高さ、高度なシステム設計・構築・運用力を活かしビジネスを拡大

 

 


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