●テクノロジー・リーダーを目指す新生日本HPのビジネス戦略

サービスセントリックコンピューティングに基づく
新生日本HPの革新的テレコムソリューション

新生日本HPの中でテレコム&放送業界向けビジネスを展開するESG第二営業統括本部において、「サービスセントリックコンピューティング」、すなわち「人間を中心としたサービスの実現」を支えるソリューションを開発するのがソリューション開発本部である。本稿では、テクノロジー・リーダーとして、エンドユーザーがサービスをユーティリティ的に使うことができるような環境の創出を目指す日本HPの革新的なテレコムソリューションを紹介する。

■テクノロジー・リーダーとして、人間を中心としたサービス実現の環境を創出


 サービスのコモディティー化、競争激化に伴い、日本のみならず世界的に見てもテレコム事業者を取り巻くビジネス環境は非常に厳しいといえる。そのような状況下にあって、新生日本HP は、テクノロジー・リーダーとして、高品質製品とそれを有効活用するサービスを組み合わせた「サービスセントリックコンピューティング」の考えに基づいて、エンドユーザーがサービスをユーティリティのように使うことができるような環境の創出に向け、テレコム事業者を支援するビジネスを積極的に展開している。日本HPのテレコム分野向けソリューションは、前稿の石積尚幸執行役員のインタビュー中にもあったように、HPのワールドワイドのNSP戦略である「人間を中心としたサービス」を支えるソリューションを基本にしている。

 「最大の特長は、図1に示すように、コアネットワークインフラからアプライアンスの領域までEnd to Endのソリューションを提供している点です。しかも各領域ごとに多彩なソリューションを取り揃えている他、テレコム事業者の共通業務に関するソリューションや提供サービスごとに特化したソリューションも提供しています。」(日本ヒューレット・パッカード エンタープライズ・システム事業統括第二営業統括本部ソリューション開発本部 染谷 優 本部長)


図1 日本HPが提供するEnd to Endのソリューション

 以下に、数あるソリューションの中から、テレコム事業者のレベニュー向上に寄与する代表的なソリューションについて紹介する。

■統合サービス管理ソリューションhp ISM

 テレコム事業者にとって、レベニューを向上させつつオペレーションコストと設備投資の削減を図るためには、ネットワーク資産を効率的に運用・管理すると同時に、新規サービスを柔軟かつ迅速に提供可能にするためのOSS(オペレーションサポートシステム)は不可欠である。日本HPではここ数年、OSS及びBSS(ビジネスサポートシステム)のソリューションとして、「統合サービス管理ソリューションhp ISM」の展開を積極的に行っている。

 統合サービス管理(ISM)ソリューションは、図2に示すように、プロセスエンジンをコアに、サービスクリエーション、サービスデリバリー、サービスアシュアランス、サービスユーセージの各プロセスに対応するためのハードウェア、ソフトウェア、及びサービスを1つに統合したソリューションだ。


図2 統合サービス管理ソリューション hp ISM

 基本となるのは通信装置のマルチベンダー化と、オペレーションシステムの相互接続を実現する「TMN(テレコミュニケーション・マネジメント・ネットワーク)管理機能モデル」に対応して、今やディファクトスタンダードとなったHP OpenViewをベースとするISMソフトウェアに加え、業界をリードするサービス管理ツールを組み合わせている。

 ISMを利用して一連のプロセスを自動化することにより、テレコム事業者は、サービスのライフサイクル全体を効率よく管理することができ、サービス提供サイクルの短縮化とオペレーションコストの削減が可能になる。すでにここ数年で10件以上の案件を提案、稼働させた実績を持っている。

■複数ドメインをまたぐサービスを管理・監視するXdMSソリューション

 XdMS(クロスドメインマネジメントシステム)は、日本HPがテレコム事業者と共同で開発したソリューションだ。テレコム事業者の最大の課題である複数ドメインをまたいだネットワークサービスを素早く正確に管理・監視するだけでなく、顧客・サービスの視点に立った本当の意味での「サービス管理・監視」を可能にしている。

 XdMSソリューションは、サービス管理、プロビジョニング、インベントリ管理、アクティベーション、サービス拡張・アクセスポイントの追加、サービス拡張・サービスレベルの変更機能に加え、物理ネットワーク監視と顧客・サービス監視の機能を提供する。図3に示すように、ServiceManager、DomainManager、NetworkManagerの三階層の構成をとり、効率的に管理レイヤを分担している。各レイヤの主な機能を以下に示す。


図3 XdMSソリューションのモジュール構成

・ServiceManager
ドメインをまたいだ顧客・サービス・論理ネットワークの統合監視及び管理
・DomainManager
ドメインをまたいだEnd-to-endのネットワーク設計及び設定
・NetworkManager
ドメイン内の物理ネットワーク機器の設定・インベントリ及びステータス監視

 XdMSソリューションは、市場で高い評価を得ており、固定網事業者だけでなくモバイル事業者からも引き合いがきているという。

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(こちらは2003年2月号になります)

(この続きの内容)
■大規模IPネットワークの管理を容易に実現するiNMSソリューション
■次世代ネットワークに向けたNetwork Domainソリューション

 

 


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