●NTTデータの金融サービス向けビジネス戦略

【地銀共同センター
次世代に向けた地域金融機関の競争力確保を支援


■銀行業界における共同化/アウトソーシングへの動き


 金融の自由化や業界再編、異業種間との戦略的提携など、金融業界を取り巻く環境は依然大きな変化が続いている。銀行業界においても、「新規参入業者への対応」「高度化する顧客ニーズへの対応」「営業力・収益力の向上」「コスト構造の変革」「人材確保」等の経営課題に対する取り組みが早急に求められている。地域顧客密着型経営を特徴とし強固な経営基盤を築いている地方銀行(以下、地銀)においても大きな変化の波が押し寄せている。IT化の進展に伴う時間・距離の低減がもたらす他業態からの容易な参入に対し現在の厚い顧客基盤を維持しつづけるためには、他業態等に負けないサービス・商品の提供は言うに及ばず、地域に密着したユニークなものを提供していく必要がある。そのため、基幹系システムのコスト削減とその結果生まれる経営資源を営業力強化やリスク管理強化等の戦略分野への投資に向けるための経営戦略として、基幹システムの外部委託の動きが活発化している。

 このような状況の中、NTTデータでは、地銀のシステム部門に求められる最重要課題を、

・顧客ニーズに柔軟に対応できる競争力のあるシステムの構築
・システムコストの削減


と捉え、これらの実現をめざした地銀向け共同利用型アウトソーシングサービス「地銀共同センター」を提案している。2003年1月現在の参加行は、池田銀行、岩手銀行、京都銀行、四国銀行、千葉興業銀行、西日本銀行、福井銀行、北海道銀行の8行。(五十音順)サービス開始は、2004年1月を予定している。

■戦略情報系「地銀共同センター」の基本スキーム

 地銀共同センターは、開発中の次世代システム「BeSTA」を使用し、基幹系システムを提供する(図1参照)。BeSTAは、柔軟性、拡張性に富み、ベンダーを特定しないNTTデータの次世代標準バンキングアプリケーションだ。地銀共同センターは「安心・安定の運営スキーム」「永続的な競争優位」及び「最大限のコスト削減」の3つをコンセプトにしている。


図1 NTTデータ地銀共同センターの基本スキーム

@安心・安定の運営スキーム
・共同センターを永年運営してきた実績を持つNTTデータが事業主体としてサービスを提供
・時流に即したスピーディな運営
・運営上の意思決定、システム利用等における不公平感の排除


A最大限のコスト削減
・複数の参加行をひとつのシステムで動かす方式―NTTデータの共同センターとして最も実績のある方式―を採用することで、将来に渡り参加行のコスト削減を実現
・共同化対象を拡大して、更なるコスト削減も第二段階として実施

B永続的な競争優位
・最新のシステム機能
・NTT グループの総力をあげて、IT戦略の提案や新商品の開発を支援
・参加8行による事務管理や新商品/新サービスに対する知恵の共有

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(こちらは2003年2月号になります)

(この続きの内容)
■システムのコンセプトと対象業務

 

 


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