●次世代キャリアインフラの基盤技術、MPLSの今後

【シスコシステムズ】
次世代ネットワークを支えるコアテクノロジーとして
適用領域を拡張していく「シスコMPLSソリューション」

■ブロードバンド時代におけるサービスプロバイダーの課題とMPLS

 日本は、昨年よりADSL、ケーブルを中心にアクセス回線のブロードバンド化が急速に普及し、今日では世界でも有数のブロードバンド大国になったと言える。一方、サービスプロバイダーは、アクセス回線のブロードバンド化とそれに伴うトラフィックの増加に対応しつつ、競争の激化と価格低下という厳しい事業環境の中で、他社との差別化を図り、収益を向上させなければならないという課題に直面している。その意味で、いかにネットワークを効率化して運用コストを削減し、無駄な投資を無くし、かつ付加価値の高いサービスを提供するかということが、現在のサービスプロバイダーの最も大きな関心事と言えるだろう。

 現在、そのようなサービスプロバイダーのかかえる課題を克服するためのキーテクノロジーとして大きな期待を集めているのが、MPLSである。MPLS技術を使うことにより、付加価値の高いサービスを提供することが可能となるばかりでなく、様々なサービスを同一のネットワーク上で展開することで、ネットワークの効率化を図ることができる。今後、MPLSネットワーク上で様々なサービスが総合展開されていくことが期待される。

■全世界サービスプロバイダーが認めるシスコのMPLSソリューション

 MPLS技術を使って実現されるサービスとして、代表的なものにIP-VPNサービスがある。IP-VPNサービスは、日本国内でも、企業の基幹ネットワークサービスとして急速に普及してきている。日経コミュニケーション誌(2002年8月19日号)の調査によると、幹線系及び支線系両方のネットワークについて、半数近くの企業が今後IP-VPN導入を進めると回答している。MPLSベースのIP-VPNが飛躍的に成長している理由として、「経済性」「柔軟な拡張性」「運用管理の容易さ」「パフォーマンス」「セキュリティ」等のメリットがあげられる。

 シスコは、MPLSのテクノロジーリーダーとして、常に技術の進歩、ユーザーへの啓蒙、標準化への取組みを牽引し、大きな実績と信頼を築いてきた。すでに世界140ものサービスプロバイダーがシスコのMPLSを導入済みであり、日本国内でも主要事業者がシスコのMPLSをベースとしたIP-VPNサービスを提供している。

■すべてのサービスをMPLSを通じて提供する“Any Service over MPLS”

 IP-VPNサービスの他、新しい企業WANとして広域イーサネット、ADSLやFTTHを使用したインターネットVPNなども普及してきているが、そのような新たなWANサービスにも幾つかの課題がある。例えばIP-VPNでは、自由度が高い反面、
ルータの設計の手間がかかる。広域イーサネットでは、ルーティングなどの自社の運用が手間となっている。また、スループットやセキュリティに対する不安については共通の課題である。これらの課題を解決する方法として、シスコでは、顧客のネットワーク機器の管理までを含めて提供するManaged VPNサービスや、MPLS QoSやトラフィックエンジニアリング機能を組み合わせて、ユーザー毎の帯域保証やレイテンシ保証、信頼性確保を実現するSLA保証型サービスなどを提唱している。さらにシスコでは、IP-VPNサービスの他、フレームリレー、ATM、広域イーサネットなどのレイヤ2サービス、あるいはIPv6サービスなどを、全てMPLSのコアネットワーク上で統合的に提供する、「Any Service over MPLS」の展開が可能である(図1参照)。これにより、サービスプロバイダーは、ネットワークの効率化と高収益化とを同時に実現することができる。


図1 Any Service over MPLSの構成例

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(こちらは2003年1月号になります)

(この続きの内容)
■MPLS各種拡張機能を実装したシスコNext Generation Router(NGR)

 

 


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