●次世代キャリアインフラの基盤技術、MPLSの今後

【古河電気工業】
イーサネットベースMPLSが切り開く新サービスへ
“Everything over MPLS”メトロエッジソリューション
ギガビット対応メトロエッジルータ「FITELnet-G80」&「FITELnet-G20」

■新たなサービスの実現に向けて“Everything over MPLS”を提唱

 近年、ブロードバンドをはじめとしたバックボーンの大容量化が進み、企業向けサービスとして、IP-VPNや広域イーサネットの利用が増大している。また、これらのサービスの収容拠点としてメトロエリアが注目されている。古河電気工業(以下、古河電工)では、利用が進むイーサネットの動向を、次の2つのPhaseとして捉えている。

・Phase T:LANの時代
企業内ネットワークにおけるデファクト

・Phase U:WANの時代
イーサネットをWAN インタフェースとして活用する

 現在イーサネットは、「安価にネットワークを構築できる」「データ通信との親和性が高い」ことから、メトロエリアへの導入や通信事業者での網内への採用が進んでいる。また、新サービスを可能にするキーテクノロジーとして、MPLS(Multi
Protocol Label Switching)が注目されている。MPLSは当初、ラベルを参照し転送することによる高速化を目指してきたが、今日では、ラベルという特性を活かして、トラフィックエンジニアリング、IP-VPN、レイヤー2-VPN、MPLS-IX へと適応範囲が広がっている。

 古河電工では、拡大が進むイーサネット技術をベースとした高付加価値サービスを実現するために、MPLS、マルチキャスト、QoS(サービス品質)、IPv6を軸としたメトロエッジソリューションを提供している。そして、あらゆるサービスをMPLSで提供する“Everything overMPLS”(図1参照)を提唱し、イーサネットベースMPLSが切り開く新たなサービスに注力している。


図1 Everything over MPLSの概念図

■新たなサービスと実現へのポイント

 Everything over MPLSのもと、提供していく主なサービスと重視するポイントについて、古河電工は次のような取組みを展開している。

【MPLSが可能にする新サービス】
・IP-VPN :古河電工のエッジルータは、RFC2547bis機能をサポートしており、複数ユーザーへのVPNサービスの提供、ユーザー間でのアドレス重複、エクストラネットへの対応等を可能にしている。

・レイヤー2VPN :Point-to-Point型とPoint-to-Multipoint型のサービスをサポートし、現在draft-martiniとdraft-lasserre-vkompellaをベースに実装を進めている。

・トラフィックエンジニアリング:高速キューイング方式PPQ(Policed Priority Queuing)のほか、シェーピング、優先制御・公平性を実現するWFQ(Weighted Fair Queuing)、DiffServのコア・エッジ機能などのQoS機能を使用。またこれらを組み合わせて使用することが可能。

・MPLS-IXモデル:MPLSを利用したIX(Internet eXchange)技術の確立を目指す「次世代IX研究会」の相互接続WGに参画し、要求仕様に対する適合性や相互接続性の高さを実証。2002年11月に日本テレコムが開始したMPLS-IX技術によるネットワークサービスに、古河電工の製品が採用されている。


図2 LSP提供サービス(MPLS-IXモデル)の構成例

【重視するポイント】
・キャリアクラスの信頼性:ハード、ソフトともに、設計・製造、機能等の検証と製品後の検査を行い、信頼性を確保。

・SLA :精度の高いポリシングやシェーピング、DiffServなど、充実したQoS機能を実現。

・相互接続性:相互接続検証イベントに参加し、ルーティングやMPLSについての高い相互接続性を実証。

・障害対応力:開発部門と密接したサポート部門が迅速に対応。

・経済性:自社開発の価格優位性を有して、高性能な製品を提供。


FITELnet-G20(左)、FITELnet-G80(右)

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(こちらは2003年1月号になります)

(この続きの内容)
■ギガビット対応メトロエッジルータFITELnet-Gシリーズの新製品を発表

 

 


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