●特別連載 BEA WebLogic &Tuxedo 先進事例
 劾TT ドコモ
 情報システム部
 ビジネス企画第二担当
 担当部長
 加藤 武雄氏
 劾TT ドコモ
 情報システム部
 ビジネス企画第二担当
 担当課長
 高橋 勝巳氏


第4回 
NTTドコモ物品情報システム「BUSKETS」の構築に
BEA WebLogic/Jolt/Tuxedoを活用


■各サプライヤーと連携する物品情報システム「BUSKETS」

 劾TT ドコモ・情報システム部が開発した物品情報システム「BUSKETS」は、サプライヤーから調達するネットワーク装置、携帯電話、FOMA、PHS端末等の商品系物品の在庫管理や配送管理を行う他、NTT ドコモ社内で使う事務用品から什器、家具、パソコン、UNIXマシン、さらにはストレージまで、調達をEDIにより電子化したシステムであり、社員がWeb上で電子カタログを活用して商品を選択し、購入・納品・検収まで支援する。

 以前のBUSKETSは物流システムとして、顧客システムALADINから販売情報を受け取り、サプライヤー側の端末とVANで接続しており、以下のような業務を行っていた。

1.ドコモショップなどの商品在庫情報管理(商品販売時の在庫減算や商品入出庫時の在庫加算・減算)

2.商品を移動した際に発生する取引データの管理(別店舗への入出庫時/顧客への販売時)

3.NTTドコモが商品を購入した際の取引データ管理(移動機メーカーからの購入時)


 ところが、旧BUSKETSには、以下のような課題があった。

1.サプライヤーとの取引が専用端末で行われているので、サプライヤ拡大要因の阻害となっていた。

2.電子カタログを使用しての購入がパソコン類に限定されていた。

3.商品の調達購入の予測が人手で行われており、稼働を要する。

4.システムを介したサプライヤー取引がネットワーク装置と移動機商品のみに限られている。


 これらの課題に対する改善策として、新システムのBUSKETSでは以下のような点を重視して開発が進められた。

1.情報共有を導入して、最新データをリアルタイムに公開する。

2.従来のVANを廃止し、インターネットを利用したEDI取引を可能にする。

3.SCM、需要予測を導入して効率化を図る。

4.電子カタログを導入して一般商品も対象にする。

5.レガシーシステム(商品販売や在庫管理機能)への影響を与えない。


■WebLogic選定の決め手はレガシーシステムTuxedoとの親和性

 NTTドコモは、サプライヤーとシステムとの連携を取るために、特別な用意がなくても簡易に接続できる手段として、システムのWeb化を推進していた。そこで、本格的なWebサーバーを導入するにあたり、システム要件を満たす製品をピックアップして比較を行った。

 比較検討の結果NTTドコモは、旧BUSKETSで使用している分散トランザクション管理システムのBEA Tuxedoが採用されていたことから、新システムとレガシーシステムの親和性を保ち、部品を流用してのコスト削減が可能であるとして、HTTP機能においてWebアプリケーション・サーバーにBEA WebLogic Serverを採用した。そして両者を連携させるインタフェースとして、BEA Joltを利用している。

 BUSKETSは、Webサーバーを冗長構成にし、インターネットで公開するためにDMZ(DeMilitarized Zone:非武装地帯)を設置し、WebサーバーとDBサーバーを分割し、ファイアウォールを構築した。またシステムのWeb化と同時にセキュリティの問題が発生するので、ユーザーアカウント情報と端末認証を使用し、セキュリティの確保を行っている。

 新しいBUSKETSを以下に示す。

1.ドコモグループと外部サプライヤーとをEDIシステムにて連結し、一般購入品の発注から納品・検収まで、迅速なEDI取引を可能とするシステムをWebにて提供する。

2.携帯電話端末等の在庫管理を行い、在庫データ、販売データを携帯電話メーカーと情報共有することでSCM、需要予測を実現している。

3.ドコモグループ社内への一般購入データを電子カタログにて提供して、システム上で価格設定を行うことにより、ペーパーレスで安価な取引の実現を可能にしている。


 また開発の途中で、一般購買の部分などに仕様変更等が発生したが、その内容に従って機能の調整が行われ、2002 年4月1日から本稼働を開始している(図1)。


図1 「BUSKETS」システム概要図

 「サプライヤーさん側から弊社の販売状況がリアルタイムで閲覧できるようなSCMの仕組みを導入しました。弊社とサプライヤーさんとで、お互いが取引状況を把握できることを念頭に置いています。」(NTTドコモ 情報システム部 ビジネス企画第二担当 高橋勝巳 担当課長)。

 BEA WebLogic Server について、NTTドコモ 情報システム部 ビジネス企画第二担当 加藤武雄 担当部長は以下のように語っている。

 「弊社はBUSKETSにおいて、適材適所にパッケージを選択した上でアプリケーションを開発しています。その中でも、BEA WebLogic Serverは安定して動作しています。

 BUSKETSは、レガシーシステムで使われていたBEA TuxedoとWebサーバーとしてのBEAWebLogic Server、そして連結部分のBEA Jolt活用しています。約7ヵ月の短期間でソフト開発することができたのも、WebLogicを活用したからだと言えます。海外製品は一般的に、サポートの対応が問題となりますので柔軟な対応をお願いしたい。」


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(こちらは2003年1月号になります)




(この続きの内容)
■各業務のEDI化を拡大しBUSKETSの利用率を

 

 


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