●NTTドコモのモバイルソリューションとユビキタス戦略

【『第15回日経ニューオフィス推進賞』受賞】
知の創造スペースを目指したNTTドコモ法人営業本部のモバイル


■知の創造をテーマにフリーアドレス、オープンオフィス化を実現


 NTTドコモ法人営業本部のオフィス(東京都港区)は、「知の創造をテーマとした空間づくり」というコンセプトに基づき、仕事に応じて場所を選べるフリーアドレスを採用。活動が把握しやすいオープンオフィスにしている。その背景となったのが、人それぞれが持つ経験則やノウハウなどの「暗黙知」、議論や資料やホームページとしてまとめた「型式知」。それらをベースにした、Face to Faceのコミュニケーションが「新たな知を創造していく」。その「場」がオフィスであるという考えだ。

 「国際赤坂ビルの私どものオフィスには、個人のデスクも資料を収納するロッカーや棚もありません。あるのは、個人のパソコンを収納する小さなロッカーのみです。完全なオープンオフィスであると同時に、徹底した電子化・情報の共有化が図られています。そのベースになっているのがモバイルイントラネットです。環境的にオープン化したと同時に、業務もフラットな体制にしました。また、第一から第三の各法人営業部ごとに、オープンオフィスの中央に顧客と社員とのコラボレーションを促す“知の森”“知の泉”“知の広場”と名付けたコミュニケーション&プレゼンテーションスペースを設けています。」(劾TTドコモ 星澤秀郎取締役・第一法人営業部長)

 オフィスづくりは、以下のことを実現するためのプロジェクトチームを作り、検討を重ねたという。

@人と人との交流の場の設定:オフィスに出勤したときに、当日の仕事内容に応じて誰の隣に座るかを含め場所を選べる。

A「知の交流」の場の設定(情報交流の場):お客様へのプレゼンテーションや商談、社員同士のコラボレーション活性化のための場所を設定(本部内各部の提案する商材のアピールの場として活用)。

B徹底した電子化・情報の共有化:イントラネットの活用を徹底し、そこに全社員及び全組織、全チームがホームページ(HP)を開設。知の創出と共有を円滑に行える仕組みを構築する。

■徹底した電子化と、イントラネットの活用で、知の創出と共有を図る

 このオープンオフィスは、従来からNTTドコモが進めていたモバイルオフィスを一層進化させたものだ。徹底した電子化と情報の共有化により個人の収納スペースを削減したほか、イントラネットを活用して、全社員のHPを自由にリンクさせ形式知の共有化を図っている。イントラネット上に作成された個人HPには、自己紹介・経歴・趣味のほか、業務資料を保存する書庫がアップされている。仕事で使用する資料などはすべてこの個人HPの書庫に保存・リンクされており、誰でも仕事の履歴や内容を知ることができる。また、社員全員にFOMAを貸与し、離れたところにいるメンバーと映像によるコミュニケーションやコラボレーションを可能にしている。

 まさに、働きやすく、知的生産性の高いオフィスであり、ワークスタイルの変革を促す進化したモバイルオフィスといえる。今後はさらに「社員が自ら考え、自ら活動し、常に知を創造するオフィス」を目指し、より自由な知的創造空間に進化させたいとしている。

■FOMA づくしの「知の森」

 オープンオフィスの中央部には、「知の森」「知の泉」「知の広場」と呼ばれるコラボレーションスペースが設けられている。ここは、コラボレーションによる新たな知の創出を目指す場であると同時に、お客様に各部の提案する商材のプレゼンテーションと商談の場でもある。以下に、第一法人営業部の「知の森」で展開されているアプリケーションの中から、その概要をいくつか紹介する。

@3G-GW
 「知の森」のエリアに入るとRFID付FOMAにTV電話がかかってくる。蓄積サーバに入っている映像をDTMFを利用してコントロールすることが可能。

A光反射式PDP
 建設・メディア・公共・都市開発・NTT・その他、以上6つの項目に分かれたムービーをタッチパネルの操作により選択、再生させることが可能。

BFOMA画像伝送
 FOMA高速データ通信を利用した双方向での動画(音声を含む)伝送システム。
 操作が簡単で送信機からの呼び出しに自動応答人待ち受け状態が可能。

C音声認識
 ナビゲーターの質問に答えていくと「レストラン検索」と「日報作成」ができるシステム。

D知の森タウン紹介端末(仮)
 タッチパネル式の情報端末。「知の森タウン」と「ソリューション事例」を紹介。

EFOMA-Moppetによる各種映像ソリューション
 NTT東日本・西日本のデュアルモードテレビ電話機「Moppet」に大型画面のCyberBord・映像サーバ・映像音声分配器・スイッチャー・ダウンコンバータなどの機器を接続することにより、あらゆる形式でのFOMA映像利用を可能にしている。
 FOMAでCyberBoardに記入される指示を見たり、FOMAからの映像をCyberBoardで見たり、音声会話をするといったビジュアル双方向通信を実現している。

FRFIDタグとモバイルによるロケーション情報管理システム
 RFIDタグを個人に所有させ、会議室・机などにアンテナを設置し、利用者がアンテナ受信エリアに入った時点で上位のサーバがID認証を行い、在席状況の表示や、メール配信を行う。

 
図1 第一法人営業部のコラボレーションスペース
   「知の森」で展開されるFOMAアプリケーション
 
写真1 第一法人営業部のHP

 
写真2 FOMAと連携しビジュアル双方向
   通信を実現するCyberBoard
 
写真3 RFIDタグとモバイルを使った
       ロケーション情報管理システム

 

 


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