●ブロードバンドネットワークを活用したNTT東日本の最新ソリューション事例

全国型VPNソリューション「Tm@VPN」を利用して
柔軟な社内基幹ネットワークを構築


 アメニティー(快適)、セキュリティー(安全)、クオリティー(信頼)の3 つの事業理念のもと、“ふれ愛のパートナー”をキャッチフレーズに、マンションおよびビル管理事業を中心とした総合生活サービス業を推進してきた鞄結}コミュニティー様(以下、東急コミュニティー様)では、社会動向を的確に捉えた戦略的営業展開と顧客信頼性と収益性の向上に向けたIT の活用に積極的に取組んできました。その代表的な取組みが、NTT東日本のVPNソリューションサービスを利用した社内基幹ネットワークの構築です。

【事例】鞄結}コミュニティー様
利用状況や用途に応じたサービスの使い分けを実現

 鞄結}コミュニティー
 IC事業部
 情報システム部計画課
 左:課長 石橋 健氏
 右:運営管理担当係長
    畑谷 智規氏

 東急コミュニティー様にとって、経営戦略に基づく業務運営を全国に点在する多くの拠点にシームレスに展開することは、同社のIT戦略の柱であり、事業展開を左右する重要ポイントでした。東急コミュニティー様におけるITを駆使した社内基幹ネットワークの取組みは、NTT東日本の「Ephelio-VPN」を採用したネットワーク構築から始まります。当時、Ephelio-VPNを採用した理由について、東急コミュニティー様は次の2点をあげています。一つは、非常に安価にVPNを構築できること。インターネット環境の整備と通信コストの削減を同時に実現しようとしていた東急コミュニティー様にとって、基本インストールをセットにした形でコストパフォーマンスに優れたVPN機器を安価に提供するEphelio-VPNは、ニーズに合致した最適なサービスでした。そしてもう一つの理由は、実績のあるNTT東日本にVPN機器の保守・運用をアウトソーシングできることです。

 一方、オープンネットワークであるインターネットを中継網として利用するインターネットVPNを利用するあたり、セキュリティー面での安全性に不安を感じる声もありましたが、装置の検証等を繰り返すうちにその不安は払拭されました。

 コストパフォーマンスを最大限に追及したことと、東急コミュニティー様が全社をあげてインターネットに接続しようとしていた時期とが重なったことが採用の背景にありました。Ephelio-VPNによる社内基幹ネットワークの構築により、東急コミュニティー様は全国規模のインターネットVPN網を実現しました。


図1 東急コミュニティー様のネットワーク構成イメージ図

■Internet-VoIPとの融合により音声通信コストを削減

 経営を取り巻く環境は刻一刻と変化しています。構築後2年を経た東急コミュニティー様のネットワークにもその影響が出てきました。まず主要拠点間の音声通信コストを削減するために、インターネットVPNに音声を融合させて、インターネットVoIPを構築しました。主要拠点間の通話をVoIPにすることで、通信コストの大幅な削減を実現しました。インターネットVoIPの導入については、社内でも賛否の声があったそうですが、その採用について、東急コミュニティーIC事業部情報システム部計画課の石橋健課長は、次のように語っています。

 「VoIPを導入するということで、当初は音声の品質に不安を感じていましたが、実機を使用した試験を繰り返すうちに、その品質に信頼を得ることができました。」また、NTT東日本の全国型VPNトータルソリューションサービス「Tm@VPN」を利用したネットワークサービスの移行・強化も行われています。Tm@VPNが提供するサービスメニューは、大きく次の3つに分けられます。

@@VPN Solution:ネットワークソリューションだけでなく、データセンターサービスも含めた最適なソリューションを提供。
A@VPN Consulting:お客様からの要望や現行システムの問題点、市場および技術動向等のあらゆる角度からの分析を踏まえたネットワークコンサルティングを実行。
B@VPN Operation:故障受付から性能管理までネットワークのオペレーションを一元的にトータルサポート。

 以上のようなサービスメニューにより、Tm@VPNは、NTT東日本が提供している各種ネットワークサービスをお客様の要望や状況に応じて組み合わせたり、さらには保守・管理までを行うトータルサービスとして提供しています。東急コミュニティー様のネットワーク移行についても、このTm@VPNに基づき行われています。

■柔軟な使い分けを実現

 現在はADSLやBフレッツ等をアクセスとしたインターネットVPNにより通信が行われていますが、このままでは、より高度なアプリケーションが要求するデータ通信に不具合が生じてくることが予測されます。そこでNTT東日本では、主要拠点間をブロードバンド環境におけるより高速なネットワークにすることをめざして、高速かつ高品質なネットワークをリーズナブルな県内均一料金体系により提供するネットワークサービス「メガデータネッツ」と、NTT-MEのブロードバンドネットワークソリューション「Xephion」を利用したIP-VPNの構築に取組んでいます。

 現在、東急コミュニティー様では、全国に点在している事業所間での業務データ通信をNTT東日本が構築した社内基幹ネットワークを利用して行っています。しかし、同ネットワークに接続されている事業所数は約120ヵ所。その内訳は、業務の要となる支店クラスからごく小さな事業所まで、規模の差や通信内容が大きく異なっていることから、単純に同じネットワークを敷設すればよいというものではありません。そのため、大規模な拠点ではIP-VPNを、小規模な拠点ではInternet-VPNを利用し、さらに優先度の高いものについては帯域保証のあるIP-VPNを利用するなど、柔軟な使い分けが行われています。

 「状況や用途に応じてネットワークを選択し、利用するという融合形態での利用を可能にしているのは、最適なサービスを組み合わせて提供するTm@VPNならではのものですね。また、オープンネットワークであるInternet-VPNですが、かなりセキュアな状態で利用することができるので、管理情報の送受信なども安心して行えます。」(東急コミュニティーIC事業部情報システム部計画課運営管理担当係長、畑谷智規氏)

 

 


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